見出し画像

アメリカで出会った100の光景 No.36(大自然の絶景)過酷のち絶景 ヨセミテ滝のトレッキング


ヨセミテ国立公園も今年は雨が多かったそうだ。夏場にはすっかり枯れているはずのヨセミテ滝が8月にもまだ迫力の姿をとどめていた。

画像1


「せっかくだから、明日上ってみよう。」

夫の言葉に、「うん、いいよ」と軽く答えてしまったわたし。このときにはこのトレッキングがわたし史上一番つらいものになるとは思うよしもなく。

トレッキングのときには早起きが基本だ。早い時間から歩き始めると、気温も日差しもキツくないし、トレイル自体も人が少なくて歩きやすい。そうそう、遅れを取ると熾烈な争いになる駐車場も空いている。
そんなわけで、5時半起き。軽く部屋で朝食をとったら、出発。園内に宿が取れなかったので、30分ほど車を走らせなければならないのだ。結局トレイルヘッドに着いたのは、8時くらいだったみzmろうか。

熊がいるから、食べ物は車に置いていかないで!という注意書きがお出迎え。こういう注意書きを見ると緊張が高まる。

画像2

さて、遠くに見えていたヨセミテ滝に向かって歩き始める。
トレイルは石が階段のように組まれている。歩きやすいかといえば、歩きづらい。しかもすぐに滝は見えなくなった。足元の石と、周りの木々、ときどき視界が開けた時に見える遠くの岩山。それらを交互に眺め、歩を進める。

画像3

夫との会話も減り、聞こえてくるのは、自分の息づかいだけになってきた。
しんどい、しんどい、しんどい。

そもそも、わたしはトレッキングなんて好きじゃないんだ。それなのに、どうしてこんなキツい思いを・・・
自分の中で禅問答が始まりだすと、しかし、景色が変わるのだ。


画像4

水の音が聞こえてきたかと思うと、滝壺が目に入ってきた。勢いある水の流れを目にすると、ちょっと元気がチャージされる。

ここからこの上まで登るのかと思うと気が遠くなるが、せっかくここまで来たのだから、ここでしか見れない景色、がんばった人しか見れない景色を目指そう、と自分を鼓舞。

だけど気持ちだけでは身体のキツさは追い払えない。いや、むしろ時間とともに、暑さと疲れは増していく。体中で呼吸している感じ。こまめに休み、水を飲む。もういや、本当にいや。

しかし、くじけそうになると現れる、がんばったご褒美風景。
ヨセミテを代表するハーフドームが見えた!
鳥の頭部分と同じ高さまで登ったんだと思うと、またもややる気が出てくる。ちょっとだけ。

画像9

それにしても、頂上までなんて遠いんだろう。
足のももが重たくて上がらない。一歩ずつを意識しながら歩いていく。
お日様も元気だ。日陰がまったくないのでただただ日にさらされながらひたすら前へ。けつまずいた時に、自分で上げた砂煙が忌々しい。

画像6

目の前に立ちはだかるのは、壁。名実ともに、巨大な岸壁。
しかし、始めがあることには、終わりが必ずあるのだ。

画像11

へっぴり腰で、手すりをぎゅっと握りしめ、たどり着いた先はついに頂上!実にスタートしてから4時間が経っていた。

穏やかな気持ちで眺める広大な風景のなんて素晴らしいこと!

画像10


ヨセミテ滝を本当に上から見ることができるなんて!
手すりがあるところから恐る恐る覗き込む。水しぶきが飛び散っているし、岩もあって下までは見えないが、すごい迫力。
そして、風が本当に強い。立っているだけでも持っていかれそう。

画像8

そして振り向けば、信じられない光景。なんとプールで水遊びをする人々の姿が目に入った。
どれだけタフなんだろう。わたしなんて、ここまで来ただけでヘロヘロだ。
ひょっとして、ヘリかなんかで運んできてもらったんだろうかと疑ってしまう。

画像7

ちょっと広けて平らになっているところで、持ってきたランチを食べてしばらく休憩。
トレッキングの醍醐味を存分に味わう。

画像11


そして、帰りは来た道を戻る。
楽勝、と思っていた。
今まで経験してきた(というほどは経験していないけれど)トレッキングでは、そうだったから。わたしは登りは遅いけど、下りは人並み。登りは苦しいけれど、下りは鼻歌だって出ちゃう。
この道は、ずっと下るだけ。つまりは、楽勝!

しかし、甘かった。いつまでもいつまでも続くつづら折り。下りても下りても、いっこうに下界に近づかない。
わたしたち、本当にこんなに急なところを登ってきたのだろうかと不安になる。急な上に、砂で滑る。膝が笑い始める。けらけら。

画像12



日差しは相変わらずで、喉が渇く。水がなくなりそうな不安も出てきた。
早足の外人に抜かれていく。
つづら折りを折れても、また同じ景色、また同じ景色。タヌキにばかされて同じところを歩いているのでは・・・?そんな気さえしてくる。

しかし、くじけそうになると現れるご褒美。
タヌキではなく、幸せの青い鳥・ステラーカケスが現れて、道案内のように前を飛んでくれた。
なごむー。
そして、やっぱり下り始めたら、終わりもきて、無事に駐車場までたどり着いた。

画像13



8時間のトレッキング。登りの辛さは予想ができたけど、下りまで辛かったの初めてだ。

もちろん、今となっては、辛かったけどいい思い出。次の日からしばらく、筋肉痛がひどくて使い物にならなかったけど。

行くときには、1日がかりだという覚悟と、水を持てるだけ持っていくことを忘れずに!!

ヨセミテ国立公園(カリフォルニア州)
Upper yosemite falls trail


この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

100まで頑張ります!!
1

シカノミエ

アメリカの国立公園好きの夫と、二人暮らしです。 趣味は自分探し。  先日、自分に合う仕事は?という占いをやろうとしたら、わたしの年齢はもう対象外でした。 夫に毎年連れて行かれるアメリカの国立公園の話や、日常のことなど。つれづれなるままに。

アメリカで出会った100の光景

旅の相棒は、車とカメラとストック、と夫。 アメリカの国立公園を中心とした旅の中で出会った、ワイルドで素敵でときどき過酷な光景を綴ります。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。