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アメリカで出会った100の光景 No. 40(大自然の絶景)早起きした人だけが見れる幻想的な風景・グランドティートン

人気の国立公園イエローストーンに隣接していながら、日本ではそれほど知名度の高くないグランドティートン国立公園。
イエローストーンは間欠泉など動のイメージがあるのに比べて、山々の連なる雄大な風景のグランドティートンは静のイメージで地味だからだろうか?
少なくともわたしはそう思っていた。地味でしょ、グランドティートン。

けれど、実際に行って雄大な景色を目の当たりにすると、スケールに圧倒された。グランドティートンは「シェーン、カムバック!」というセリフで有名な西部劇の”シェーン”の撮影地でもある。
どこを切り取っても絵になるのだ。

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自然の風景はもちろん、人の営みの感じられる教会も、素朴さが心に訴えてくる。

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もちろん、トレッキング天国でもあるので、ちょっと歩いただけでも、湖や川がキラキラと迎えてくれて、気持ちがいい。

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いや、しかし、しかし、これだけではイエローストーンに勝てない。(勝たなくていい。)
グランドティートンの真骨頂は、早朝にある。
早起きしてこそ、この公園のすばらしさを堪能できるのだ。
朝、まだ暗いうちに起き出して、化粧もせずにカメラだけをもって車に乗り込む。

森の方から、ケーンケン、ピーピー、ヒューヒュー、なんの動物だかは全く見当がつかないが、呼応しあうように動物たちの鳴き声が響いている。

鳴き声の主を探す。
道路の路肩に車が止まっていたら、それは動物が近くにいるという印。
自分よりも先に動物を発見した人に便乗して、車をちょっと離れたところに止める。
高い三脚に長いレンズ。カメラと装備だけでやる気のほどが伝わってくる。
いたいた、角の立派な鹿。
ドアを閉める音で動物は逃げてしまうので、そこは静かに静かに注意深く動くのがマナー。わたしは、ドアをバタン!とやっちゃってにらまれたことあるけれど。

この日見れたのは、主に鹿だった。姿もツノも大きいほどうれしくなるけれど、あまり近づくのは禁じられているし、そもそも怖いので近づこうとは思わない。

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不思議なことに、空が明るくなってくると同時に、動物たちの鳴き声がしなくなり、姿も見えなくなった。

周りの景色の輪郭がはっきりしてくると、川辺に霧の立ち上っているのがわかった。なんて幻想的!
こういう景色はイエローストーンにもひけをとらないのに、と勝手に肩入れ。(だから、勝負する必要はない。)

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とにかく、のびのびとしている動物と遭えるのは早朝のごく短い間。グランドティートンに行くときには、早起きをすることをお勧めます。
朝食は戻ってきて食べればいいのです。

グランドティートン国立公園(ワイオミング州)
Grand Teton National Park


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