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アメリカで出会った100の光景 No.35(大自然の絶景)セコイア国立公園で巨木の間をそぞろ歩き

巨大な森、と聞いて想像するのは、どんな森だろうか。
東京ドームいくつ分とか、山いくつ分とかといった広い森ではないだろうか。
ところがここ、カリフォルニア州・セコイア国立公園の巨大な森は違う。
もちろん、広いのは間違いない。まあアメリカにある以上、日本人の感覚からすればなんだって広い。
しかし、ここでいう巨大とは、縦への巨大。木の高さのことだ。それがもうすさまじく規格外。
巨木の正体は、ジャイアントセコイア。普通の大きさ(といっても十分に高い)木々の間に大きく太い木が点在している。
最初に目にしたときには、想像以上の大きさにおおーっと声をあげてしまった。

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見上げてみるが、木の上の方までははっきりわからない。
そしてやはり、写真1枚には収まらない。
木の下部分だけでもう1枚。
ああ、写真だけでは、まったく高さが伝えられないのがもどかしい。

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高さだけでなく、幹の太さも規格外だ。
木の前に座って写真を撮っている親子は一瞬、家の前にでもいるかのように見えたもの。
洞を覗き込めば、寝泊まりできるくらいの大きさがあってこれまたびっくり。

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立っている木が高ければ、倒れている木もそれだけの大きさがある。
驚きの木のトンネル。
道をふさいでいる倒木の幹がくりぬかれて、車が通れるトンネルが作られたのは、1937年だそう。
幹の高さは2.4m。ここもみんなの撮影スポットになっている。

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ちなみにこの公園には、地球上で一番大きいというシャーマン将軍の木というのがある。樹齢は、約2200年。高さは83.8m。幹の太さは31.1m。
書いた数字を見返して、本当に合っているかと心配になってしまう。2200年・・・相当なおじいさまだ。
この木が間違いなく、公園で一番の人気スポット。木の周りは人がごった返していて、いろんな言語が飛び交っている。
木の前で写真を撮りたい人達は順番待ちをして、看板の前でちゃんと並んでいるのがかわいらしい。

さすがに、この木や、他の有名な(?)木の周りは囲いで覆われていて、直接触ることはできないのだけれど、時折、囲いを乗り越えて、勝手な振る舞いをしている不埒な人たちも残念ながらちらほら。まあ、主にスペイン語を話す人たちでしたかね。オーラ。

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ジャイアントセコイアの森には、トレイルがいくつか作られているのだが、大人気のシャーマン将軍の木を過ぎると、ぱたっと人気が減る。
大木の間をゆっくりと歩くことができるコングレストレイルを歩く。

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意外と緩やかな上り坂で、意外と標高が高いので歩いていると息がきれてくる。
そんなときには、立ち止まって思いっきり深呼吸。
・・・したいのだけど、ここは他の森とちょっと違っていて、木々の清々しい匂いがしない。なんとなくきな臭い。
そう思いながら歩いていると、なんと木の根元付近から煙りが上っていた。
えっ!?もしかして火事?
木の幹は黒く焦げている。
このまま放置していたら、燃え広がるんじゃないだろうか。
辺りには人がいない。これがもし大きな火事になったら、わたしが第一発見者!?ひょっとして、放火と疑われることにもなるんじゃないだろうか。

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どきどきしながら、その場を離れると、近くに張り紙があった。
要約すると”野焼き”。
つまり、コントロールされた火だったのだ。とりあえずは一安心。
焦げている木は、雷に撃たれたからだと思っていたけど、違っていたのだ。びっくりさせないでよ、もう。
まさか、国立公園で野焼きのシステムがあるとは思わなかった。しかし、風で飛び火したりしないのだろうか。

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さて、このトレイルを歩いていて他に気づくのは、大きな木に名前がついているところ。
写真を撮るときには、名前の入った看板と一緒に撮ることを強くお勧めする。
後から見かえしたときに、木を区別するのはほぼ不可能ですからね。

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セコイア国立公園(カリフォルニア州)
Sequoia National Park




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