見出し画像

アメリカで出会った100の光景 No.39 (大自然の絶景)天へ向かうスリリングなドライブ・パイクスピーク

コロラドに、パイクスピークという山がある。標高は約4300m。
アメリカの第二の国歌と呼ばれる「America the Beautiful」という歌はここの景色に感銘を受けて作られたという。そんなこともあるせいか、アメリカ人にとっても人気のある場所だそう。

パイクスピークの山頂までは、電車で登れるという。アメリカを旅するときはレンタカーで移動しているので、電車に乗る機会はほとんどない。せっかくの機会なので、電車に乗ろうと麓のマニトウスプリングスに向かった。
マニトウスプリングスは小さくてかわいい町。

画像1

炭酸水の湧き出る飲水場がそこここにあるので、見つけるたびに飲んでみる。

画像2


さて、電車に乗るべく町をうろうろしたものの、乗り場も切符売り場も見つからない。どうも電車の旅には縁がない模様。
しかし、車でも山頂まで行けることがわかったので、車で向かうことにする。
ゲートには、車が数台並んでいた。入場料を払っていよいよ山へ。山道、緊張する。わたしは助手席なのだけれど。

画像3


車でも一気に山頂まで行くと、高山病の症状が出る危険があるということで、上っていく途中にある売店で一休み。
ゲートよりも、かなり気温が下がっている。酸素が薄くなっていることも感じる。温かいコーヒーを飲んで一息つく。

画像4


車から見えていた木々の緑はだんだんと少なくなり、山肌を覆う岩はゴツゴツして、寒々しい風景に変わっていく。

そんな中、ときどき自転車で山頂を目指している人たちを抜かす。信じられないくらいタフな人たちだ。尊敬とエールの意味をこめて手を振ってみるけれど、もちろんこちらを気にすることはない。

画像5

木がなくなると、岩がゴロゴロしている中に道が一本あるだけ、という景色に変わる。
空が、雲が近い!

画像6


急なカーブが続き、体が左右に振られるたびに、心でブレーキをかける。道から飛び出したら一巻の終わり、という場所もたくさんあったのだ。
さて、麓から走ること約30km。いよいよ山頂に到着した。
だだっ広い駐車場にまず驚く。山の頂上、こんなに平たいんだ。駐車場はいっぱいだった。こんなに人がここに来ていたなんて。

そして、山頂からの大パノラマを堪能。山頂の土の色、木々の緑、そして点在する町の色。
強風にさらされながら、下から来たんだということを改めて感じる。それにしても寒い。

画像7


乗り損ねた小さなかわいい電車もやってきた。ぞろぞろと人が降りてくる。
でも、わたしたちは、車でよかったかも。自分たちのペースで好きに行動できるし。山道のドライブ、なかなか素敵だったもの。
(※この登山鉄道は2021年まで、メンテナンスのため休止中です。)

画像8

山頂には「America the Beautiful」の碑もあった。

画像9

少し休憩したら、下山。車のブレーキチェックを受けて出発。
カーブが多い山道なので、前を走っている車はみんな等間隔に車間距離を空けて慎重に運転している。

しかし、実はここは有名なレースも行われる場所。山の中腹から山頂まで標高差1400m、距離20kmのところを上るレースで、今までのタイムレコードは8分13秒とのこと。
日本ならガードレールが設置されているだろうカーブのところには、四角いワラの固まりが置いてあるだけで、絶対的に信用がおけない。
本当に命知らずの猛者がいるものだ。

画像10

アメリカの雄大さとざっくりさを味わえる、スリルと感動のドライブウェイ。機会があったら、行って損はないところです。

パイクスピーク(コロラド州)
Pikes Peak

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?