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孤独なスナック嬢との出逢い(壮絶)

私がネトナンを振り返った時、一番の感謝は今の彼女に出逢えたことですが、一番の感動は今回お話しする(ネトナンを始めて)3番目の彼女に出逢えたことかもしれません。この女性で夜を共にしたのは14人目になります。

彼女の名前はTさん。ブライダルネットから知り合いました。ブライダルネットでは写真を公開していませんでしたが、自己PR文の中に「新垣結衣や桐谷美玲に似ていると言われます」といったような事が書かれており、興味を持ちました。

・・・とは言っても、ブライダルネットに登録している男性は誰もがこの文章を見れるわけで、つまりは相当な倍率であり、返信が来たらラッキーくらいで構えていましたが、なんとすぐさまに返信をくれたのでした。
私の何を気に入ったのかは全くわかりませんでしたが、この機会を逃さぬよう、慎重にそしてスピーディーにやり取りを繰り返し、LINEに移動することに成功しました。

この時期、他にも多くの女性とアポ取りをしていましたが、私の中ではTさんが第一優先でしたので、是が非でも、彼女のアポを成功させたい、あわよくば彼女と付き合いたいと考えていた為、事前に電話もしっかりして、距離を縮めて会うという理想的なアプローチを行えました。

LINEでやり取りする中で、彼女の素顔が見えてきました。登録サイトには顔写真がなかった為、少々不安でありましたが、この点についても事前にLINEをやり取りする中で写メを送ってくれ、解消しました。

彼女はスナック嬢をしていました。

派手な赤いドレスを纏い、足を組んでソファーに座り、タバコを吸うロングヘアーな彼女の色気に一発KOでした。当時まだ24歳ではありましたが、大人びたその雰囲気は闇を感じつつも、美しく、今まで触れたことのない夜の蝶に見入ってしまいました。

そして、アポの日を迎えます。仕事終わりの19時に川崎駅の改札前で待ち合わせです。ドキドキしながら周辺を見渡すと、1人オーラを放つ黒髪でロングヘアーの女性が立っていました。

Tさんだ!

私はすぐにわかったのですが、今更になってビビっていました。電話では普通に話していましたが、ひと声目で幻滅されたらどうしよう、がっかりされて帰られたらどうしよう、、なんて思いが頭の中をぐるぐる駆け巡るわけです。
彼女に気付かれぬよう、周辺を歩き回り、容姿を何度も確認しました。自己PR文で「新垣結衣似」と書いてありましたが、まさしくその通りでした。この時ほど、気持ちが高ぶったことはないと言えるほど、本人そっくりでびっくりしました。
だからこそ失敗したくない、失敗したくない、、なんて思いが更に強くなり、中々払拭できず、彼女に話し掛けるまでに実に15分以上かかりました。

そして、意を決して彼女の前に自分の姿をさらけ出しました。
案の定、彼女は私を見てクスッと笑い、こう言うのでした。

『〇〇(私の名前)って、背ちっちゃーい(笑)』

『〇〇(私の名前)、見た目はおじさんだね。
・・・写真はもっと若く見えたのに。』

やはり、そうなりますよね・・・と。
その容姿であれば、背が高くて見た目も若々しくて、
カッコ良い男性から声掛けられまくりでしょう・・・と。

折角、時間を掛けてきたのに会った瞬間にゲームオーバー?

・・・と思いながらも、私の中で1つの経験が思い起こされたのです。

覚えているでしょうか?

私が9人目に抱いた女性、そして初めての彼女になってくれた子のことですが、この時に私は「彼女を作る秘訣」を以下のように悟りました。

彼女を作る秘訣とは、初対面で自分の弱みを受入れ、いじってくれる女性を探す。そして、その機会を逃さないということです。

あれ?これは私の彼女にする鉄板の流れが出来ているのではないかと考えたわけです。会ってから5分、色々と私宛てに爆弾のような発言をガンガンぶん投げてくるわけですが、この経験があったのでむしろ良い流れと考えることが出来たのです。

予約していたお店に着きます。ここは、元々カラオケルームだった部屋を居酒屋にした模様で、完全なる個室でした。ソファー席に横になって座り、彼女の話を聞きつつ、距離を縮める機会を伺います。
頃合いを見て、彼女の肩に手を回してみると、それを彼女を受入れてくれたことがわかりました。

「おじさんでもいいの?」

『うん、〇〇ならいいよ!』

会ってまだ1時間もしていないのに、私にとって理想的な女性Tさんとキスを交わしていたのでした。

この時は、本当に衝撃的で至福を感じられる瞬間でした。

ブライダルネットで「新垣結衣に似ている女性」ということだけを頼りにメッセージを送り、結果、LINEから電話、会うまでに至り、そして実際に会ってみて本当に綺麗で色気があり、抱きたいと心から思った女性が、私の上に跨って、興奮してキスをしてくれているのです。

逆に私はこの状況がしっかり理解できておらず、嬉しいながらも冷静でいたような気がします。

そして、時間になり、お店を出ました。
彼女とは付き合おうという言葉を交わしたわけではありませんが、既にこの時点で恋人になっていました。
当たり前のように手を繋ぎ、2次会の場所を探します。

私は下心丸出しで彼女の家近くで呑むことを提案しました。彼女はその下心を理解し、笑いながらもその提案に乗ってくれました。

彼女の家の最寄り駅近くのカフェに入り、そこでもイチャイチャしながら、楽しい時間を過ごしました。
他のお客さんもいるので、流石に1軒目の様な大胆なコトは出来ませんでしたが、それでも手を握り合い、足を絡ませたりと、この後の行為を予感せずにはいられませんでした。

お店が閉まる時間になり、外に出されます。ほぼ、勝利が確定しているこの後の続き。私は彼女の家に行きたいと言いました。

が、彼女は冴えない表情で、今日は「女の子の日」であることを伝えてくれました。

内心、セックスは勿論したかったですが、そもそもTさんとこんな関係になれること自体が夢のようで、好きな女性と一緒に夜を迎えられることが、本気で嬉しく思い、セックスはどうでもよくなっていました。

幸福を噛み締めながら、彼女の自宅に向かって歩き始めました。

先程会ったばかりの新垣結衣似のTさんのベッドで、私は横になります。彼女がお風呂から上がって髪を乾かし、布団に入ってきます。

セックスは出来ないと知っていても我慢は出来ず、彼女の肉体に溺れます。彼女もムラムラが止まらず、あつい吐息がこぼれます。Tさんはごそっと布団の中に入っていき、私のをむさぼり始めます。
ひょこっと顔を出して、笑顔でやってくれた彼女は未だに忘れることが出来ない程、本気でイイ女だなと思ったわけです。

それから3日後、私は完全に彼女にハマっていました。解禁されたその日、私たちはやっと繋がることが出来、ネトナンを始めて心から良かったと思える日になりました。女性を本気で好きになると、普段の見慣れた風景が輝いて見えるということは間違いないです。


それから3か月程、私は他の女性との関係を続けつつも、彼女となったTさんを常に第一優先におき、ネトナン活動を続けていました。Tさんも私のことを好きでいてくれました。
仕事終わりに彼女の自宅に行けば料理を作ってくれたり、またスナック帰りにその足でわざわざ私の家に来てくれたりと、本当に愛しい存在になってくれていました。

中でも一番に感動したのは、タバコを止めてくれたことでした。
元々ストレス解消のために始めたようですが、〇〇が嫌ならやめる。と言い、いつの間にか吸うのを止めてくれたのです。
正直、止めてくれるに越したことはないのですが、無理やり止めさせる気もなく、勿論そんな発言もした覚えはないのですが、普段の何気ない私の行動から悟って、自発的にそうしてくれたことがとても嬉しかったのです。

しかし、そういう思いとは裏腹にこの頃から私に対するTさんの異常な依存が見え隠れし始めたのです。
私はこのネトナンを始め、多くの女性と接点を持つ中で、私を受け入れてくれる女性の共通点を理解しました。

それは「寂しさ」です。

私はこんなんでも育ちには恵まれていて、特に家族においては本当に大切に優しく育てて貰ったと心から思っており、親への感謝の気持ちは半端ないものがあります。
私は別に優しい人間だとは全く思いませんが、根の部分がこういう素材になっている為、ここに気付ける感性を持った女性は、私を受け入れてくれる傾向にあるのだと思っています。

Tさんは正に私のそんな裏側をしっかりと見てくれる方でした。そして、その優しさを求めていたのでした。


ある金曜の夜、いつもの様に仕事終わりに彼女の最寄駅に行きました。
間も無くして、彼女が迎えにきてくれたのですが、この日は少し様子がおかしかったのです。

笑顔で出迎えてくれるわけでもなく、まるで小さなこどもが親が遅れて迎えにきた時の様に、私の袖をギュッと強く握り、無言のまま私を見つめるのです。

「ごめんごめん、待った?」

と聞いても何も言わずにそのままスタスタと自宅に向かいます。
ご飯を頂き、お風呂も借り、いつもの様に彼女のパジャマも借りて、ベッドに入ります。

かなり疲れていたせいもあり、すぐ様、私は目を瞑ってしまいました。
いつもなら、仕事のことに気を遣ってくれ、そのまま寝かせてくれるのですが、この日は違いました。

『寝ないで!』

びっくりしました。
横で彼女が私にそう叫んだのです。

(何があったんだ??)

と内心思いつつ、聞いても素直に教えてくれない彼女の性格は理解していた為、その夜は自分の眠気を騙し騙し、彼女が先に寝るまで待ちました。

翌朝、私は休日出勤の為、彼女より先に起きて、家を出る準備を進めます。
一晩経って、彼女の精神状態も落ち着いたと思ってたのですが、まだそういう状態にはなっていませんでした。

私が顔を洗っている間に、私の靴を隠したり、行かないで!と私を引き止めたり、まるで小さなこどもが親にいたずらをするような行為を繰り返します。独りでいることに何か大きな不安を持っているのです。

ただ、私も仕事の為、行かざるを得ない状況なので、彼女を気遣いつつも、準備を進めます。

すると、彼女はポツンと言いました。

『・・皆、私をポイッてする。誰からも必要とされてない。』

この言葉が、私の心にヒヤッと冷たく響きました。

私が今まで抱いてきた女性、ましてや彼女に対して、私が今までやってきた行動を振り返り、悪いことをしたなという感情ではありません。

こんな寂しい言葉を発する彼女の過去が、容易に想像できてしまい、残酷で不平等な世の中が存在することを知り、とても悲しい感情が湧いたのです。

後々、わかったことですが彼女には母親はなく、父親と弟しかいません。
また、父親と弟はとても仲が良いのですが、彼女はその2人からもハブられた存在となっており、頼れる家族が誰もいないといった環境で育ってきたのです。

私は彼女のことが心から好きでしたし、何なら結婚する未来を想像すらしていましたし、その言葉にはまっすぐな気持ちで、返答できました。

「俺はそんなことしないよ」

それでも彼女はダンマリでした。
時間になり、ひとり残し申し訳ないと思いつつも、彼女の家を後にします。

彼女の最寄駅から電車に乗って10分後。

ラインがきます。

『〇〇、今までありがとう。』

『人生で〇〇と一緒の時が幸せでした。』

感謝を綴ったメッセージなのかもしれませんが、私はこの時に何かヤバイという直感が働きました。そして、結果その通りになりました。仕事場で待ってる人がいましたが、それどころではない何かを感じました。

慌てて次の駅で降り、彼女の家に再度向かいます。家までダッシュして、彼女の部屋に慌てて入ると、彼女はソファーでぐったりと寝ていました。

「何だよ、驚かすなよ。。」

『。。。』

「何してんのさー?」
と彼女に近付き、顔を見ると唇が真っ青で、明らかに顔色が普通じゃなかったのです。

ふと少し離れた食卓テーブルに目をやると、そこには恐怖の光景が広がっています。

大量の薬が無残にばら撒かれ、薬の入ってた袋が数十枚ほど空になって放置されていました。

彼女は一気にそれを飲み干したのです。

「何やってんだよ。。。」
多少意識のある彼女にそう言いながら、私は初めて彼女の前で泣きました。

慌てて、救急車を呼びます。
5分後、救急車が来て一緒に病院に向かいます。

・・・病院で祈るように待つ時間が恐ろしく長いのです・・・

数時間後、医師が来てくれ、命に別状はない旨を聞きます。

とりあえず、親御さんに電話してほしいと言われ、彼女に許可を取った後、私から相手の親に電話を掛けました。

翌日、病院にくるとのことです。彼女も翌日には退院できるということで、私も行くことにしました。現在の状況を話せば、余計なお世話かもしれないが、彼女の家庭もきっと修復できるはずと信じていました。

が、実際に会ってみて、娘を救ってくれてありがとう。と感謝を述べてくれたものの、そこに愛情は無いと会話している中で、私にも理解できてしまいました。
彼女をそのまま一人残すことも出来ない為、しばらくの間、私の家で半同棲生活をするということにし、この日に彼女の家から必要な荷物をまとめ、私の家で一緒に住むことになりました。

私の様な人間でも必要としている方がいてくれて、少しでもその力になれるのなら・・・と、そんな思いで彼女を家に招き、しばし彼女が元気なるまで、ネトナン活動は控えめにする生活になりました。


彼女と出逢い、そして色々な経験を繰り広げて、早半年が過ぎた頃です。
私は事実上、彼女と別れることを決意しました。
自分都合ではあったのですが、急遽、実家の方に戻る必要があり、また彼女も元気になり、元の場所に戻ることになったからです。

事実上、別れるというのは将来を見据えた付き合いはしないということです。散々迷ったのですが、私の親にも、彼女のことを話す機会があり、色々な経緯を話した結果、親はそれは難しいのではないか?という意見を言ってくれました。

私はすぐムキになる性格なので、勿論親のその言葉を鵜呑みにして、じゃあ諦めます。という思考にはならないのですが、最終的な私の幸せを考えたとき、親が幸せにならなければ、私の幸せにはならないと思いました。

また、私自身も彼女のことが好きではあったのですが、未だにネトナンを止められず、彼女に安心を与え続けることにどこかで疲れ、他の癒しをどこかで探していたようにも感じました。

彼女も私と出逢い、救われたこともあったかと思いますが、徐々に私のそういった想いを感じつつ、少しずつ少しずつ距離が離れていったのを感じていったのでしょう。
いつの間にか、タバコを吸うのを再開しており、たまに会っても心を閉ざし、まともに会話も出来なくなってしまいました。

そして、それからしばらくして『気になる人が出来たので、もう連絡しないでほしい』というLINEが送られてきました。

苛立ちと安心の狭間に私はいました。あんなに助けてあげたのに、、という想いと、これで良かったという想いがぐちゃぐちゃな状態になり、私自身もこのメッセージを受けてから、元に戻るのに多少なり時間はかかりました。

Tさんと出逢い、私が目指すゴール「結婚」に向けてわかったことが1つあります。それは結婚するから幸せになれるのではなく、幸せな人と結婚するから幸せになれるということです。

結婚する先に何かを求めるのではなく、もし、幸せになりたいのなら、すでに幸せな人生を歩んでいる人と一緒になるしかない。少なくとも、私には相手の幸せを引き出すだけのキャパはなく、結婚する前までにその状態に至れないのであれば、結婚すべきではないと悟ったのです。

私は女性と付き合いを重ねるほど、自分の力の無さに情けなくなります。1人の女性さえも救えないのか、、と残念な自分を認識せざるを得ないのです。
ただ、それでも何かを求め、私に頼ってくれる女性はいるわけで、そこから逃げるのではなく、次こそは!という思いで戦い続けるしかないのかなと思う日々を送っていました。

最終的には別れることになりましたが、Tさんと出逢えたことで、私が目指す「漢(おとこ)」に一歩近づけたのは間違いないです。

幸せにする力は私にはなかったですが、どうか、幸せになって下さいと今でも心から思える女性です。

以下サイトでも違う角度から語っていますので、興味があればご覧下さい。表現に卑猥な内容も含まれますので、閲覧場所にはご注意下さい。


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