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床焼肉

 最近、マイ七輪を購入した。最高に楽しい。
 届いたその夜に友達とお披露目会をした。やはり普通のBBQコンロとは一風変わった良さがある。こじんまりとしているが使ってみると意外と不自由がないとか、
コンロより少ない炭で火を起こすことができるなどがある。

 炭火料理とお酒はこれまた格別で、それを今の秋の肌寒い元で行うのがなんとも堪らんものだ。

 七輪二回目の出番はさんまで、秋の夜に七輪でさんまを焼くという風情極まりない行いをしてしまった。だが、冷凍のさんまだったため味はイマイチだった。

 七輪三回目は、一人焼肉をした。鶏肉をまるっと焼いてみたい衝動に駆られて、その晩にすぐ行った。鶏ももと豚ロースを買った。皮目から鶏を焼いていくと火が入っていくにつれて脂が落ちてそれが炭に当たる。それが火力増加となって鶏肉をよりこんがりと仕上げていく。その途中で何度もひっくり返すことによる丸焦げ防止は大変であるがその先に美味しい鶏肉が完成する。皮はパリッと、身はジューシーな最高な鶏肉が七輪さえあれば簡単に手に入る。
豚肉がおいしかった話は言うまでもなく、まずくしようがない。


そんな三回目の七輪堪能の途中に、ふと大学時代のことを思い出した。
大学一回生の初夏の頃、私は安いホットプレートをホームセンターで買った。
それは友達が来たときに焼肉したりするかなと思って買ったもので実際焼肉の他にもお好み焼きもしたし、餃子も焼いた。

 そんなホットプレートだが、買ってまもない頃友達とスーパーで半額シールを貼られたお肉を買い込んで焼肉をした。床に新聞をひいてその上にホットプレートを置いて自分たちも地べたに座り込んでパーティーを開始した。
 まず最初にもやしを胡椒でひたすらに炒めて、もやしが茶色く染まったぐらいで完成の力技のもやしいためをした記憶がある。塩胡椒でしか味付けしてないのにそれだけである程度満足感が得られた。

 5合だきの炊飯器でおそらく3〜4合くらいは炊いて、かっくらっていた。茶碗では間に合わないのでタッパーにご飯をよそって食べていた。お肉なんて焼いてタレをぶっかけたらなんでもおかずになるし、無我夢中で食べていた。

 床、半額シール、タッパーといった貧乏下積み芸人みたいなセットが揃ってしまったことが余計に当時のパーティを激化していって、今でも覚えているくらいの思い出として残っている。


 大学3回生あたりから安いご飯ではなくいいものを食べようという風習に変化していって、丑の日の鰻やらたまの焼肉外食などは多少値が張っても妥協せずに食べていた。それが幸せに直結していった。高いものには高いなりの理由がある。
そんな若干高級志向な生活を送っている時に逆に食べ放題の安い焼肉でお腹を満たしたい時もあったりする。

 雑にタッチパネルでお肉やらサラダやらを頼んで黙々と食べる。食べ放題は良くも悪くも制限時間が決まっているため、それが終わるまでは帰れないということになる。安い食べ放題というのは一定の美味しささえキープしておいてくれたらあとはだらだら積もる話に花を咲かせながら口に運んでいくのが楽しい。
 一方、高い焼肉屋は焼肉というかお肉と真剣に向き合うことができる。よって、肉欲を満たしたい時は高い焼肉屋で、人と話したい時は食べ放題というのがちょうどいいとたどり着いた。


 カルビ専用ご飯って美味しいよね。



チキン南蛮定食をたべます。