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あえて鈍行に乗る

 今は高効率やコスパ、タイパが求められる時代になった。移動もそのひとつで、街中の鉄道は高速運転をする種別が多い。僕が住んでいる関西では、私鉄にそんな種別が沢山あるのはもちろん、JRにも快速の上に新快速という種別がある。

 新快速とは、最長で福井県敦賀駅から兵庫県播州赤穂駅を結ぶ普通列車の名称で、停車駅が少なく速達性の高さから「無料の特急」と呼ばれている。特に京阪神間は競合私鉄と比べても特に速達性が高い。

 とても便利な列車で、急いでいるときや距離の長い移動には最適の列車なのだが、僕はあえて鈍行列車に乗るときがある。

 ひとつは「混んでいない」から。新快速は便利な分いつも混んでいる。ラッシュ時はもちろん、平日の昼時間でもビジネスマンが移動で利用することが多く、基本的に席の取り合いになる。座れず、立っていても停車駅が少ないので、駅ごとの入れ替わりまで走行時間が長く、結構しんどい。僕の休日に移動するときは座ってゆっくりしていたいのであまり使いたくない。

 もうひとつは「のんびり使っている人たちの人間観察をしたい」から。お買い物帰りにひと駅だけ使うおばあさんや、おでかけにワクワクがにじみ出ている家族連れ、校外学習に向かう児童たち。いろんな行き先を思い浮かべている姿を見るのが楽しい。

 さすがに混んでいてぎゅうぎゅう詰めの車内で、そんな観察をするのは難しい。きょうのお出かけもそんな鈍行列車でのんびり人間観察をしてくる。

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