SEROW225W【ヤマハ】

はじめに

今回インプレするのは1993年式になります。リア・ディスクブレーキ、

リアショック・リザーバータンクが装着されたモデルです。

この年式からヘッドライトもデザインが変更されました。

このバイクはいわゆる「フルサイズ」ではなく、一回り小柄な

「ミドルサイズ」バイクになってます。

殆ど改造ということはしてませんが、後述するエア・クリBOXの

ダクト取り外しと、それに伴うメインジェット変更をしています。

エンジン

典型的なトルク型のエンジンです。タコメーターはないので正確には

何回転かは分からないのですが、かなり低回転まで回転を落としても、

スロットルを捻れば加速してくれます。高回転も回ることは回るのですが、

いたってフラットなトルク特性です。高回転まで回してもパワーが

盛り上がってくる様な特性ではないです。

絶対的な出力としては、街中～ワインディング～林道まで特に不足は

感じません。ただ、追い越し加速時は

「もうちょっとパワーがあったら楽なのに」と感じます。

まあ、少々法定速度よりも遅い車に出くわしても無理に

抜かずにこちらものんびりとついて行けば良いだけの話なんですが。

「何人たりとも俺の前は走らせないぜ！」

という性格のライダーにはこのバイク、向いてないと思います。

逆に、肩に力を入れずリラックスしてバイクに乗りたい方には

オススメのバイクだと思われます。

燃費も4スト単気筒だけあって良好です。30km/L位走ってくれます。

ただ、「もうあと少しでいいからパワーが欲しい」と感じましたので、

エアクリーナーBOXに付いているダクトを取り外し、

空気吸入量のアップを図りました。吸入量がアップする分燃料も

多く供給して燃調を合わせないといけないのでメインジェットを

2ランクほどアップしました。

結果、低回転のトルクやスロットルレスポンスには影響はなく、

高回転・スロットルワイドオープン時の加速感がアップしました。

一般道の制限速度である60kmまでの加速時間が短くなった気がします。

この改造でもう一つ変わったのは吸気音です。

改造前は聞こえてなかった吸気音が明らかに聞こえる様になり

ました。端で聞いてても分かる位です。

サイレンサーの交換に比べれば静かなものですが、あくまでも静かに

乗りたい方にはこの改造はオススメしません。

気になる点としては、2点ほどあります。低回転から

加速しようとすると「ダダダダダダッ」という若干の振動が

あります。4スト単気筒特有のものと言えるのかも知れませんが、

もう少しスムーズな感じが欲しいです。ただ、

これは個人個人の好みもあるかと思います。

4スト単気筒特有の振動を好む方もいらっしゃいますので。

もう１点はクラッチが重い事です。ハイパワーなエンジンではないので、

何故こんなにクラッチを重くする必要があるのか不思議です。

短時間ならあまり問題ないのですが、長時間乗ってると

かなり左手が疲れてきます。

握力が弱い方はかなりしんどいのではないでしょうか？

車体

ミドルサイズのバイクということで、ポジションは結構コンパクトです。

シートの真ん中に乗ってる分には特に問題なく楽な姿勢で乗れますが、

コーナリングの時などで前の方に座ると身長165cmの私でも窮屈に感じます。

大柄な方はちょっとツライのではないかと思われます。

コンパクトな分、足つきはオフ車にしては良好です。

オフブーツを履いてる時は両足がベッタリと付きます。

乗り心地はソフトな方だと思われますが、「フニャフニャ」とした

感じではありません。適度に締まってると思います。

コーナリングに関して、まず舗装路のワインディングではコンパクトな

車体と相まってかなり軽快感があります。これでもう少し安定感が

加われば言うこと無し、という感じです。

未舗装の林道ではアンダーステアでもオーバーステアでもなく

ニュートラルな感覚です。特にクセを感じさせません。

また、路面が荒れてるところでも適度にサスペンションの

ダンピングが効いてて、乗りやすく感じられます。

総合

燃費が良くて航続距離がそこそこ長く、オン・オフ問わずに気負いなく

走れるので、ツーリングにはもってこいのバイクでしょう。

仮にオフを走るつもりがなくても車体が小さく軽量、しかも

扱いやすいエンジンなので初心者の方にオススメ出来るバイクです。

私はテクニックがないのでアタックツーリングなどしませんが、

そういった使用をされる方にも良さそうです。

余程体格が大きい方やビッグパワーを求める方でなければ初心者から

上級者まで誰でも楽しめるでしょう。

非常にオールラウンドに楽しめる良いマシンだと思います。

〈筆：Mr.V〉

（すべてがmotoになる：2009年1月13日投稿分）