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「ゆっきゅんのすごい方法」

「好きな人ができました。ゆっきゅんという男の子です。」

ユニセックスなカワイイ名前にミスidファイナリスト、青学の院生、アイドルグループ電影と少年CQ、カワイイモンスターカフェ、こうして属性を並べただけじゃゆっきゅんのこと一つも伝えられない。強いて言えばポップアイコン、そしてポップスター。

女の子みたいな、男の子っぽいだとかそんなものがただの記号に過ぎなくて、男の子だってお姫様になれる時代に記号なんて選び取るものでしかなくて、「それがすてきだと思ったから」という理由でなんでも選んでいい。赤いリップも、ロリータファッションも、それがすてきだし、似合うから。似合いたいから。存在ひとつでそれを伝えられるゆっきゅんは、やっぱり2018年の、あともっと先の時代の、ポップアイコンなのだと思う。記号的な性との距離感も。さよならジェンダーロール。

ポップアイコンは孤独で、孤高であってほしいときっとどこかで思っている。印象の話。アイドルはスタンドアロンであってほしいと思っている。グループか、ソロかってことじゃなくて。印象の話。孤独ではないアイコンはいないのだと、きっと皆どこかで知っているし望んでいる。その投影を許してくれるのがアイドルでありポップアイコンであることも。
そしてポップアイコンは「焦がれる側」に寄り添ってくれるけれどそこには圧倒的な断絶がある。
「you are not alone」とデヴィッドボウイが宇宙人となって歌う時、天啓のような力がうまれ、明らかに歌が、言葉がこちらに寄り添っているのに違う次元から降り注ぐ声にも聞こえるように。しかしそれは絶望ではなく、明らかな救いだ。ゆっきゅんはその断絶を持っている。こちらからの投影は彩度でもって溶け合うけれど光に跳ね返される。そこには光がある。それぞれの足で立っている。


初めて電影と少年CQをみたときの感想が「野ばらちゃんの世界から抜け出してきた男の子と女の子みたい、それか岡崎京子のハッピイ・ハウス辺りの感じ」だったのだけれど、後からゆっきゅんの人生が下妻物語によって始まっていた事を知って、あまりにも腑に落ちてしまった。すとん、とかどすん、じゃなく、どしゃーんと落ちた。

桃子が、下妻物語が私に教えてくれたことは、なに。ロリータの可愛さか、あるいはロココの愉しみか。いいえ何よりも、自分の流儀を持って生きることの美しさでしょう。桃子の孤独に生きる意志が、私の今までとこれからを照らし続けてくれるのです。たとえそれがときに強がりであっても、自分の道をゆくことの、美しさ。信念貫くハロプロ魂か。http://temee.hatenablog.com/entry/2016/03/02/045801

聖域のように、共鳴する人にだけ届く電波を発しているタイプの人というのがいると思っていて、私の思う現代に生きる人々では大森靖子さんや嶽本野ばらちゃんだったりするのだけれど、ゆっきゅんはそこに近づいているしそのDNAのようなものがあるんだと思う。美しい生き方を貫く方法みたいなもの、あとそれを伝播させる魔法使いとしての才能だったり、こんがらがったメンタルの人類の好きの気持ちを容認してくれる感じだったり。ある種の形でもって、ある種の美しさや矜持を持った人々に必ずいつか届く。東京タワーのようにそこにある(スカイツリーじゃないの)。

ゆっきゅんは真夜中のおうじさま。と私はひそかに呼んでいる。意識だけが肥大していくような深夜にツイッターをひらいてみると、たいていそこにはゆっきゅんのツイートがあるからだ。世界を一律で軽んじてしまいそうな深夜に、ゆっきゅんのグダグダな日常(起きたらふくらはぎにレシートが貼りついている、5秒前まで着ていた服が見当たらない、天井を見ているなど)ツイートを見ては自分かと思う、推しに似るってそういうことじゃないんじゃないか?と思いながら。「ゆっきゅん、わかりがすごい」とかツイートしちゃいながら。

最近ので一番好きなのはこれ

ツイッターを見ていて思うこと、ゆっきゅんが「あなたの好きな男の子であること」に自覚的でいてくれること。私は「アルティメット片想い製造機」と名付けてしまった。別名「ガチ片想い」。

ガチ片想いQ&A
Q.ガチ恋とはどう違うの?
A.一切病まない、つらくない、ただ楽しい
Q.そうは言ってもやっぱ付き合ったりとかしたくないの?
A.そういうんじゃなくて究極の自己完結だしもはや概念
Q.究極の自己完結ってどういうこと?
A.好きでいるのが楽しいという事象オンリーだからだよ
Q.それはいわゆる「恋に恋する」という状態では?
A.ゆっきゅんは気持ちを受け止めてくれるから一方通行だけど一方通行じゃなくてただの幸せな行き止まりなんだよ
Q.それって結局ときめいてる自分のことが好きなだけじゃんワラ
A.ときめいている自分の状態はすごくいいと思うし楽しいしゆっきゅんのことも自分のことも大好きって状態だからピースな愛のバイブスで最高なんだよ


私もそれなりにねじれてこじれて30数年サブカルクソ女と女子アイドルのオタクとして生きてきたから、「こんなに男の子にしゅきしゅきしていいの…?我が?我サブカルクソ女ぞ?」という気持ち(自分の女としての自尊心の欠如などの非常にねじれた要因)をゆっきゅんは軽々と飛び越えさせてくれた。もっと原始的な感情でしゅきしゅきしていいんだよと容認してくれている感覚がある。「かわいい」や「好き」というもっと大事にしてきたかったのに社会圧の内面化や自意識でないがしろにしてきてしまった原始的な気持ちのようなものを大事にし直す感覚に近い。生まれなおしてバブバブするのって幸せだったんだ。

女の子も男の子もおっさんもそれ以外も、ゆっきゅんしゅきしゅきしてピースな愛のバイブス出してみませんか。薔薇を片手に、ゆっきゅんにケチャしよう。

ゆっきゅんTwitter

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