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大森靖子さんのライブのこと(2016.11.18 ZeppTokyo)

とてもすばらしいライブだったので、ちゃんと自分が見た記録を書きたいなあ!と思ったんですけど、どう書いてもフィットしないので、見た夜にメモ書きしていたものをほぼそのまま載せます。
ライブの内容とかに触れてないし、ちょっとポエミーになっていて恥ずかしいし、でもそういう言い訳はやめていきたい次第です。してるけど言い訳。

16/11/19 0時28分19秒
仕事をたらたら終わらせて、ちょっといろいろ見ないふりをして、お台場へ急いで、楽しみで仕方なかった大森靖子のライブへ。昼間ちょっとメンタルヘルスがぐずっていて、私結局なんもないし、なんも持ってないし、悲しい。みたいな気持ちになっていたけど、そんなことはどうでもよくなるくらい、大森さんは客の全部を受け止めてくれていたし、ここにいることを肯定されている、と思った。人類愛とか大げさなものではなくて、あふれる愛をあげたい人なんて一握りだけど、いてくれるのが愛しい、全部で向き合うから見ていて、という感じだった。声が内臓まで入っていく感じがした。全部が音で、音が歌が全部だった。うれしかった。こんなにあらわなものを見たら、聞いたら、こちらも全部あらわ
になってしまうし、こんなに真摯なものをみせられたら、こちらも真摯になるしかないのだ。その場だけの空気を、きちんと覚えていようと思った。アンコールの、マジックミラーの、あの美しさを、全部おぼえておきたかった。ステージがあまり見えない位置でみたのも、結果的によかった気がする。聴くことに集中したかったし、この美しい歌と音楽を、聞き逃してはいけない、と思った。

「きみもかわいく生きててね」って最高のパンチラインでもって、ぐずっているわたしを、なぐさめてほしかったのかもしれないし、くるみこんでほしかった。大森さんは、ほしいものを、ほしいより多くくれてしまった。もう、かわいく生きるしかないじゃないか。

着ているものがむずがゆくてサイズが合わなかったら、はさみを入れていいし、形を変えたっていいし、デコってかわいくしてもいいんだよ、って言ってくれているみたいなひとだ。きっと、着心地が悪かったら、かわいくしてしまえばいいよ、って言えるひとで、それはとても正しいのだと思う。元気なんてなくても新しいワンピでテンションを上げられるんだ、よね。女の子はつらいし地獄、でも地獄もかわいくするんだよ、の気持ち、ギラギラのしあわせがほしい。そういえば、今までの全部があったからあなたはいまここに来ているんだよ。というようなことを言ってくれていた。泥の中、あれだ蓮みたいなものだった。これから、つらいことがあったら買ったグッズの、最高にかわいい小瓶に入った金平糖をひとつ
づつ食べる。そしたらかわいく生きられるかもしれない。ぜんぶでできている。ぜんぶが、ぜんぶの要素で、今日になっていく。東京のブラックホールは、愛とか感情とかをちゃんと飲み込んでひろがってゆく。


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