mido

目の前にいる友達に語りかけるように言葉を紡いでいきたい。

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最近の記事

ニーバーの祈り

「いいなぁ。私はピアノは来世で習うことにするわ。」 これは私が高校生の頃、同級生と3人で会話していた時にMちゃんがぽろっと言った言葉。 私が幼いころ、女の子は猫も杓子もピアノを習うのが当たり前だった。 自分から習いたいと言った覚えはない。 ただ気づけば毎週バイエルを手提げ袋に入れてピアノ教室に通っていた。 特に将来的な目標がある訳でもなく、腕前は中の中といったところ。 好きとか嫌いとかではなく、もはや習慣としてピアノを習っていたのだ。 小学生の頃に引っ越した先でも、親も私

    • オーラとは

      オーラとは何だろう。 昨日六本木に「バチェロレッテ シーズン1」の出演者だった福田萌子さんが来ていた。 イベント開始前から会場に溢れる人だかりと熱気。 そして待ちに待った彼女が登場した瞬間。 「萌子さんだ!」 「やばー!」 「めっちゃ綺麗!」 観衆のテンションは最高潮に。 きっとみんな生の萌子さんを目の当たりにし、彼女の「オーラ」を感じているのだろう。 確かに彼女には「オーラ」と呼ばれるものがある、ような気がするが。。。私が彼女に感じる「オーラ」は萌子さんを目の前に

      • お返し

        「首が前に出てて、なんか亀みたいだね。」 そう言うなり、その子は突然笑い出した。 中学生の頃の話。 私は人より首がやや長く、姿勢を意識していないとすぐに首猫背になってしまう。 それは何気ない雑談を同級生としていた時。 その前の話の流れは忘れたが、その話相手の彼女が唐突、無邪気に言い放ったのだった。 気にしていたことを指摘され一瞬呆然とした後、私は心の中に冷たい何かがすっと形作られていくのを感じた。 そして私は笑顔で言った。 「そう?じゃあ〇〇ちゃんはさ、色白でふっくらして

        • 私に必要だったもの

          「ダメになっちゃった。。。」 いい感じだと思っていた好きな人には彼女がいた。 傷口を掻きむしるように、友人にありのままの気持ちを垂れ流す。(あぁ、その時の私の顔、きっと恐ろしくブサイクだった。) いつかは立ち直れるとわかっていても、しばらくは気を抜けば波の様に押し寄せてくる後悔をどうにか封じ込めることで精いっぱいの日々。 食欲の湧かない体に無理やり食事を詰め込む傍ら、私は今の自分を救ってくれる何かを必死にスマホに求めた。 Twitterで人気の恋愛アドバイザーの投稿を漁ると、

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          切り取ったカレンダーの裏に

          真っ白な紙を素通りできるようになってしまったのはいつからだろう。 真っ白な画用紙、真っ白な原稿用紙、切り取ったばかりのカレンダーの裏。 自分の思い通りの世界をそこに写し取れるかというドキドキより、いつも少しだけ勝ったわくわくにまかせて手を動かしていたあの頃。 平均台の上を歩く様に、自分の心に忠実に線を引いたり言葉を紡いだりしていたあの時間。 そうして出来上がった作品は先生にどんな点数をつけられようとも、自分にとっては一生捨てられない宝物だった。 もう何年もそんな経験してい

          切り取ったカレンダーの裏に

          映画「シンプル・フェイバー」コメント

          人は自分の中に当たり前のように様々な顔や闇を抱えているのに、他人も同じように様々な顔や闇を抱えているという事実には鈍感になりがち。 つい自分に見せている顔だけでその人の性格を判断してしまい、後から他の顔を知って「まさかあの人が...?」とびっくりしたり。 事件が起きた時にニュースでたまに「いつも笑顔で挨拶をしてくれるいい人だったので、まさかあんな事件を起こすなんて今でも信じられない」というコメントを見るのですが、日本では 「きちんと挨拶ができる=きちんとコミュニケーシ

          映画「シンプル・フェイバー」コメント

          映画「七つの会議」感想

          映画「七つの会議」感想(※ネタバレあり) 2019年公開。  ひと言コメント:「藩に仕える武士のDNA」。  電化製品メーカーで社員が一生懸命働く中、ぐうたら社員の八角はなぜかクビにならない。 それどころか八角を責めたり調査をした社員は左遷されるという謎の待遇。 実は八角は会社のある弱みを握っていた。。  というストーリーなのですが、その弱み自体はよくあるリコール隠しで特に驚くことはなかったです。それより「本当の黒幕は誰か?」ということについて深く考えさせら

          映画「七つの会議」感想

          ピラティスについて思うこと

          私は普段ぼやぼやしている。 どれくらいぼやぼやしているかというと、一人暮らしをしているマンションの洗面所の床に「配管アリ」と書かれていることに気づくのに、3年かかったほどだ。 自宅から代々木上原駅まで徒歩10分強で行けることに気づいたのはそのさらに半年後だ(気づいたというより人に教えてもらって知った)。今はその代々木上原駅でピラティスを習い始めてもうすぐ5か月になる。 軽い気持ちで始めたのだが、ピラティスの動きは地味でゆっくり。それでいて見た目以上にキツい。ダンスのように

          ピラティスについて思うこと