ノートルダム大聖堂火災に思うこと

朝5時半、私の部屋の目覚まし時計の代用品にしか使っていないテレビがノートルダム大聖堂に火の手が上がっていることをけたたましく伝えた。ヨーロッパには行ったことはなくても、劇団四季のファンとしては信じられない思いだった。ディズニーミュージカル『ノートルダムの鐘』作品中、舞台セットにステンドグラスの薔薇窓が再現されている。※私が観劇の感想を投稿したのがまだ残っていたので、リンクを貼ってみた。

私の脳裏によぎったのは、911世界貿易センター倒壊のデジャブかと。国家の威信を取り戻すべく、’対テロ’戦争が巻き起こるのではないかと一瞬背筋が寒くなった。特に宗教的にシンボリックな建造物なだけに、犯人探しがあらぬ方向へ進まむことを恐れたが、今のところそれは野暮な心配だったようだ。

仏マクロン大統領が5年以内の再建を宣言するや、有名高級ブランド(グッチ、ルイヴィドン)そしてディズニーからも巨額の寄付金が集まり、数日で日本円換算1000億円にせまらんばかりの勢いだ。これは、世界を支配すると言われているロスチャイルド系金融一族とマクロン大統領との関係性を邪推すれば納得できる。しかも寄付金は税金対策&上流階級の影響力の誇示ともあれば。

ここに早速フランスの人々は異議を唱え、再びデモを蜂起した。社会的に困窮する人々には救いの手が差し伸べられずに放置されているのに、大富豪たちは何故にそんな巨額の寄付金をポンと「石」の為にだせるのかと。

日本では被災地をなおざりにして、’世界一金のかかるオリンピック’への準備に余念がない。およそ市民の生活とは無縁の目的に大金が投入されること多々。逆進性の強い消費税増税というカードは権力者の思うがまま。’人手不足’の福島原発の廃炉には外国人労働者が投入されるとのこと。

19世紀の文豪ヴィクトル・ユゴー原作『ノートル=ダム・ド・パリ』にもある二項対立の構図は21世紀の現代において一層深まるばかり。現代社会の歪みを、ノートルダム大聖堂火災はあぶり出したようにも思える。おかしいと思うことに、おかしいと言える人でありたい。大聖堂の鐘つき男、カジモドに自分を重ねてみる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?