そこにある白杖が見えていますか?

通勤帰り19時すぎの電車内は満員であった。
ザワザワして、「次は◯◯駅」というアナウンスが聞こえにくい。

私は白い杖をもって座席に座っている方が目に入ったので、目線の高さを同じくらいにして、驚かれないように声をかけることにした。窓の風景ではなく、このアナウンス音を頼りにご利用されてる方にとってご不便ではなかろうかと、根っからのお節介が黙っていられなかった。

「私は△△駅で降りますが、どちらまで行かれます?お手伝いできることありますか?」

すると、終点から数えて2つ目の駅まで行かれるとの返答。かなり遠くで私も降りたことの無い駅。さすがにそこまで同行するわけにはいかず、お詫びを言って電車を降りた。

同じ車両に乗り合わせた人を見渡せば、みんな自分のスマホに夢中だったり、会社仲間等と話し込んでいて、白い杖をもっている人がいるだなんて、見えていたとしても、見えていないフリをしている。歩み寄ろうなんて気配は全くない。

自分が困ってるときに、声かけてもらって嬉しかった経験ありませんか?『お互い様』って言葉は今も通じますか?あなたの心の目にはどんな景色が見えていますか?

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