Sci-Arc Edge シンポジウム Fiction and Entertainment
アメリカ生活が始まり少し余裕が出てきたので学校の事について書きたいと思います。
私が入学したSci-Arcには複数のプログラムが存在しBachelor, M.Arch1, M.Arch2, Postgraduateがあります。その中でもPostgraduateは特殊な立ち位置にあり、Pedagogy, Technology, City of Design, Fiction&Entertainmentと4つの分野から21世紀の建築にたいして実験的な試みを行う1年制のプログラムです。
中でも私が在籍しているFiction&EntertainmentはFilmやgame、VR,ARといったようなエンターテインメントを通して新しい建築の概念や、未来の世界についての思考を拡張していこうというプログラムで、1年がかりで1つの作品を完成させます。
Sci-Arcでは卒業と入学のタイミングが被っており、ChairのDavid Ruy曰く、バトンを渡すように繋ぎ、また一年間の旅に出るというような実験的試みの蓄積が感じられるようなプログラムになっています。Architectural Technology, Design of Citiesはパラメトリックデザインやプログラミング、AI技術を基に研究していきますがFiction & Entertainmentだけは特殊でFinalのプレゼンテーションは上映会という形でショーさながらに行われ、ゲストは映画、ゲーム業界の名立たる方達が出席していました。
Architectural TechnologyとDesign of CitiesのExhibitionより
Architectural TechnologyとDesign of CitiesのExhibitionより
作品のクオリティはかなり高く、今年は12作品中7人がfilm, 4人がゲーム,1人がイラストレーションという内容でした。ゲームはデビットオライリーに影響されたような作品や中国の名作SF小説、The three body problem をゲーム化した作品、過去の記憶をphotogrametryで繋ぎ合わせ追体験するような作品がありました。FilmもハードSF、ドキュメンタリー、アニメーションと幅広いものでした。中には衣装デザインもセットで作成している人もいました。
https://vimeo.com/356281746から引用 Fiction&Entertainment2018-2019のtrailer
このコースは建築の大学にありながら建築を作る事を目的としない不思議なコースです。出来上がった作品はどれも素晴らしい物でしたが、新しさや新たな可能性を提示した作品だったかと聞かれると100%頷く事が出来なかったのも事実です。建築を作る事と物語・世界を作る事は同義であると言われたらそれまでですが、これから1年を通してFilmやGameの学校と何が違うのかを考えなければいけないなと思いました。
このプログラムでは、最新のテクノロジーの習得を初め、Film,Game,Illustration業界の一線で活躍している方とのセッションやレクチャーがあるのでこのNoteでログを残していけたらなと思います。
引き続き洋書のレビューも書けたらなと思います。
終わり
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