5分でわかる「スタートアップ・スタジオ」 〜新時代の起業のカタチ〜

「スタートアップ・スタジオ」という仕組みを聞いたことはありますか?

2019年1月、日本初のエンタメ・スタートアップスタジオである「VERSUS」が立ち上がりました。

名前からなんとなくスタートアップに関する組織だということはわかるものの「そもそもスタートアップ・スタジオって何?」と思われている方も多いかと思います。

今回は、そんな方のためにスタートアップ・スタジオという仕組みを、5分ぐらいで読めるように、サクッとまとめたいと思います。


■そもそもスタートアップ・スタジオとは?
 

スタートアップ・スタジオとは一言でいうと

作品を作り続ける映画スタジオのように、スタートアップを作り続ける会社

です。


ディズニーやワーナー・ブラザーズのようなハリウッドの映画スタジオは、年に何本も映画を公開しています。

そのために彼らは多くの映画セットを持ち、予算を管理し、監督とのコネクションを作り、宣伝チームを持っています。

スタートアップ・スタジオは、これを映画ではなく「ビジネス」でやろうという仕組みです。


ここまで読むと、こんな疑問が浮かぶ人がいるはずです。

・それって起業家の代わりをするってこと?
・ベンチャー・キャピタリストとはどう違うの?
・映画スタジオならわかるけど、スタートアップ・スタジオはどうやって儲けてるの?

一つ一つ見ていきましょう。


■スタートアップ・スタジオとは

まず、スタートアップ・スタジオは起業家の代わりをするわけではありません。
むしろ「起業家とともに事業を立ち上げる」ことが主な業務になります。


わかりやすいので、ここでも映画会社を例にしましょう。

映画には「映画監督」という仕事があります。
監督はクリエイティブの最高責任者で

・こういう世界観の映画にしたい
・見終わったあと、観客にこんな気持ちになって欲しい

といったことを最終的に決める人です。


しかし、映画監督はあくまで「映画を作るプロ」であって、映画の会計や宣伝などについてはプロではありません。ですから

・映画セットにどれくらいお金をかけるか
・映画の配信はAmazonとNETFLIXならどちらがいいか

といったことは、主に映画スタジオの社員が決めています。


つまり、スタジオ社員がそれぞれの専門知識を生かして「映画の外」の仕事を行うことで、監督は才能を最大限発揮し、映画をヒットさせることが可能になっているのです。


このハリウッドスタジオの仕組みを、スタートアップでやろうというのが「スタートアップ・スタジオ」の考え方です。


映画監督と同じく、起業家は

・この会社をどういう風にしたいか
・どんな価値を生み出すか

といったことを最終的に決める人です。


しかし、スタートアップを経営するにも、映画と同様、会計の知識から時にはグラフィックデザインまで、あらゆる専門知識が必要になります。

従来のスタートアップ・スタジオでは、こういった専門の業務を創業者や、創業メンバーだけで行うことが普通でした。

その結果、どれだけいいアイデアを持っていても、創業者のスキルに業績が大きく左右されてしまったり、誰か1人が抜けるだけで倒産の危機をむかえたりしてしまうことも珍しくありませんでした。


スタートアップ・スタジオは、こういった課題を解決するため、専門の知識やスキルなど、起業に必要なスタッフをあらかじめ集めておく場です。
起業家のスキルや創業メンバーの脱退に関係なく、安定して会社を成長させることを目的としています。

つまり、スタートアップ・スタジオとは、起業家の才能を最大限発揮させ、会社を成長させるための場なのです。


■スタートアップ・スタジオのビジネスモデル

では、スタートアップ・スタジオはどういう風にお金を儲けているのでしょうか?


実は、スタートアップ・スタジオのビジネスモデルは、ベンチャー・キャピタリスト(VC)とよく似ています。

一般的にベンチャー・キャピタリストとは、「小さな会社から安く会社の株を買い、高くなった時に株を売る」ことが生業です。

会社の株は、創業したばかりの小さなときは安いですが、大きくて価値のある企業になればなるほど、どんどん高くなっていきます。

そうして高くなった株を、他の会社や株主に売って手に入れたお金が、ベンチャー・キャピタリストの取り分です。


スタートアップ・スタジオも、基本的にはこれと仕組みは同じです。
創業したばかりの小さな会社を支援することで株をもらい、大きな起業になったときにその株を売るというビジネスです。


異なる点は「ベンチャー・キャピタリストよりも、もっと前の段階からサポートする」というところです。


スタジオとは「起業に必要な”起業家”以外のものをすべてそろえている場所」なので、アイデアだけでまだ会社を興していない起業家や、アイデアはないけれど何かをやりたいと思っている起業志望者も対象です。

もちろん、そういった起業志望者を対象としているベンチャー・キャピタリストも存在しますが、スタートアップ・スタジオの場合は、それをより「専門的に」「深く」行っていることが特徴です。


また、もう一つの違いとして、ベンチャー・キャピタリストが基本的には「金融のプロ」であるのに対し、スタジオは「事業立ち上げのプロ」であることに重きを置いていることが挙げられます。


ベンチャー・キャピタリストは、スタートアップが生き残り、将来的に大きな会社に成長するために必要な「資金調達」のプロフェッショナルです。

お金の管理や、起業家の資質・プロダクトの将来性を見抜く「目利きの力」が求められる職業で、起業家に対しても「サポーター」「理解者」「アドバイザー」という立ち位置を取る場合が多いです。


一方、スタジオは「資源提供」のプロフェッショナルです。お金だけでなく、人脈や設備、採用などにも深く関わるのが特徴です。

また、職業としても、目利きの力よりはバイタリティが求められます。起業家の出来ない部分を補い、プロダクトへの愛情を持ってプロジェクトに取り組む「共同創業者」「チームメンバー」といった立ち位置を取ることがほとんどです。


よく似ている両者ですが、目指しているところや、立場は異なっているのです。


■海外でのスタートアップ・スタジオ事例

では、実際スタートアップ・スタジオとは、どういう所があるのでしょうか?

最も有名な例としては、ニューヨークのベータワークス(Betaworks)が挙げられます。


メディアとスタートアップ・スタジオのどちらの機能も持っているベータワークスは、その特徴をいかしてメディア関係への投資を積極的に行っており、知られたところだと、URL短縮サービス「Bitly」などもベータワークスの投資事業です。


また、データ分析ツールの Chartbeat や、ショートストーリーを読むことができる Tapestry などにも投資をしており、1社あたり15万~20万ドルほどの投資をメインで行っています。


これも、アメリカのスタートアップへの投資金額としては決して大きくありませんが、創業時から関わって「資源提供」を行っていることが特徴です。


■VERSUSの強み


では、日本初のエンタメ・スタートアップ・スタジオであるVERSUSの強みは一体何でしょうか?


まず第一に挙げられるのが「エンターテイメントに特化している」という点です。


エンターテイメントは華やかな業界に見えますが、「生きる上で必要のないものをお金にしている」以上、他の業界に比べてビジネスを成立させることが、そもそも難しい業界です。


レコード会社や出版社、映画会社など、巨大に見える企業でも、メーカー・金融・医療その他の業界に比べてみれば、人も少なく、利益も少ないという場合がほとんどです。
また、すべての会社をまとめた業界規模も、あまり大きいとは言えません。


そのため、エンタメ業界でスタートアップが成長するためには「やりたい!」という気持ちだけではなく、綿密な戦略やマーケティングが不可欠です。


さらに、エンターテイメント業界でビジネスを行うならば、「著作権」という歴史の長い課題とも付き合っていく必要があります。

エンタメ業界でスタートアップが成長するためには「世間で人気のアーティストやクリエイターのコンテンツを使う」ことが必要不可欠になりますが、そのための著作権の交渉はかなりハードになりがちです。


VERSUSの使命は、こういった「そもそもビジネスが成立しにくく」「既存の会社との話し合いが難航しがち」なエンターテイメント業界で、スタートアップに合わせたスピード感で起業家をサポートすることだと考えています。

そのための、吉本興業の100%子会社という業界の中での立ち位置や、エンターテイメント業界への深い繋がりを生かした起業家支援が、VERSUS最大の強みです。


さらに、その他の点としては「エンタメ業界特有の問題からスタートアップを守る」という点も挙げられます。


エンタメ業界が海千山千の人が集まる「芸の世界」である以上、他の業界では起こらないような事件や事故に巻き込まれることも残念ながら起こり得ます。

そういった回避すべきトラブルから「安全な後ろ盾」としてスタートアップを守ることも、エンターテイメント業界に特化したVERSUSならではの強みです。


■VERSUSの求める人材

それでは最後に、VERSUSでは、どういう起業志望者を求めているのかをご紹介します。

VERSUSのテーマ領域は、主に以下の6つです。

1.日本のコンテンツビジネス生態系の活性化、再構築につながるサービス
2.日本コンテンツの海外輸出を促進するサービス
3.エンタメ活用によるインバウンドビジネスを活性化するサービス
4.アジア市場の緊密化を促し、日本文化伝播の可能性を広げるサービス
5.テクノロジーを活かした新しい表現、クリエイティブを呼ぶサービス
6.エンタメビジネスにイノベーションを起こし得るあらゆるサービス

もちろん、ここに当てはまらないものが合っても良いのですが、基本的には「エンターテイメントに関連した事業を、テクノロジーを使ってやりたい」と考えている人を求めています。


エンタメ業界はビジネスが難しく、問題も大きいと書きましたが、人によっては最もやりがいのある業界です。

「好き」という気持ちを最も活かせる業界であり、ユーザーからの熱量や愛情も、群を抜いて高いです。「このプロダクトを作って良かった」と思えることも、きっとたくさんあるでしょう。


「エンタメで何かやりたい」というだけで難しいのは事実ですが、「どうしてもエンタメでりたい」という気持ちがあれば、アイデアや方法は私達と相談できます。

ぜひ、やる気のある起業志望者の方をお待ちしています。

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