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〔訳詩〕ノゲシ PIENĖ

「ノゲシ」 サロメーヤ・ネリス
 
ノゲシよ、ノゲシよ–– 素晴らしい花よ
なぜきみは風の穀物庫で休むのか?––
どこに白いあたまを横たえるのだろうか?
どこの風の晩餐会で居眠りをするだろうか?
 
風が吹いて、綿毛を解き放つ、––
白い髪をあたまから引きぬく。
休耕地を、秋の野原をこえて
ノゲシの白い柔毛をはこぶ。
 
ノゲシよ、ノゲシよ–– 私の花のきみ、
私にはざんねんなきみの白いあたま!
ざんねんな私のひどい青春は––
風の穀物庫でばらまかれた。––
 
もし灰色の草原の砂によってたおれるのなら、––
もし地面の深いところで横たわるなら!
もしつめたい小石によって沈むのなら、––
ネムナスの流れの上を流れていく–– ––

出典
Salomėja Nėris, Rinktinė, LTSR Valstybinė Leidykla Kaunas, 1941
https://www.epaveldas.lt/preview?id=C1B0003056470

TYLA, Mikalojus Konstantinas Čiurlionis, 1907 https://ciurlionis.eu/lt/tapyba/galerija/


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