Shredder 1984 「Nemesis」

今回はDarksynthのアーティストShredder 1984のアルバム「Nemesis」のレビューと行きます。

Shredder 1984とはまたナイスな名前ですね。あえて日本語に訳すならば、「切り刻む者・昭和59年」といったところでしょうか。

まあ、このアルバムジャケット画像を見てください。某ヘビメタ雑誌の後ろの方のレビューコーナーに載っていてもおかしくないような画像ではありますが、よく見れば色あいといい、何かサイバーな感じといい、やっぱりDarksynthであることには間違いない絵です。

中身もこの絵の通り、直球のDarksynthです。(と書いてしまうとレビューが終わってしまう)

とにかく、このアルバムの良さは、FMシンセのベースの気持ちよさに尽きると思うんです。もう、一曲目の出だしから、ゴリゴリとしてなおかつブリブリとした、金属的でありながらなおかつ電気的というか、言葉で表すとそういう表現しかできないが、そういうFMシンセベースの気持ちのいい音をこれでもかと聴かせてくれるわけです。

基本的にはベースでありながら、時にはディストーションギターのような質感にも変化しつつ、FMシンセならではの快楽をひたすら追い求めていく姿勢。やっぱりこの音は素晴らしい。と思いつつも、こんな音を思う存分使いまくることができるジャンルって結局この辺のジャンルしかないかもしれないとも思う。あんまりお洒落な音楽には向かないのは間違いない。

ジャケット画像だけでなく曲の方も割とメタル的な要素が強い、といってもほとんど電子音だけで構成された打ち込みヘヴィメタルである。昨今は、AIやVRにIoTがビッグデータでブロックチェーンな時代なのでヘヴィメタルが電子化するのもやむを得ないのかもしれない。このメタル的な志向は、マジでやっているのかそれともネタでやっているのか、我々からすると判断しにくい部分があるが、多分ネタ要素の方が強そうな気がする。あるいは海外の若い世代からすれば、ヘビメタに対してどっちかというとノスタルジーを見出している感じがあるような気もする。