オーストリアの画家(YouTubeの謎ミーム #7)

今回紹介するネタは、ミームというかほとんどただの不謹慎コンテンツなんですが、内容が内容だけにあんまり深入りせずに詳しい解説は控えようと思います。といってもそんな説明の必要な背景のありそうなもんでもなく、思いついちゃった人が実行しちゃっただけ、というのが実態だと思われます。
これから紹介する動画は、コンプライアンス的にもきわどいですが、著作権的にもまずそうなので、そのうち削除される可能性があります。なので数か月後にこの記事を読んだ人は、読んでもなんのこっちゃわからん可能性もあります。ご了承ください。

バグったような歌声で、感動的な歌も台無しです

これも割とバグっている

みんなの大好きなこの曲ももちろんカバーされます

ちゃんと「パン・茶・宿直」と言ってます



Hardbassもある

ロシア語なので何なのかわからん


違和感こそが笑いの源泉であることを教えてくれます


日本語も行けます


見ていただいたように、Austrian Painterとはあの人のことです。婉曲的な表現としてAustrian Painterと呼んでいるわけですが、そのまんま本名を書いてしまっている動画もあるので意味なしです。
どの動画もサムネイルの顔が真顔なのがいいですね。まあこの人の場合は真顔の写真しか残ってないのかもしれませんが。
Austrian Painterという表現がいつごろから使われているのか不明ですが、YouTube上の動画では2021年のこの動画ではすでにタイトルにあります。

wikipediaのオーストリア出身の画家の一覧にも一応名前があるんですね。ネタなのかマジなのか?

それぞれの動画には言い訳のように一応「これはジョークですよ」みたいな注意書きがあります。まあ普通に考えて、人を笑わせる以外の目的はないと思います。
しかし日本で同じような不謹慎ネタをやるとしたら、やっぱり麻原彰晃でしょうか。実際に麻原でこういうネタを作ったら、たぶん日本では大爆笑の後すぐに大炎上になると思います。

今更驚くことでもないと思いますが、こういう動画を作れるようになったのはAIのおかげです。このように、既存の楽曲のボーカルだけを別の人の声に差し替えた動画は、「AI Cover」という呼び方で定着しているようです。
AI CoverでYouTubeを検索してみると、フレディ・マーキュリーにマイケルジャクソンの曲を歌わせたり、リック・アストリーの声で竹内まりやのプラスティック・ラブを歌わせたりとか、そういった動画が数か月前から活発に作られている模様です。

つい最近、suno.aiというサービスが出てきて、AIが全自動で作詞作曲してくれるということで話題になっていましたが、個人的にはそれよりもAI Coverの方が音楽業界的にはインパクトがあるのではないかと思っています。マイケル・ジャクソンやフレディ・マーキュリーといった故人に新しい歌を歌わせることができる。さいとうたかをが亡くなってもゴルゴ13の連載が続いているのと同じような事が出来てしまうわけです。おそらく我々の孫の孫の代まで人々はマイケル・ジャクソンの声を聴き続けることになるかもしれません。実際には権利的な問題が先に出てくると思いますが、技術的に可能ならいずれ行われるでしょう。
例えばこれと自動作曲のAIを組み合わせれば、24時間365日マイケル・ジャクソンの新曲だけを流し続けるラジオ局なども可能です。1曲ごとに毎回ダブりなしで新しい曲を生成するわけです。まあそんなのを聴いていたらいずれノイローゼになるか、そのうち飽きると思いますが。
あとは、アマチュアミュージシャンでもお金を払えばマイケル・ジャクソンやフレディ・マーキュリーの声を使って自由に歌を作れるというビジネスもできるかもしれません。今でいうところのボーカロイドみたいな感覚で気軽に使えれば面白いと思います。

しかしAIを使ってすごいコンテンツが簡単に作れるようになると、今度は「コンテンツが多すぎて消費しきれない」という問題にぶち当たりそうです。というかAIが出てくる以前から、この世には一人の人生ではとても消費しきれない量のコンテンツで溢れているわけで、これはもうどうしょうもないでしょう。そうなると次は、人間の代わりに勝手にコンテンツを消費してくれるAIが必要かもしれません。

というわけで今回は動画の内容があんまりにも際どいので、結局AIの話ばっかりになってしまいました。AIについてはいろいろな議論がありますが、個人的にはChatGPTにしても何にしても、バグらせて遊ぶのが一番楽しい楽しみ方だと思います。どれもすごい技術であるとはいえ、実用性という意味では現状どうせまだまだの段階なので、一番アホな使い方を考えた奴が優勝なんじゃないかと。

それでは皆さん、よいクリスマスを!


番外編

これはややこしいネタなんですが、ムッソリーニの孫が80年代に日本で歌手デビューしてたらしいんです。で、その曲をお爺ちゃんがカバーしているというわけです。