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活動報告21(2022年7月)

プロジェクト薬箱「Python編(中級8)」
 まずは、新たに取得できた特許権の報告から(タイトル画参照)。これは2018年5月に出願した止血器具で、自分にとっては記念すべき第1号にあたる。何も知らない状況から始まった手探り状態での出願だったので半年以上もかかったし、製図についてもPowerPointで作成したりしている(パワポは万能だな)。一連の特許の中で取得が最後になってしまったのは、補正を行っても拒絶査定を覆せなかったというのが理由。前に報告した医療用圧迫器具の審査動向をみながら、審判に移行するかどうかの時間を稼いでいた。幸いにして本命がうまくいったので、弁理士の勧めに従い全体の構成から一部のみを切り取り、分割出願という手法をとった。その結果、止血器具単独ではなく、自動止血できる器具として特許権を取得できた。単独ではアラが感じられるが、血流音探知による自動止血機構としては、広く特許権が認められたのでとりあえず満足。
 これで計6件、出願済みの案件は全て特許化できた。今のところ100%の確率で特許権を取得できており、弁理士に褒められたのが地味に嬉しかったりする。この流れにのって、あと3件程は出願したいと思う。
 
さて、今月も11冊目:「退屈なことはPythonにやらせよう」の続き(Part5)で、今回が最終となる。
 17章は画像の操作について。まず、加色混合で任意の色を作る仕組みを学び、ここで学んだことが、白を200色作ることに役立っている。Pillowは画像処理モジュールで、これによりペイントソフトのように画像の加工やサイズ変更・回転等が可能となる。確かにマウスを使う方が直感的な分簡単といえるが、大量の画像を一括処理するときにはコード上で完結できるので、強みを発揮する。その他、画像に描画するImageDrawモジュールや、テキストを描画するtext()メソッドについて学んだ。途中でハマったのは、Pythonというよりは、macOSの仕様上の問題。.DS_Storeはメタファイルを格納する隠しファイルであるが、最近のmacOSではファイルを可視化できるコマンドが効かないことを知らず、ファイルの数が合わない所で大分悩んだ。また、windowsと違って、macOS ではフォントデータの保存場所が3箇所に分かれる点にも注意が必要。
 
18章ではGUIオートメーションによるキーボードとマウスの制御が説明されている。この聞きなれないGUIオートメーションとは、キーボードとマウスを直接制御する手法のこと。作業自動化の究極なツールとして、自動のログインやフォーム入力で使われている。GUI自動化ライブラリである PyAuto GUIを用いれば、目的とするボタン画像を画面上から探しだして、座標を取得し、その座標位置をクリックするという流れを、自動でやってくれる。モニター上、マウスが自動で動いてクリックしたり定型入力したりするのをみると、薄気味悪いというか、魔法のような印象を受ける。一方で問題点としては、自動入力が0.1秒以下で済んで早すぎるため、Webページ上の処理が追い付かないこと。そのため、invtervalオプションにより、処理をわざと遅らせる必要がある。なお、ドロップダウンメニューからの選択は結局うまくいかなかった。
 最後の課題は、Sushi Go Roundというブラウザゲームを操作するボットのチュートリアル。プログラムの構造は簡単だが、画像認識の定義が多すぎて単に面倒くさいのでこれはパス。しかし、根気さえあれば、ブラウザのゲームは自動で操作できるのでハイスコアを容易に狙えることが分かった。
 
実に5回に渡ってこの本について説明してきたが、情報の密度がとても濃い本だった。読みながらwordでメモを取っていたが、最終的にA4サイズで241ページにもなり、これ自身が書籍に匹敵する分量になった。一方でプログラムの動作がテキスト通りには行かないことも多々あり、それを乗り越えるのに時間がかかった。Amazonで確認してみたが、日本語版の第2版の出版は、案の定11月にずれ込んでいた。裏取りに相当苦労しているのではないかと想像している。

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