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ソウル2003年*あかすり初体験とアラビア文字

メロンのバーバが日本から遊びにきたので、韓国名物アカスリを体験しに行ってみた。

梨泰院にある観光客向け(日本語可能)な店は門構えからして高級サウナ施設だった。

受付できれいなお姉さんがうやうやしく対応してくれる。まずは事前カウンセリング用紙へ身体や皮膚の状態を記入。

お姉さんは、4歳のメロンにも同じようにバインダーに挟んだ小さな紙と鉛筆を持ってきて

「お嬢さまも、ここにお名前を書いてね」

生まれて初めて、女として一人前扱いされたメロンは満面の笑みで

「はーい」

意気揚々と、覚えたてのひらがなで名前を書いた。けれど6文字のうち3つは、どうみてもアラビア文字みたいになっていた。読めないお姉さん。メロンは何度も書き直す。

次にバスローブとタオルキャップが配られる。

ここでも子供サイズバスローブを手渡されたメロン。最高の気分らしく立ち振る舞いまでお上品に。

メロンには更衣室でお姉さんと待っててもらい私とバーバはサウナへ。息苦しいくらい暑いが何度も出入りしながら汗を出す。松の木の香りが独特だ。

汗を流したらお湯につかり、垢すりの順番を待つ。浴槽は二つ。泡だらけの高麗人参風呂と緑茶風呂。

メロンが退屈せずにいれると心配したが、泡の人参風呂が絶好の遊び場になった。泥んこ遊びのように泡で山や川を作り、高麗人参町を完成させていた。

アカスリおばちゃんから名を呼ばれると、簡易ベットに横たわる。まな板のコイ状態でおばさんにゴシゴシゴシゴシ磨かれる。最初は痛かったが、そのうち爽快に。

ただ、アカスリおばちゃんは手荒い。

シャンプーまでしてくれるんだと思ってたら、耳に思いっきりお湯が。「ウワァ」と叫ぶと即座に「ケンチャナヨォ」と返ってきた。ちょっとお湯が耳に入ったくらいで何を騒いどんのやという顔だ。へえ、すんません。笑。

それでも終わった後の感激ったら。私ってなんて素敵な肌の持ち主なのと自慢して歩きたいくらい。自分で買った安い垢すりタオルでは、こうはならない。その道のプロはすごいな。観光客が病みつきなるの分かる。

メロンはメロンで、お菓子、ジュース、スタッフのりんごまでいただき、いたれりつくせりを味わう。帰りぎわには
「メロン様、また来てくださいね」
と、言われ女王のように頷いていた。

と、外へ出ると急な雨に見舞われる。タクシー乗り場まで、どうしようかぁなどと話してると女性社長さんがメロンちゃん(子供)もいるので、私がおうちまで送ってあげますと言ってくれた。なんと素敵なサービスだ。

けど、社長のピカピカ高級車。おそらく、初めて足を踏み入れただろうこんな下町へきてもらい、なんだか車にまで申し訳なかった。笑。

帰宅後、メロンは即座に私の机に座りひらがなの練習を始めた。

1人前扱いされスラスラ名前を書きたかったのに、アラビア文字が混じり、お姉さんに読んでもらえなかったことが、相当悔しかったんだろう。

子供のヤル気スイッチ。
どこに転がっているか分からないものだ。 

毎日練習して上手になったひらがな。ま、だけは少し怪しいから手本を書いたが、ほとんどオッケーだ。
笑ありがとう

続く

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