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自称靴師ことZINRYU氏のまとめ、疑惑、デマ (追加:2020.12.26)

インターネットで「靴師」を自称するZINRYU氏のまとめです。

「ZINRYU」とは?

靴の木型を削る「ラストメーカー」を副業で行い、主にTwitterで様々な靴のブランドを評論している自称「靴師」。
※大塚製靴の創始者「大塚岩次郎」が自らを「靴師」と称したことが元ネタの様子。
元々は2ちゃんねるのスレで活動していたという情報あり。
"Japan Leather Award 2015”日本エコレザー部門から受賞。
2020年には「M.Futamoto」という自らのオーダーシューズブランドを立ち上げた。
特にジョンロブやエドワードグリーンなどの高級ブランドに対して厳しい批判をTwitterで行い、独自の理論で木型の評論を行っている。
https://twitter.com/Zin_Ryu

また最近、5000円という高額で有料靴論評をはじめた。
https://note.com/futamoto/n/n89078e593d2d

①.「ジョンロブの原価率31%」というデマを拡散

Twitterでジョンロブの原価率を質問されたZINRYU氏。
まったく関係ないエルメスの決算書から推測し「原価率31%」と推定を行うが、恐らく「エルメスの決算書を読んでエルメスの原価率を算出した」様子である。
ジョンロブとは関係がない。
自身が引用しているURL先の決算レポートを見ればわかるが、エルメスグループの一つの子会社に過ぎないJOHN LOBBについて詳細に報告しているわけではない。
にもかかわらず、なぜZINRYU氏はこのように自信にあふれているのだろうか?
その軌跡を記録しておく。

しかし、このツイートを行ってすぐにいくつかの方面からツッコミが入る。
指摘を受けてもなお堂々とふるまい、独断と偏見に基づいた持論の展開が続く。

「自分は詳しい」と自慢しているわけではないが、どことなく詳しそうな雰囲気をかもしだしながら語る。


親切な方がジョンロブの決算書を探してきてくれたので紹介する。
<以下リンク先にあり>

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この決算書から推測すると「ジョンロブの原価率は約50%」である。
つまりZINRYU氏の推測は完全に知ったかぶりであり、悪質なデマだ。

そもそもの話なのだが、
IRから計算する「原価率」と「実際の商品の原価」はあまり関係ない
ということを理解しているのだろうか?

このあたりの話の解説は以下の記事を一読することを勧める。
ビジパであれば基本的な教養であるのだが、ZINRYU氏は「経営企画の時の強い師匠」からいったい何を学んだのだろうか?


事件は以上であるが、今回はたまたま「明らかな知ったかぶり」だったから指摘することができた。
これはたまたま馬脚を露しただけで、本筋となる自称靴師のZINRYU氏の独自理論については議論すら不可能である。
定量的なデータは一切示されておらず、様々なブランドの木型も「見た目でわかる」と豪語しているため、我々には議論のしようがない。

ZINRYU氏は独特の科学観を持っているようだが、例えば日本の学校教育における科学とは「実証性・再現性・客観性」である。

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ZINRYU氏は脱神秘化をはかるそぶりで独自理論による再神秘化をしているのではないか?
あまり信用できない「自称専門家」であると考えられる。

②.エドワードグリーンは「保型力」が特徴? デマの可能性大

エドワードグリーンの優れた特性について「履いても崩れない保型力です。」と答えるZINRYU氏。
しかし靴修理の専門家からは異なる見解が示された。

「EGはJLと比べて表革・裏革共に少し薄いことが多いです。
また、保形のために通常使われるダブラー(接着芯)を使わずに、革芯・革補強のみでアッパーを作っているので足当たりが柔らかい。
ただし他ブランドに比べて型くずれしやすいのは事実」

https://twitter.com/tanapansensei/status/1341806783459778560?s=20

靴修理の職人(プロ)の見解と異なるようであるが、ZINRYU氏は何を根拠にして発言したのか一切不明である。
また筆者の体感としても、エドワードグリーンは柔らかさが特徴のはずである。ジョンロブは極端に硬めだとしても、チャーチやJ.M.ウェストンと比べても柔らかい。

①の原価率の認識不足については、勘違いか不勉強で済まされるだろう。
しかし本業に関わる革靴の話については致命的な見識不足?
または何らかの「思い込み」だろうか?
ほめるにせよ、貶すにせよ、断言するからには根拠があるはずだ。
ポジティブな内容であったとしても、現実と異なる主張は「デマ」である。
この問題でも要点は「専門家っぽくふるまうのに、何を根拠にして言ってるのかわからない」という点である。
5000円の高額靴評論も、このようなレベルで行われているのだろうか?
そうだとしたら、怪しげなサロンビジネスにも見えてくる。
少なくとも、科学を尊重しているそぶりを見せるなら客観的かつ明らかな論証を行うべきであろう。

③.「保型力」についての反論と再反論、根本的な問題

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ZINRYU氏より「保型力」の説明で補足があったためツイートを引用する。
反論をしているつもりになっているようだが、これこそZINRYU氏の思考回路の欠点「思考のクセ」を象徴している。

”①筋肉質な牛の革を用い、繊維をよく見切ったクリッキング
②十分な期間木型を入れて馴染ませる
③芯材の配置
④箇所に応じ適切なテンションをかけた成型”

この4点について、それぞれどのようであり、それを例えば同価格帯のジョンロブやクロケット、J.Mウェストンなどと比べて良いと言えるのか、という論点になるのでそれを記述していただきたい。
①について、靴になった後の状態で表革の繊維がどうのこうのは非常にわかりづらいと思われる(芯材やライニングがくっついているし、油分や蝋分、顔料なども影響するので)
②と④については工場でどのような工程を行っているか、それを他メーカーと比べて記述すればよい。
③については恐らく何足も解体して実際に確かめたのだろうからそのデータを出せばよい。

(たぶんやらないと思うけど、データとってなさそうだし)

以上の4点の理由については、筆者はまったくZINRYU氏の発言を信用していないのでいじわるな見方で批判を行った。
彼の発言よりも、よっぽど事実として客観的であり効果のありそうな「ダブラー(接着芯)を使わずに、革芯・革補強のみでアッパーを作っている」という専門家の証言の方が説得力を持つ。そして統計的に有意であると思われる。
また付言するならば、もしダブラー(接着芯)の使用を「ケミカルな芯を入れた靴は比較対象ではない」と否定するならば、例えばJ.M.ウェストンやRENDOなども比較対象ではなくなる。

<RENDOのダブラーが長いという話>
https://allabout.co.jp/gm/gc/438580/all/

<J.Mウェストンのダブラー参考資料>
http://bontajp.blog134.fc2.com/blog-entry-490.html?sp

ZINRYU氏にはぜひとも「ケミカルな芯を入れた靴は比較対象ではない」についての発言の意図も弁明いただきたい。

「ビスポークで対応したときに、参考例としてグリーンを持ち込む人が結構いましたが、その中でよく履き込まれた靴で崩れている個体がなかったから」

上記4点の理由とはまた別に、この点も非常に悪い「思考のクセ」が出ているように思われる。
ZINRYU氏は生涯で今現時点で、何足ほどビスポークを行い、その顧客の何人から参考例としてグリーンを持ち込まれたのか?
要するに、十分にエドワードグリーンは「保型力」がすごいと断言できるほどの、必要十分なデータをちゃんと取ってるのか?ということである。
100足は見たのだろうか?
それは要求しすぎだと言うならば、最低限20足ほどは見ているのだろうか?
しかしそれでも非常にバイアスのあるデータに違いはない。
ビスポークをするような顧客層は靴を大切にし、資金もあるだろうから、そのバイアスを考慮すべきである。

例えば丸の内のミスターミニットでジョンロブをよく修理している職人がいたとして「みんなジョンロブをたくさん持っている」と判断したらそれは誤りであろう。単純に、丸の内にジョンロブの直営店があるから修理に持ってくる人が多いだけ、という風に判断すべきだ。

ZINRYU氏とは過去、シューツリーで靴が変形するかどうかで議論を行ったことがある。その時の結論は「ZINRRYU氏は自作の靴でしか実験と検証をしていなかった」というオチだった。
思い込みが強いタイプなのかもしれないが、実験と検証はちゃんと本当に普遍的なのかを考慮し「実証性・再現性・客観性」を重視していただきたい。あっさりと反例を出されるようでは、そもそも実験の設計が間違っているのだ。
こうした「思考のクセ」こそが、恐らくZINRYU氏の強気の断言のパワーになっており、また危険性にもつながっているのだろう。
専門家は多くの事例とその反例も合わせて認識しているゆえに、強気の断言ができないことがある。その沈黙は知的誠実さであるが、ZINRYU氏にはそれが見受けられない。もう少し冷静になって、反例はないか、断言できるほどの実験の設計になっててデータ数が十分か、そして知的に誠実であるかを問い直していただきたい。

<②エドワードグリーンは「保型力」が特徴? デマの可能性大 2020/12/24 追加>
<「ZINRYU」とは? 2020/12/24 追加>
<③.「保型力」についての反論と再反論、根本的な問題 2020/12/26 追加>

今後も何かあれば随時追加していく予定。
*12月26日現在、鍵アカになっているためスクリーンショットで引用を行っている

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