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2023年4月16日 ヴァンフォーレ甲府選手採点 栃木SC戦H

皆さんこんにちは。
節目の10節目がやってまいりました。
痛恨の連敗からの立ち直りを図る今節ですが、相手はハイプレッシングが売りの栃木さん。
さらには嫌な記憶のよみがえる強風も重なり、苦戦が予想されるキックオフとなりました。
試合展開は中盤を締めて縦に早くショートカウンターを狙う甲府と、甲府のサイドバック裏のスペースからクロスを狙う栃木という感じですが、意外と甲府がボールを握る時間帯も多くありました。
崩しのアイデアをなかなか共有できずにフィニッシュワークに精度が出なかった甲府ですが、試合終盤にウタカが値千金の決勝点を、ここしかないというヘディングで叩き込み、甲府のウノゼロ勝利。
見事に連敗を食い止め、昇格戦線に辛うじて乗り遅れずに済んだ10節となりました。



ピーターウタカ 6.5
相手最終ライン前のエリアから多彩な球出しを担った。
ウタカを狙ってロングボールは少なかった印象だが、44分のプレーのようにアバウトなボールを収めて展開してくれると少ない手数でシュートまで持ち込める。
クロスに対して長谷川と被る場面も見られたり、お互いが求める所に居てくれない事もあったりと嚙み合い難い様子。イマジネーションの共有が難しいのであれば、約束事を増やしていくのがセオリーになる。
例えばカウンター時や、ロングボールから始める攻撃は、ウタカの推進力を重視してウタカを長谷川がサポートし、ポゼッションから崩しを狙う場面では、長谷川のカットインからの組み立てをウタカがサポートする関係性が、もっと面白いのではないでしょうか。
どちらも得意の形で足元に欲しがると、スムーズにボールが回らない難しさが出てきてしまい、もったいないように感じます。
守備ではコースを切りながら詰めていく意識が強く感じられた。
長谷川のコーナーキックから値千金の決勝ゴール!

三平和司 6
スプリントして深い位置までプレスバックを行い、危険なエリアを率先してカバーしてくれた。
豊富な運動量で攻守共に躍動したが、一番の見せ場は長谷川への決定的なクロスをサイドから供給した場面。
共にレーンを大きく移動しての組み立てなので、相手のマークが付きにくくズレを生み出しやすい。
長谷川をゴールに向かわせることができるので、面白い攻撃が生まれやすくなりそうで、今後注目の形。

長谷川元希 6
守備の意識が高く、簡単に食いつかずに相手が動いてから刈り取る場面もあった。
最終ライン裏へ走り込んだ鳥海へ浮き球のパスを送るなど面白い試みも。
三平からの決定的なクロスは枠内に飛ばしたかったが、当てる厚さが限られる難しいヘディングでもあった。
50分の、鳥海がウタカからのスルーパスで抜け出しを狙ったシーンでは、長谷川のテクニカルな切り返しから始まっている攻撃。
ウタカと被るだけでなく、サイドバックとも使うスペースが被る場面が散見されたが、こちらは敢えて近い距離を狙っているようにも見えた。であれば、長谷川がレーンを変えたらサイドバックが隣へズレるのを早めることで、面白いショートパスの組み立てを作ってくれそう。
コーナーキックからウタカの決勝点をアシスト。

鳥海芳樹 6
試合序盤に監督から立ち位置について修正が入っていたようだが、よく聞こえなかったが中へのコースを空けてしまうような難しい対応のように思えた。しかしながら大きな綻びもなく右サイドを警戒した。
攻撃では外から中へと広いエリアを伸び伸びと動き回り、代名詞のターンから期待感を持たせるフィニッシュワークを生み出し、得点に近いところに居てくれた。

林田滉也 6.5
まだフルゲームは無理かと思われたが、90分間ファイトしてくれた。
出足が早く、ロングスプリントしながらフォアチェックする姿は迫力があり、球際を戦い続けてくれた。
34分にマンツーで刈り取って、倒れながら繋いだボールを味方がロストしたが、再び起き上がってマンツーで刈り取ってしまった姿には鳥肌が立った。
ミドルシュートを一本試みたが、攻撃でもさらなる展開力を見せつけていって欲しい。

松本凪生 6.5
前節の雪辱に燃え、且つ古巣相手とあって、漲る闘志が霞んで見えてくるようだった。
相手のパスコースの予測も良く、球際も戦い、トランジションも速かった上に、攻撃時には縦への意識も高かった。
林田との距離感が良く、常に近い位置で連結している状態を保っていて、この二人がゲームを締めている限り今日は失点しないのではないか、と感じるほどだった。

小林岩魚 6.5
縦、横、と対峙するマークを振り切ることが多く、左サイドを押し込んだ。しかし持ち出してから中で詰まることが多いので、岩魚が持ち出した際には、一人は裏を狙って走って欲しいし、他の皆も足元で欲しがるのではなくて、積極的に動いてコースを作ってほしい。

エドゥアルドマンシャ 6
普段より動きにキレがあるように見えた。
積極的に前でパスカットし、効果的に縦に差し込んだ。
背走する際に、背後に居る相手選手への認知をもっと高めてもらいたい。

井上詩音 6
一つ危険なパスカットをされたが、全体を通して安定したプレーを披露。
相手のサイドハーフが開始早々にアーリークロスを入れてきたので、須貝がタイトな守備に切り替えたが、その裏のスペースもしっかりカバーした。
ビルドアップ時に大きく開いて高めの位置をとるのも板についてきた。
16分に井上、林田、鳥海と2本縦につながった速い攻撃は見事だった。

須貝英大 6
いつも通り強く安定したプレーを披露。
守備面で一対一の球際の強さが印象に残ったゲーム。
攻撃面でも縦パスが効果的で、自らミドルシュートも放ち積極的な姿勢だったが、両翼とも押し込んでいる時間帯が多かったので、欲を言えばサイドの深いエリアを突く回数を増やしたかった。

河田晃兵 6
19分の速いグランダーのパスや、終了間際の超ロングシュートなど、視野を広く取り、冷静なキックの判断が好印象のゲーム。

三浦颯太 5.5
攻守共にプリムーブがまだ遅いが、持てばキラリと光るものを見せてくれる。
67分に、マークが2枚付いているのに強引に仕掛けて、抜き切らずにクロスを上げてしまった。本当に凄い。
今後も終盤にオープンな展開になったら積極的に起用していって成長を促してあげていって欲しい。

宮崎純真 5.5
ゲームを乱すことはなかったが、流れにも乗り切れなかった印象。
持ち味を活かせるスペースを見つけられなかった。

荒木翔 時間短く採点なし
蓮川壮大 時間短く採点なし
松本孝平 時間短く採点なし


総評

辛くもセットプレーからの虎の子1点が決勝点となり、勝利できた甲府ですが、内容としては依然として厳しいものがあると感じました。
16分に井上から始まった縦に2本繋がった攻撃などは見事でしたが、アタッキングサードに入ってからどのように点を取るのか、まだまだその場のインスピレーションに委ねる部分が多いように感じます。連携の練度がまだまだ仕留められる域に達してないように見えたのです。
例えばウタカで仕留めるのか、ウタカをデコイに使うのかの約束をもっと徹底してもよいのではないでしょうか。
相手のディフェンダーがウタカを視認している時はデコイに使うのが効果的だと考えます。
サイドからのクロスにはニアに飛び込む回数を増やしてもらえば、ファーとマイナスのエリアが開いて来ます。そこで一つ決定的なシュートを打っておけば、次は逆にウタカがロープレッシャーでシュートを打ちやすくなるので、得点数も伸びてきそうです。
チームの引き出しには既に入っている項目でしょうが、こうした約束事を一つ一つ丁寧に積み重ねていって欲しいですね。
とはいえ、何とか10節終わって勝ち点17点に踏ん張り留まってくれたイレブンに心から拍手を送りたいです。
試合数×2の勝ち点、つまり自動昇格圏ペースからは1ゲーム離されていますが、取り組むサッカーも一年生、監督も甲府の指揮一年生、スタメンにルーキーが居て、甲府在籍一年生の選手も先発している状況を鑑みれば、むしろ上出来な序盤戦だったと思います。
そろそろ夏を見越した中盤戦が始まります。
そのスタートが首位町田さんというなんともヘビーな相手です。
非常に困難なゲームになるでしょう。
ですが、泥臭く、魂込めてフルファイトしてどうか首位撃破を成して欲しいと思います。
今年、町田さんに土をつけた唯一のチームは秋田さんです。
首位撃破に必要なのは上手さよりも、チームが一丸となって戦うことだという事を教えてくれています。
チームの結束力の強さは、甲府の強さの根幹を成すものだと信じています。

頑張れ!
甲府!!

勝とう!!



最後まで読んでいただきありがとうございました。


追伸

井上樹君、甲府入団おめでとう!
きっと帰って来てくれると信じていた!
ありがとう!!
とても嬉しいニュースが本日舞い込んでくれましたね。
来年の活躍がとても楽しみです。

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