底辺から始める第114回医師国家試験受験

1.はじめに

 第114回医師国家試験に無事合格できたので、115回以降の受験生の方の参考になればと思い記録に残す事にしました。これから述べることは僕個人の経験、意見であり、皆に当てはまるものではないという事をご了承ください。まず国家試験の成績を下に載せますが、見て頂くと分かるように胸を張って合格したと言える点数ではなく、普段からしっかり勉強している優秀な方や圧倒的な才能を持っている方にはほとんど参考にならないと思います。

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2.自己紹介

 まず、僕の経歴について述べます。僕は地方国立大に通っており、成績は常に学年の下位20%に入る程度で、4年生の終わりに受けたCBTはそれなりに勉強して75%でした。元々勉強がとても嫌いでそれほど勉強しているわけではなかったですが、かと言って記憶力が優れているかと言うとそういうわけではなく、医学生の中では決して良いとは言えないと思います。

3.国家試験への道

 ここからは僕が国試対策として行った勉強内容と模試の結果等について述べていきたいと思います。僕の代では5年生の4月から実習が始まったのですが、その実習で回る科に合わせてビデオ講座とQBを進めるというのが主流だったと思います。僕は自分が勉強嫌いな事もあり、実習をしながらビデオ講座とQBをどちらとも進めるのは不可能だと考え、5年でビデオ講座、6年でQBを買うことにしました。ビデオ講座は僕の代ではmedu4、MEC、TECOMをとっている人が3分の1ずつで拮抗しているといった感じで、僕は3社全てのサンプルを見て、1番自分に合っていると感じたmedu4 を取ることにしました。

 それから1年半が過ぎました………

 結局実習中は全くビデオ講座を見ず、QBも買うのをやめ、CBT以降自分では全く勉強しないまま気づけば6年生の9月になっていました。6年生の7月半ばに受けた夏メックの成績を下に載せます。

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 点数はスクショするのを忘れてしまったのですが、必修60.5%、パンリン45%でした。CBTから1年半全くと言っていいほど勉強していなかったので、当然のようにほぼ最下位でした。

 僕の大学では6年生の10月始め11月半ばに卒業試験があるのですが、流石に卒業できないのはまずいと思い、9月の終わりにようやく勉強を始めましたmedu4内科外科の腎、内分泌代謝を1週間くらいかけてだらだら視聴し、過去問をさらっと見て1回目の卒業試験(10月始め)を迎えたのですが、結果は学年最下位でした。2回目の卒業試験も悪いと留年してしまうので、ここからの約40日間はまあまあ勉強していたと思います(1日4時間くらい、最後の3日間は15時間ずつ) 。 2回目の卒業試験(11月半ば)までにmedu4内科外科の血液、免疫、感染症、呼吸器、循環器、消化管、肝胆膵を視聴し、過去問もしっかりやりました。結果は125人中112位と決して良くはありませんでしたが、何とか卒業することができました。この時に113回もmedu4のサイトで解いたのですが、必修70%、パンリン59.3%でした。

 卒業試験(11月半ば)を終えた満足感から、年明けまでの1ヶ月半でmedu4内科外科で残っていた神経の視聴しかしませんでした。今思えば、この期間にほとんど勉強しなかったのは本当に愚かでした。12月の始めに受けた冬メックの成績を下に載せます。

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 必修66.5%、パンリン49.3%で、卒業試験対策でわずかに上がった成績もほとんど元に戻ってしまいました。

 こうして年明けを迎えたわけですが、なぜ僕がここまで頑なに国家試験に向けて勉強しなかったのか、それはmedu4が誇る最強の国試対策講座(僕調べ)、『国試究極MAP』に絶大な信頼を寄せていたからです(ステマじゃないよ!) 。 国試究極MAPとは、1コマ約1時間の全10コマで国試の全科目全知識を伝授するmedu4の直前講座のことで、1月1日から配信がスタートします。国試究極MAPで1ヶ月勉強しただけで国試に合格したという話をネットで見た僕は、1月7日くらいまでは遊んでても受かるじゃん!(国試が2月8日、9日のため)と完全に調子に乗り、だらだらと究極MAPを1周(1周目は知識がなさすぎたので1コマに2.5時間くらいかかった→計約25時間)だけして1月10日テコ4を受けました。結果を下に載せます。

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 必修72.5%、パンリン57.7%で、冬MECから1ヶ月で究極MAP1周しか勉強をしていないのに成績が少し伸びていたため僕は完全に究極MAP信者になってしまい(今までほとんど内科外科しか勉強していなかったため点数が上がるのは当然なのだが)、気の迷いから1月18日に部活の追いコンがあるからそれまでは遊んで、そこから死ぬ気で勉強しようという決断を下してしまいました。

 究極MAPを1周してテコ4を受けてみた結果、究極MAPを見るだけだと知識はつくが問題を解く力は身につかず、また、究極MAPは主にパンリン対策で必修対策としてはこれだけでは不十分であると感じたため、究極MAPとmedu4の必修講座を視聴しながらmedu4のサイトで過去問演習をしていくことにしました。ここから国試までの約20日は1日8〜10時間くらいは勉強していたと思います。

 究極MAPと必修講座を合わせて1日に2〜3コマ(究極マップは1コマ約2時間、必修講座は1コマ約1時間かかった)と過去問演習を1日平均200問弱くらい(約4時間)のペースで進め、国試までに究極MAPを計5周と必修講座を1周視聴し、過去問は113(2回目)→112→111→113(3回目)→112(2回目)→111(2回目)→110→109(必修のみ)という順にやりました。過去問の点数の推移は

113回(2回目)  必修73%、パンリン72.7%
112回    必修83%、パンリン65.3%
111回    必修81%、パンリン69%
113回(3回目)  必修95.5%、パンリン92%
112回(2回目)  必修89.5%、パンリン86%
111回(2回目)  必修94%、パンリン84.8%
110回    必修90%、パンリン72%
109回    必修80.5%

という感じでした。110回のパンリンのボーダーが約65%だったのでパンリンは大丈夫そうだと思ったのですが、必修は不安を抱えたまま本番を迎えることになりました。

4.国家試験受験

 こうして国試当日を迎えたのですが、直前に解いた109回の必修が悪かった事もありメンタル的にはかなり厳しい状況だったと思います。初日を終え、講師速報で自己採点をした結果、

必修76%、パンリン78%

でした。ほとんど手応え通りだったのでそこまで驚きはしなかったのですが、案の定必修が8割を切っており、さらに不安な状況で2日目を迎えることになってしまいました。パンリンがそこそこ良かったのが不幸中の幸いで、僕は合格する事だけを目標にしていたので、2日目はパンリンは悩んだらあまり時間をかけずに適当な選択肢を選び、その分必修を集中して解く事にしました。2日目は、

必修82%、パンリン71.3%

で合わせて冒頭の結果になりました。この時点では必修が158/200で8割に達していなかったため、合格発表までの1ヶ月は本当に不安でした。

5.所感

 まず僕が言いたいのは、国試直前期と当日は本当に大事という事です。ボーダー勢はここで頑張れるかどうかで合否が決まると言っても過言ではありません。特に当日ですが、問題をしっかり読み、集中して解けるかどうかで5%くらいは点数が変わってくると思います。そのため、直前期は生活リズムを整えて健康的な生活を送り、当日を万全な体調で迎えることが大切になってきます。そんなの当たり前だろ!と思われる方もいるかもしれませんが、意外とできてない人もいるものです。実際に僕は最後まで夜型の生活を送ってしまい、当日をやや睡眠不足で迎えてしまいました。生活リズムを整えるだけで合格に近づけるなら整えておいて損はないと思います。

 そして、何よりも感謝しているのが『国試究極MAP』です。僕は他社の直前講座などは全く知らないので比較することはできませんが、少なくとも、「医学部で卒業試験まで乗り越えて国試の受験資格を得た医学生なら国試究極MAPで1ヶ月頑張って勉強すれば国試に合格できる可能性は充分にある」と思いますし(今後医学生のレベルがさらに上がっていき国試のインフレ化がさらに進んだ場合は分からないですが)、僕はこれのおかげで合格することができました。直前期、何をやればいいか分からなければ究極MAPをお勧めします。

 また、僕は必修が悪かったので国試の後に究極MAPを見ながら必修の問題を見直してみたのですが、僕の間違えた問題の半分以上は究極MAPの記載で解けるものでした。もちろん全ての記載を覚えるのは不可能なので記載があるから解けるというわけではないですが、究極MAPだけで足りないという事は全くないと思います。間違えた問題の中には、早とちりしたり考えすぎたりして訳の分からない選択肢を選んでしまった問題も何問かあり、必修には3点問題もあるので運の要素もより絡んでくるため、特に集中力、メンタルが大切だと思います。必修はみんなと同じ選択肢を選べとよく言われますが、これは本当にその通りで、基本的に必修問題は正答率が高く、逆に言うと受験生に最も選ばれている選択肢が答えであることがほとんどなので、悩んだ時はあまり考えすぎずにこの事実を意識して選択肢を選ぶべきだと強く感じました。

6.おわりに

 ここまで長々と書き連ねてきましたが、1番みんなに伝えたい事は、最後まで諦めないでほしいという事です。穂澄先生もおっしゃっていましたが、国家試験の勉強は暗闇の中をひたすら歩き続けるようなもので、歩いても歩いても視界は黒一色、自分が本当に進んでいるのか不安になる時も多々あると思います。それでも立ち止まらずに歩き続けた者に合格は待っています。不安になった時は僕の事を思い出して自分に自信を持ってください。今まで積み重ねてきた努力は確実に自分の力になってくれます。

 これで僕の受験記は終わりです。このnoteがみんなの暗闇に射す一筋の光になれば幸いです。
 僕のTwitterのアカウントを載せておくので何か聞きたい事があればよろしくお願いします。
 みんなの合格を願っています。

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