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削り出しブロンズスネア作ってみたら? : 1. 何故削り出しスネアの敷居が低いか

削り出しスネア、敷居が低いよ
言い間違えじゃない

スネアなら自作の敷居は低い

例えば殆どの人類はトランペットのDIYを考えないだろう
直径が連続的に変わる金属パイプを
グニャグニャ曲げて
穴あけして
マトモな音が出せるようにするのはハードルが高いというか、無理だわ
まあ大体の人は買う方を選ぶだろう

一方スネアはすごくシンプル。
音が出りゃいいだけならまず直径35センチ位の円筒を用意
ヘッド、ラグ、ストレイナー、スナッピー、テンションボルトは全部サウンドハウスとかで買ってしまう
あとはその円筒にドリルで穴を20個くらい開ければスネアが出来る
良い音が出るかは別だけど
兎に角他の楽器に比べたら自作の敷居が低い

自作に向かないスネアもある

市販のスネアの殆どは合板か金属板を筒状にしたもので、1万円台から手に入るものもある
でもこれらは逆に、素人がゼロから作るのはほぼ不可能
なぜならたっかい専用の機械が必要だからだ
しかも作るのに職人技が要る

じゃあ図面を書いて渡したらどっかの業者が作ってくれるか?
多分断られるか、ビックリするような金額の見積りが出てくる
合板スネアも金属板スネアも加工代とは別に金型等のデカい初期費用が要るからだ

予算1000万円でスネアを1000台作るのと1万円で1台作るのは違う
市販の合板スネアや金属板スネアは前者
高い初期費用がかかる代わりに大量に作って大量に売る

完全自作だと合板スネア1台数百万円みたいな笑えない結果になる
だから、合板スネアならケラーとかの生シェルを買って加工した方が幸福になれる
半完成だから厚さとか材質とか自由に設定出来ないけど、これはもう仕方ない

故にシェルの完全自作を志す人たちは丸太を削り出すとか
木材をブロック状にして樽みたいにくっつけて円筒にする(ステイブシェル)方法をよく採る。
とんでもない根気と技術が要るものの、初期投資が比較的安く済むメリットがある。

自作の穴場 金属削り出し

先に言っとくが自分で金属ブロックを削り出してスネアを作るのは無理だ。
じゃあタイトルはどういう意味か?
金属削り出しを加工業者さんにやってもらう。
これなら合板や板金と違って初期費用が(ほぼ)かからない。
一番高い工作機械は、加工業者さんが既に買ってくれてるんだから!

業者に作ってもらうなんて自作スネアとは呼ばないって?
まあボーキサイトを発掘精錬してアルミスネアを作った人や、木材の新品種を開発してウッドスネアを作った人に言われたらゴメンなさいするけど
普通は何かしら人の力を借りないと作れないでしょう。

話を戻す
業者さんにとっちゃ金属削り出しパーツ1個だけ加工とか全然普通だし
30センチ大の金属加工も全然珍しくない(というか多分大物のカテゴリにすら入らない)

あと、産業機械に使われるパーツに比べたらスネアの形状は全然難しくない
だから金属削り出しスネアのハードルは「加工業者にとって」ぐっと低い
よっしゃ業者側の問題はクリア
敷居が低くなってきたのが見えるだろう

じゃあなんのハードルが残っているだろうか

材料どうしようか

多分削り出しブロンズスネアを作るにあたって最大のハードルがこれだろう
しかし、また産業領域目線の話で恐縮だが
金属製の大径肉厚パイプと考えると、産業領域だと普通に使う。
大型の送液パイプとか継ぎ手とか、変わり種だとステッパーのレンズを支える筒とか
とにかく全然希少じゃない(但し安くはない)

シンプルに大径ブロンズパイプを作ってくれる業者さんを見つけてそこから買えば良い

長くなったので続く


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銅合金専門の遠心鋳造業者から貰った画像
フロアタムくらいのサイズのとんでもない厚みの青銅管が置いてあるが、写っている青銅管はほぼ100%産業用途だろう
後ろのどこかに自分がオーダーしたブロンズシェルが写っている・・?
location:某国のどこか


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