見出し画像

削り出しブロンズスネア作ってみたら? : 2. 純日本産は諦めろ

all made in 日本国は、引くほど金がかかる。よってお勧めしない。

デカい金属管が手に入らない
大口径の金属管は鋳物の技術で作られる事が多い。金属の鋳物をちょっとだけ作るのってメチャクチャ無駄が出るので、現実的には①欲しい直径に近い既製品を買って、②所望のサイズまで削ってもらう事になる。
しかしこの①②が両方物凄いネックとなる。

手始めに大口径の青銅管を切り売りしているサイトを・・・無い。全然無い。
まず、20cmとか30cmとかの直径の金属管を切り売りする業者さんがニッチすぎる。
奇跡的にそんなサイトを見つけたので見てみよう(URL省略)
お取り扱いの最大サイズはφ300mm≒12インチ。
小口径が好きだから問題ない。12インチで作ろう。

仕様を見る。
肉厚が60mmもある。他は選べない!
そんなに要らない?
5mmくらいでいい?
でも選択肢が無い。このサイズの青銅管を切り売りしてるのが奇跡に近いんだから、ここは仕方ない

価格を見てみよう。
長さ10mmあたり2.6万円!高い!
深さ6インチくらいを狙って長さ150mmでカットしてもらったら・・・39万円!重さにして80kg!うえー🤮

金属管をスネアにしてもらう
材料入手で財布の軽量化に成功したところで、次は加工。
加工には図面が要る。絶対要る。
だって自分で削るのは無理だから、加工屋さんを頼らなきゃ。
加工屋さんと話をするには図面が要るんだよ。

図面は無理だから誰かに書いて欲しい?
ならプラスで10万円くらい用意する。
加工屋さんに設計できる人を紹介してもらおう。
技術屋を一日拘束すると最低5万円はかかる。
打ち合わせや製図で合計1日じゃ終わらないから10万円。
探せばそれくらいでやってくれる人は居るだろう。

でも、詳しくはいつか別記事で述べるが、スネアの図面なんざ大したもんじゃ無いから(個人の感想です)自分で書いたほうがいいです。

次、加工賃はどうなるか?
昔お仕事で手のひらに乗るくらいの筒を、中くらいの難度の図面で加工してもらったらだいたい3万円くらいかかったな。

この大きさの物体を、所望の厚さまで削ぎ落として両端面のベアリングエッジ、スネアベッド、ラグ等の穴を加工して・・・
スネアベッドは汎用加工機じゃ難しいから、五軸とか使うんかな。
加工費は送料込みで別途10万くらい用意しといたらまあ余裕でしょう。

もうその金持ってお茶の水に・・・
シェルも出来た事だし、そこから有名ブランドのラグとかストレイナーとかフープを揃えて、プラス3万円くらい?

39万+10万+10万・・・
えっ、70万円弱のスネアですか。

そんな金持ってるならお茶の水に行ってソナーのベルブロンズとクラビオット買う方が幸せになれる。
あとは北野製作所のおやっさんに電話してみよう。多分予算内でやってくれる。
有名ブランドの上級ドラムセットも射程圏内だぞ。

地方に住んでても大丈夫、新幹線代とか飛行機代出してもお釣りがくる。


・・・と、これは少し極端な例だが、国内でやろうとするとマジでこのくらいは覚悟した方が良い。
詳しくは言わないが、この見積もり金額はとある方からも近い値が出てる。よってこの予想は比較的精度が高いと思う。

この辺の障壁を、海外に頼る事でなんとか越えていく。但しリスクは上がる。かなり。
大丈夫、有名ブランドは高確率で海外にシェル作らせてるから・・・。


トップ画像
左から
14in x 150mm、厚さ12mmのブロンズスネア  自作(加工は外注)
14in x 180mm、厚さ8mmのブロンズスネアオリジナルのブロンズ削り出しラグ、上下ともオリジナルのカーボン削り出しフープ、自作(加工は外注)
12×6inくらい 園芸用のフルイを2つ使った半自作スネア
12×8 古い子供用マーチングスネアに穴開け加工&内面塗装したカスタムスネア

location:町田国

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?