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どうも13 星の源 (影武者バージョン) V1.2.5.5.9.1.9.2. (2018/9/24投稿)

お邪魔いたします。影武者変態麻婆豆腐です。

北原先生がシカゴを去って以来、手術室で拘束される時間が再び長くなったので、手術室以外の仕事にしわ寄せがきて長時間労働になっています。って、単なる言い訳ですが、毎週金曜日のどうもブログの投稿が遅くなってしまいました。まあ誰も気に留めてはいないと思うんですけどね。

皆さん、なぜ働いてるんですか?

学生さんの場合でも将来は何かの職について働くものと漠然と認識していると思います。働くことは生きること。と誰かが言っていましたが、今の人間界ではほぼ全ての事柄が経済力(お金)と密接に関連し、世の中を支える労働と報酬を絡めることにより経済を循環させ、一般的に働いて収入を得るという行為無くして文化的な生活を送ることはできないのです。通貨を発明し、労働と絡めることを思いついた人たちは本当に天才だと思います。収入という報酬を付随させることにより誰もやりたがらない危険、汚い、キツイ労働も推し進めることができ、現在のような世の中に発展したのだと思います。収入と労働が全く別だったらどうなっていたでしょうか?例えば半数以上の人は今の仕事を辞めてしまったりするのでしょうか。「仕事を辞めてやりたいことをやるんだ!」なんて言いながら。ただそのように辞めていく人たちの中の何人が直ちに「やりたいこと」を思いつくのでしょうか?自分のやりたいことをやって、それを仕事にしているような恵まれた人たちはどのくらいいるのでしょうか。一つのバロメーターは今ふと1兆円が手に入ったら、今の仕事を辞めますか?続けますか?という質問に集約すると思います。この質問に「続けますよ」と即答できる私は本当に幸せ者だと思います。皆さんはどうですか?

働くことの喜びの一つは、自分にしかできないタスクを達成完遂することではないでしょうか。心臓外科という分野で修練していると自分の職業は専門性が高く誰でもできるわけではないと認識するのですが、心臓外科分野内でも様々な生き方があるようです。一般的に私のいる大学病院には周りの市中病院から重症例が転送されてくることが多々あります。確かにもうヤメてくれというような重症すぎる症例もある一方で、中には重症なのでこちらでは手術できないので送りたい、と言って来てみたら、一体これのどこが重症なんだろうというようなそうでもない症例もよくあります。市中病院の心臓外科医でよくあるのは、朝病院に来て、さっと手術して、夕方には家に帰って家族と過ごし、週末はオフ、というような生活を基本とする感じです。専門性をある程度高めることによってある程度の収入を確保し、自分の生活を充実させるタイプの外科医です。通常、このような心臓外科医は割と軽症の人に単純な手術、アメリカではbread and butter caseと言われる症例のみを行います。混沌とした症例が多い大学病院にいるとそのような症例や生活が羨ましくなることがあります。ただたまにbread and butter caseが私のところにやってくると確かに初めは嬉しくてしょうがないのですが、手術を進めている途中で、こんな”誰でも”できる症例を私がやる必要があるのだろうか?ふと心のどこかで思ってしまいます。思っていても口にしてはいけないことですね。もちろんどんな症例でも私の目の前にいる以上手術が滞りなく済むように全力を注ぐのは私の責任であると認識しそのように実行しています。ただ私の性分としてbread and butter caseばかりでは飽きてしまうと思いますし、そのような状態だと1兆円が手に入ったら辞めてしまうかもしれないと思います。自身の成長の余地及び必要性を実感しそれに精進できる環境は苦しくて辛いものである反面、生きがいや幸せを感じることのできるbread and butterであると認識し、今後も「自分にしかできない仕事」が増やせるように目標を見失わず頑張っていきたいと思います。

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たまーに進路についてお悩み相談メールをいただきます。目の前の逆境や理不尽な環境に自分を見失いそうになっている人がもしいたら、目の前のそれは実はあなたのbread and butterかもしれませんよ。自分が自分であることに価値を見出せる人は人生を楽しく送れるのだと思います。適当でいいと思うので、とりあえず頑張りましょう。で、1兆円当たったら私にください。

では変態先生、及ばずながらなんとかどうも13まで繋がさせていただきました。毎週金曜更新どうも企画全14回、どうも14グランドフィナーレは先生でなければできないと思います。代わりはおりませんん。よろしくお願いいたします。

どうもブログを守る会 会長 太田。(けつかっちん)


*この記事は米国テキサスで心臓外科医をしている大野先生の特別寄稿です。全14回の構成ですが、投稿締め切りを全然守らない大野先生をサポートしてチームWADA副代表やメンバーも投稿しています。
大野先生のブログ:Cowboyかぶれのおっさん侍 

テキサス大野先生とチームWADA副代表のおっさんずラジオ 

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