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サンセバスチャンに行ってきた その2

美食の街
確かに美食の街というか、今までサンセバスチャンに行ったことのある人数名におすすめのレストランやタパスを聞いたところなんと、10個以上も出てきており、おすすめのレストランがたくさんありすぎて選べないという感じ。結局、ある程度テーマを出してもう一回サンセバスチャンに何回か旅行へ行ったことのある人に絞ってもらい、2件挑戦しました。

もっと行けばよかったのに、と言われそうですが、正直、衛生面でどうなんだろうと思う光景が多々あり、お店のカウンターの透明のケースにおいてある軽食は手をつけていいのか、どうか、迷う局面がものすごいありました。朝作って夜はもう食べてもらえなかったものは捨てるのかなと思いきや、結構閉店間際のお店で、店頭の品を透明のケースに入れて冷蔵庫に入れるという光景も見かけました。あと、正直、店やカフェによっては小さいハエやらゴキブリ系なども見かけたので、作り置きのものはわざわざお金出して食べる価値があるかどうかわからないという状態。あと鳩が店のなかまで入ってきて食べこぼしを狙ってました。

正直、食べに行くならあらかじめもうお星さまのついた郊外のレストランとかがいいのではないか、という感じで、その辺のタパスにふらっと入って「すごいおいしい」という状態はあるのかないのかわからない状態。旧市街の街場のタパスでバルホッピングしたいなら、名前の知れた、人が並んでいるようなところで作った料理の回転の速い店に行くべきで、そうなるとだいたい団体客などと一緒に並んで待たなくてはいけなかったり、お店の中もがちゃがちゃしていて、店の店員もそこまで愛想がよくなく、という感じで、正直、まあ、がちゃがちゃした中で食べて終わりと言う感じではあります。

ねらい目としては、ある程度客が多く、名店として名前が挙がるレストラン、そして、開店直後など、人があまりいないときに行くこと。もう事前に食べるものを決めてさっさと注文を出すこと。そして、食べ終わったらさっさと出ていくに限るという感じ。

イワシもかつおも食べたが生臭くなかったのが衝撃

ある程度作られた美食の街なのかな、とは思いました。個人的に正直なところ、ある程度の街なら、そこそこ行けるバルやらタパスはあるので、別にサンセバスチャンを目指さなくても、という感じ。ただ、ある程度の水準のレストランやタパスがまとまってコンパクトにある、治安が他の大都市などに比べると抜群によい、観光客慣れしている、ただ街中をそぞろ歩いても楽しいということで、サンセバスチャンが食べ歩きに適しているという意見もうなずけるところ。ものすごい期待はしないほうがいいのではないか、と思うのと、美食を楽しみたいならやはりある程度格式のあるレストランを前持って予約しておいて、バルホッピングはおまけ程度に考えておくのがいいと思う。

個人的に魚よりも肉があたりが多かったような気がする。

女は髪が命??
まあ、スペインはきれいな女性が多いなと思いますが、この街もきれいな女性が多かったと思う。髪の毛がつやつやできれいな人が多く、後ろ姿に後光が差してる人もいたくらい。イギリス女性のアスレジャールックでドスドス歩いて大きな声で携帯で話しまくっていて、顔はヒアルロン酸で無理くり膨らませた目元と唇、日焼けサロンで焼いた不自然な肌、変に脱色したブロンドみたいなのに慣れてましたので、やはりなんというかスペインの女性がエレガントに見えたのは間違いないです。正直、イギリス人でスペインに野郎同士でバカンスに来て、そこの地で見たスペイン人女性に一目ぼれし、イギリスに戻って彼女捨てた男とか履いて捨てるほどいますが(有名なのは元サッカー選手の何某と何某)、わからないではないです。それくらいイギリスの女性とは天と地の差があります。

女性に関しては「いい加減な恰好をしておばさん臭い人がほとんどいない」街であるなと思いました。正直、皆さんこぎれいにしていて、「おばちゃん」という雰囲気の人があんまりいないんです。

男性は意外に色白、細面で髪の毛が黒から茶のグラデーションで、目は灰色なんて方を見かけました。昔のサッカー選手のロペテギみたいな感じです。たぶんですが、北の顔、南の顔といろいろ違うのかな。

海辺の街、ビスケー湾の真珠
個人的に正直、美食の街というより、こじんまりした海水浴場があり、みんなで海を楽しんでいる姿が一番印象に残りました。朝の早い、太陽が昇り切らない時間から、サーフィンを楽しんだり、犬を海辺で放し飼いして泳いでいるのをたばこを吸いながら眺める飼い主、砂浜を裸足でランニングしている人や、海辺の散歩道をグループでジョグしているジョギングクラブの皆様、勝手がわからないのでとにかく歩いて海にいる人をみてるような観光客など、みんなが思い思いに過ごしている姿がなんだかとても自然でいいなあ、という感じ。ちょっと歩いていくと、ヨットがたくさん停留されていて、いかにも海辺の街と言う感じ、そしてその辺にひなびたアイスクリーム屋や居酒屋ぽいバーがあってどうでもいいようなお土産屋さんがあったりと、素朴な街の部分も残っていて、そういうところも素敵でした。

あと、ある程度昼まで気温があがった時間になると、お年寄りらしきカップルがポンチョのようなものを着てサンダル履きでわらわら海辺に出てきて、砂浜の手すりのようなところにサンダルとポンチョをひっかけて水着になってよろよろ海に入り、ただ単に温泉につかるように海に20分くらいつかって、そのあと浜辺のシャワーで海水を落とし、またポンチョ着て帰って行きました。毎日その手の人を見かけたので、温泉に入るつもりで海水浴というかタラソセラピーをしているのでしょうね。そういう時に女の人はトップレスで海に入ってシャワーやポンチョのところまでトップレスで堂々歩いていましたが、だいたい男性が女性によりそい、うまく胸が隠れるように配慮してるのを見ました。

まあ、なんか海辺の街だから荒っぽいのかなとも思いましたが、街全体はそこまで荒っぽくなく、お互いがお互いを配慮し合っている光景をしばし見かけて大人の街だなと思いました。

ちょっと街はずれの海辺の通り

生活感のあるものは全部地下
この街を旅する前に司馬遼太郎の街道を行くの南蛮へのみちを読みましたが、サンセバスチャンはある種戦後にデザインされた人工的な街という記述をされてました。正直、街の評価に関しては「辛いな」と思いましたが、短時間しかいないのに、よく街の特徴をとらえた記述だなと感心した次第。やはり作家さんの観察力は並大抵のものではない。(あと檀一雄のポルトガルの描写なども大変すごい。)

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で、まあ、おおきなスーパーマーケットなどはだいたい地下。駐車場、駐輪場の類も地下。大きなバスターミナルも地下。バスの出入りも地下。海辺にある海水浴に来た客用の更衣室やシャワー、トイレ、赤ちゃんのおしめを変える場所なども全部地下。そういう構造をわかると結構歩いているだけでも面白いな、という感じ。

もしかしたらサッカーよりバスケットボールの方が好きかも
イギリスでサッカーをよく見る身からすれば、やはりスペインリーグとイタリアリーグのサッカーは別格。いい選手もたくさんいるし、プレーが華やかでイギリスのプレミアに比べたらある種歴史もあって、格が上という考え方もあって、まあ、とにかく憧れではある。そして、毎週スペインハイライトみたいなのを見て観客の熱狂もたくさん見てるからみんながサッカーが好きでサッカーの話になると止まらない?などと思っていたが、そこまでという感じでした。

その代わりですが、サッカーの話を振っても、「まあ、アレだよね、僕としてはバスケットボールの方が面白いけど」という切り返しをされることが非常に多かった。だいたいサッカーチームの他にホッケーのチームやらバスケットボールのチームなどをスペインのサッカーチームは持っていて、バスケの試合の日は必ずパブのテレビでやったり、タクシーの運転手さんがラジオで聞いていたり、という感じで庶民の生活にはかなり根深く浸透しているのだなと思わせることが多かった。

街中のパブで常連が選手にいろいろベットしているレート表などが貼ってあったが、選手の名前はサッカー選手でなく、バスケットの選手。なんかそういうのを見て、妙に納得してしまった。

但し、サッカーもそれなりに人気があるのはわかるし、街中のあちこちにはその街のクラブの旗が出ていたりしているし、ローカル企業の広告に選手が何名か出ているのも当たり前という感じで、おらが街のクラブという誇りはある。

サンセバスチャンのチームはレアルソシエダであるが、ここの本拠地グラウンドはちょっと街中から離れていて、見に行くには結構不便そうには見えた。ビルバオはアスレチックビルバオという有名なチームがローカルであるが、ここのグラウンドは街の大きな中長距離バスが発着するターミナルのすぐ隣で周囲にはホテルなどもたくさんあり、見に行くにはちょうどよい感じに見えた。サッカー観戦初心者はビルバオから挑戦だと思いました。次回は是非試合を見に行きたい!

雑貨屋がそこそこ充実していて面白い
結構スペインは雑貨が面白い?というか日本のものよりは大味でなんとも言えないがいろんな雑貨屋がたくさんある。大昔からやっている手作りブラシが置いてある金物屋、風呂場の蛇口だけ置いてある店、そのとなりにある洗面所に置くボウルだけ置いてある店、など厳密にいえば雑貨屋ではないのだが、ちょっとしたもの(かご、ブラシ、雑巾やリネンなどの布もの、古いボタンがジャムの瓶にたくさん入っているものなど)が置いてあって、それを買って持って帰りたくなるようなお店がたくさんある。チェーン店の雑貨店もあれば、独立系の店主のセレクトが映える店、オーガニック系のリネンなどの専門店など、たくさんいろんな店があった。

日本の人がバスクにいて持って帰りたいものと言えば、バスクグラスとか言われるスペインでよく出てくるガラスのグラスでしょうか。

結構いろんなところで出くわしました。オリーブ入れたり、果物にヨーグルトがかかったサラダが入っていたり、普通に飲み物を飲むグラスとして出て来たりと、あっちこっちで出会いましたが、意外に売ってる場所がなく、お店の人にどうやって手に入れたのか聞いてみたら「持って帰れ」と言い出して水ですすいで拭いてくれそうになってるウェイターさんなどがいたのですが、まあ、不特定多数の使ったグラスは使いたくないので、ご遠慮しましたが、チェーン店の雑貨屋「muy mucho」という場所で見つけました。4個で4ユーロなどという値段なので、気張って買うものでもないし、たぶんすぐに壊れて替えが必要になりそうな商品なので、気の置けない値段で買うものなのでしょうか。

https://muymucho.es/

この雑貨店ですが、結構簡単な値段でそこそこかわいいものが買えそうなので若い女性を中心にお店はにぎわっていました。レジもかなり長いこと並びましたが、人気が出るのもわからなくないお店でした。

スペイン語ばっかり、英語ゼロ地帯
英語はほとんど通じません。お店の人にスペイン語話せないと言ってるのにスペイン語でまくしたてられること多々。たまにスタッフが「ちょっと待って」と英語で行ってから、「おーいxx」と別のスタッフが出てきて「英語ちょっと話せるので」などと言って応対してくれた店やレストランもありましたが、まず通じない。というか、いい意味で観光客にはこびていないので、別にいいんですよね。観光客と英語使って無駄話はする気はないというのがはっきりしてるので、いい意味で言えばほっておいてくれるので、観光客は観光客で自分たちの世界に入って旅ができる。何かあったと¥に言葉が通じないから放っておくということはしない人達ですので、本当に何かあって英語が必要なら、道を歩いている人をかたっぱしから捕まえて英語話者を探すとかそういうことはちゃんとしてくれる人達ですので。

そういう態度を冷たいと取るかどうかはあなた次第、というところでしょうか。例えばアイルランドなんかは完全にスペインの真逆でとにかくコミュニケーションを取って来る。人懐こい。「兄弟はいるのか」「おふくろさんは今日は連れてきてないのか」そういうところから奴らはせめて来る。イギリス人もある程度の雑談などは応じてくれる人も多いし、パブなどに入っていけば、必ず話しかけてくる人はいる。そういうのに慣れて居ればスペイン人の態度なんかは「なんかよそよそしいな」と思うことが多いのであろうな、とは思う。

あともう一つ、これは完全に個人的な私の意見ではあるが、他人に対してはかなり節度があるというか、よっぽど仲良くならなければ、自分のことを話すということもあまりなかったりするし、人に対して「ええっ」てことも聞いてこないのがスペイン人なのかな、と勝手に思っている。日本の男性などですぐに「彼氏いないの?」「おっぱい大きいけどカップは何カップ?」とか聞いてしまうのが多いけど。(個人的に国際的に日本人の男性が人気ないのはこの辺の思慮がないからだと思っている。悪意のない無神経というのかな。)そういうのは絶対にないし。

まあ、個人との距離の取り方がすごいのは、スペインは昔独裁政権で言いたいことはあまり口に出せないような環境であったから自分を守るためにも慎重にふるまってるのかもしれない。この手の世の中を渡る処世術がなんとなく似通っているのが旧共産圏出身の方、あと北アイルランド紛争がひどかったベルファストやデリーなどといった場所の出身の方など、なんとなく「似てる」と私は勝手に思っている。まあ、この辺はまたいろいろ掘り下げてみたい。

サンセバスチャン、ちょっとおしゃれでフランスぽくてとてもよかったです。物価は高かったけど。


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