マイアミで一目惚れしたブラックオパールのリング。普通の現代物のリングでも高価で硬度も低いブラックオパールは割れてしまうかも知れないリスクからサイズのお直しは断られる事もあります。
今回のアンティークリングはリングを構成する全ての部分がブラックオパールとゴールドのグラニュレーション(粒金細工)とカンティーユ言う難しい技術で作られた、どこもほぼ触れてはいけない非常に難しいリング。SNSに投稿した画像をご覧になられたお客様にお気に召して頂き、サイズ直しが出来ればご購入と言う事でチャレンジして見る事になりました。

まずはリングの画像を私が日本一修理が上手だと思っているSさんに送り、何とか出来るだろうという回答を貰いサイズを直して貰う事にしました。
グルリとリング全体がグラニュレーションで出来たリングはサイズ直しを大きくすると足した部分の模様が途切れてしまいます。
それをどうするかは腕の見せどころ！
サイズ直しが出来た所で先ずは第一の難問はクリア。リングサイズを大きくするお直しの為に使う足す部分のゴールドはアンティークやヴィンテージのプレーンなリングなど地金製品を数多く修理用にとって置いた物からゴールドの色を合わせて使います。
今回はお修理専門で活躍されているSさんにサイズ直しを終えて頂き、素晴らしく美しいヴィクトリアンボックスのエングレイビングを担当する彫り職人さんに足した部分を彫刻する様に模様を入れてもらいました。足す模様も不自然にならない様にコレクションをしている同時代のアンティークリングの地金リングから模様をチョイス。
出来上がりは唸る様な美しさ！
まるでリングが出来た時からこの様な形だったと思わせる様な完成度でした。

リングのお修理が無事に終わり、お客さまに喜んで頂けれる事は勿論嬉しいのですが、2人の天才職人さんのコラボレーションでこのアンティークリングを更に素晴らしい作品に進化させる事が出来、こんな職人さんお二人にお仕事を依頼出来る私はなんて幸せなのだろう！
と幸せに浸っています。

最後にサイズ直しをして下さった職人さんに完成写真を送るとあんまり面白いメッセージがきたのでそれも特別公開いたします。