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カナイアキヒデ

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イベントレポとか気になった動画・デザイン・クリエイティブまわりの話題を書きます! @akihidep
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#クリエイティブ

見積もりの価値

見積もりの価値

前回紹介した雑誌「広告」読みました。

1円とは思えないようなクオリティの高い記事、静かに問いが立てられ、思考を深めていくような読後感。

読み返していくたびに、薄く光沢のある表紙がどんどんヨレたり、傷や手垢がつく。そういう手触りの変化を感じるのも、この本の価値なのかなと。

さて、最も興味深かったのが「見積もり」の話。

作り手にとって「妥当な報酬」とは何か?という問いに対し、
金銭的な報酬だけ

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いいものをつくる、とは何か?

いいものをつくる、とは何か?

という書き出しで始まる、雑誌「広告」のリニューアル号。

価格がなんと1円(税込)ということで話題になっています。

フリーペーパー並みのボリュームかと思いきや、なんと680ページもあります。

今回は「ものの価値」をテーマにしたことから、1円という価格設定にし、その価値を考えさせる試みとなっています。

実はまだ数ページしか読んでいないのですが、表紙をめくってまず飛び込んでくる、新編集長の言葉を

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高畑勲展、絶対行くべし。

高畑勲展、絶対行くべし。

カナイです。

今月から開催されている「高畑勲展」に行ってきました。

自ら積極的に絵コンテを描く宮崎駿監督とは対照的に、絵を書かないアニメ監督であった高畑監督は、どのような演出術だったのか。今回遺品から発掘された膨大な資料が見れることがいちばんの目的だったんですが、その資料ひとつひとつが理論的で、そして緻密すぎる仕事ぶりに圧倒されました。

最も胸が熱くなったのが、およそ50年前の初演出作品「ホ

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人を動かすもの、それは

カナイです。

先日、いま一番勢いのあるコンテンツ会社、CHOCOLATEさんのイベントが行われました。

実は今回のイベントは行くことができず、ひたすらTwitterで追っかけました。色々とコンテンツ界隈において大事な話がありましたが、特に「あ、よかった」と思ったことがありました。

人を動かすのは「人格」だと、ハッキリ言ってくれたことです。

今回のイベントはなんと1200人もの参加があり、そ

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「あなた」と「私」の中間を見つける

金井です。

慣れというのは、怖い。

簡単に「こんな感じだよね」と、勝手にパターン化してしまうと、それ以上の感動や驚きは生まれない。

言われたことを、言われたままやって、勝手に満足していないか。

時間やコストの少なさを言い訳に「考える」ことをサボると、すぐバレる。

斜に構えることがクセになり、無意識に批評してしまうと、相手は見てくれなくなる。
でも必死で「媚びろ」というわけではない。

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ご当地キャラを汗だくにさせた話

ご当地キャラを汗だくにさせた話

金井です。

ひさびさにお仕事の報告です。

人気ご当地キャラのふなっしー・ちっちゃいおっさん・イーサキングが、夢の共演を果たした動画を作りまして、先週公開されました。

人気ご当地キャラ夢の共演!アクシデント連発の体力測定で衝撃の結果が…イーサキングは〇〇できない!?ちっちゃいおっさんの衝撃の一言にふなっしー激怒!?謎のさっぱりアイテム登場にテンションUP!

(というテレビ欄みたいな煽り文言を

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33人の視点が、自分を強くする

33人の視点が、自分を強くする

金井です。
企画でメシを食うための養成講座、企画メシ3回目のレポートです。
(↓前回はこちら)

今回のゲストはCRAZY WEDDINGの山川咲さん。

とてもチャーミングかつエネルギッシュで、今までの経験談を涙をこらえながら話してくださって、何よりも「結婚式」のアップデートに全身全霊をかけていらっしゃるのが伝わってきた。

儲けを考えずにいいものを作ろうとした1年目の話。
結婚式しないでぶつか

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中途半端な広告は、やっぱり嫌われる

中途半端な広告は、やっぱり嫌われる

カナイです。
今回は動画や広告のトレンドを考察してみました。

1年前に↓の記事を書きました。

海外でスタンダードになりつつある、代理店、メディア、クリエイターがひとつに集まった「デジタルスタジオ」の事例を紹介し、このトークショーに登壇した渡辺氏・栗林氏が所属するCHOCOLATEが、今後この仕組みを目指していく…という内容でした。

ご存知の方もいると思いますが、今年はじめ、CHOCOLATE

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目標って必要?

目標って必要?

こんにちは、カナイです。

当noteももうすぐ開設して1年が経つのですが、その1記事目としてアップされた自分の記事を見直してみました。

1年前の文章ですが、文字の大きさとかビックリマークを多用していて、なんだか若々しさを感じました…。

この文章の結論として、箭内道彦氏の「30代は頑固」という発言を受けてこう結んでいました。

今はいろいろやってみて、成功でも失敗でも、残るモノ作りに挑戦しない

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振り向かれる広告の話

振り向かれる広告の話

広告や動画のコピーやナレーションを考える時には、必ず「誰に向けて伝えたいのか」を意識し、「その誰かにとって役に立つ」メッセージを考え抜く。
もしくは「わからなくても楽しめるが、わかればもっと楽しめる文脈」を作って、どこかに「引っ掛かり」を作るように心がけています。

例えばこの動画。

ツイッターやってる人だとツッコミたくなる、うまく練られたCMですよね…。最後の失礼してくるおばちゃんがいい味出し

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問題を提起する

問題を提起する

東京大学名誉教授の上野千鶴子さんによる、東大入学式の祝辞が話題になってますよね。週末にはテレビでも取り上げられていて賛否両論に。

いろんな人がネットで好きだ嫌いだとか書かれていて、いち入学式の祝辞がこんなにも議論を招くとは東大はすごいなぁと思いました。自己批判もしながら問題提起をしている。10数年前大学生だった自分がもし入学式で聞いていたら、どういう印象を受けていただろうか。

読み返してみて個

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説明と感性が大事な話

説明と感性が大事な話

『めちゃイケ』終了から丸一年。総監督として22年間、番組を仕切ってきた片岡飛鳥氏のロングインタビューが公開されました。
(#1〜3まで 残りは4/6公開予定)

個人的には"番組終了を告げるシーン"から最終回に至るまでのいきさつが克明に語られていて、番組がいつ終わっても仕方ない状況の中、どうもがき苦しんだかが伝わってきます。

そして、片岡さんが演出家における"二人の師匠の教え"について語っている

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樹木希林に学ぶお金の話

樹木希林に学ぶお金の話

渋谷の西武百貨店で開催されている『樹木希林 遊びをせんとや生まれけむ展』に行きました。

希林さんといえば、物を持たない、自分のことは自分でする主義で知られていました。マネージャーも付けず、古い服や受賞トロフィーをリメイクして使うなど、質素倹約に努めた一方、古くから不動産を多く持ち、安定した貯蓄を得ていたそうです。

「食っていくために役者をする」ではないのが、希林さんの生き様、それが演技や作品に

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良い演出家=料理人説

良い演出家=料理人説

カナイです。最近読んだ記事から思いついたことを書きます。

テレビプロデューサーのテリー伊藤さんが「優秀な演出家」について語っていました。

「最近のテレビがおもしろくない」というのは、私はあまり感じない。
テレビって時代と添い寝していると思っていて。
今の世の中だからこそ、という番組作りになりますよね。
 
正直言って、今お笑いの人がおもしろ過ぎます。
芸人さんたちの能力が群を抜いて高い。
IQ

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