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答えを欲さば問ひたまへ

ブックレビュー2回目は、タイトルから一瞬で心を掴まれたこの本

あなたの話はなぜ「通じない」のか / 山田ズーニー(著)

毎月受けているコンサル、頭の中にある伝えたい想いを言葉にすることができなくてもどかしい!そんな私にマッチした本を先生が紹介してくれました。

考える道具とは、「問い」

まず「頭の中にある伝えたい想い」とは?自分で言っておきながら何だか違和感。わたしの意見とは?そもそも頭を使って考えられているんだろうか

・正解のない問題を自分で考えたいなら、まず「問い」を探すこと(p55)
・自分から納得のいく意見を引き出せる人は、よいインタビュアーのようなもの(p59)

問いと答えはセットであり、自問と自答を粘り強くつづけることが「考える」作業、とのこと

これまでも何かに悩んだり迷ったりしたときは自問自答・自己対話によって答えをだしてきたつもりだけど、同じ問いを繰り返すだけ全く足りていなかったように思う。本当の意味での「対話」ができていなかった気がする。

そうして、「あ、そうか!」という発見、何かがすとんと腑に落ちる感じ、「私が言いたかったのは、まさにこれだ」というのが見つかったら、それがあなたの「意見」だ。(p57)

わたしはこの「あ、そうか!」という腑に落ちる感じは、直感・インスピレーションによって導きだされるものだと思い込んでいました。
一休さんの「ポクポク...ポクチーン!」や、金田一少年の「謎は全て解けた!」等のひらめきも、脳内では問い答えが粘り強くおこなわれているんですよね。
いつの間にか、瞑想とごっちゃになって「思考」を邪魔モノ扱いしていたようす。


・自分とのコミュニケーションがうまくいけば、他者とのコミュニケーションもうまくいく(p62)

そんな頭の使い方を忘れたお花畑スピ野郎ですが「答えは自分の中にある」は変わららず、直感と論理的思考をバランスよく鍛えて上手に使い分けていきたいとおもいました。
根拠のない「感覚的なモノ」に理論をつけることで、直感で出した答えにも納得感が増すし、伝えやすくなってストレスフリー!というわけですね。求めていたものがこの書にあった。

「問い」を共有する

電話占いでタロットを始めたばかりの頃、お客様を怒らせてしまうことがありました。ほとんどが「初回5分無料」を希望されていたので、早く正確にリーディングしなくちゃ!と焦りながらの鑑定

【 タロットリーディグの流れ 】
相談を聞く → 「問い」を決める → カードをシャッフル → 展開してリーデイング → メッセージを伝える

「問い」をしっかり立てられないままリーディングに必死になった結果、相談内容とズレたとんちんかんな回答になっていました。お客様にとっては「ちゃんと人の話きいてるの?」と怒って当然ですよね。
けどそのときの私は、単純に自分のリーディング能力が無さが原因と思い込んでいました。

問いが共有できないとは、問題意識が共有できないということ。日本人は、自分で問いを意識しないまま話すことが多い。それだけに、心が無意識に向かう関心、考えずにおれない切実な問題意識が問いに込められている。だから、それを受け止めてくれないと苛立ち、相手に不信感を持つのも無理はない。(P220)

一方「何が問題なのか?」を見つけて共有できていれば、相談者は「自分の状況を理解してくれている」と感じ、たとえ鑑定結果が望むものじゃなくても納得できますよね。

一発で通じあう力、会話を成立させるために最も必要な力とは、「理解力」だ。
最低限、「理解力」があれば、コミュニケーションの入り口のところで、すっとんきょうな会話をしたり、相手に不信感を植え付けたりする心配がない。(p218)

他人と「意見」を共有するのは難しくても、「問い」なら共有でき、信頼感も増す。(p222)

占いに関わらず、相談を受けるとつい「相手に寄り添うこと」を第一に考えがちだけど、相手を理解してこそ共感や同調が効いてくるのだな。と実体験からの気づきになりました。

「通じ合えない」と、傷つき、苦しんでいるとき、あなたの志は高い

数ヶ月前、職場の同僚との関わり方に悩んでいました。
わたしがまとめる立場だったこともあり、ことある度にフォローをしていたもののその労力は伝わらず逆に誤解され、説明すればするほど批難される始末。
「どうせ伝わらない・わかりあえない」と諦め必要最小限のやりとりで日々が過ぎ、その同僚は退職していきました。
平和な日々が戻ってスッキリ!なはずなのに、なんだかモヤモヤが残っていたわたしにこの一文が突き刺さりました

内面で関われないとき、人は傷つく(P.26)
自分を伝えることに誠実で熱心な人ほど、うまくいかなかったとき痛手を負う。
人と通じ合えないとき新鮮な痛みを感じつづけられる人は、志が高い。

「あんなに悩んだり試行錯誤して尽くしたのに、相手には全く伝わっていなかった」当時の感情がようやく出てきました。

理解することをあきらめない

幸い今わたしの周りには言葉を尽くさなくても通じる人ばかりでストレスフリー。合わない人とは距離をおく。自分を守るために必要な手段ではあるけれど、もしかしたらこの本で得たコツを使うことで変わる関係性があるかもしれない。
「わからない・理解できない」と簡単に諦めずに問いかけ続けることで、世界がもっと広がるのかもしれない。
そんな可能性を感じました。

おまけ:著者の山田ズーニーさんがTEDに登壇したときの動画
書く力 | Zoonie Yamada | TEDxWasedaU
こちらのメッセージにも心を打たれ思わず涙
そのうち記事にしよっと











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