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Webサイトリニューアルのお仕事。キビシイ条件の中で考えること

どうも、デザイナーです(!?)。

ここ最近、お仕事の割合が「紙:Web=4:6」くらいになってきました。
副業・本業ともに似たような感じです。
紙媒体がちょっと持ち直してきた?のかも知れませんし、Webへの補助金バブルが落ち着いてきただけなのかも知れません。当然、補助金使えないなら予算の上限は下がるため、費用対効果や即効性を優先して紙媒体での広告手段を第一手段にすることも増えてくるのでしょう。

補助金で適当な処理するより、しっかりと内容を詰めて、戦略を練った上で広告を出していきたいものですね。

実際にはきれいなプロジェクトばかりじゃないよ

ここでいう「きれいな」は「直請けで全て1から作るプロジェクト」の話です。悪いことをしているという意味ではなく、です、あしからず。

デザインのお仕事には大きく分けて3つくらいありまして。

・1から全てを作り上げる「新規案件」
・以前のものを作り変える「リニューアル案件」
・一部の情報を新しく修正する「修正案件」

一番楽しいのが一番上の「新規案件」ですね。
特に予算がある程度割かれている場合は、イラスト・写真・動画素材の撮影やスタイリングから始められるため、ブランディングがしっかり組める等があって、本当に「作ってる感」が味わえます。

一般的に想像されている「デザイナーのお仕事」はこういうものかも知れません。

逆に結構大変なのが「リニューアル案件」です。
これにも実は2通りありまして。(ここからはWebの話側でお話しますね)

・以前のものから全てイメージを刷新して作り直す
・以前のイメージや雰囲気はそのままでもっと最新に準じたものにする

これはどっちも一長一短あったりします。

全リニューアルの場合、一見、新規案件のように思えるでしょうが…そうは問屋がおろさない。なんと言っても、お客様側は「全て一新して欲しい」とおもってはいるものの、以前のもの=現行で使っているもの、ともなるため、途中で「あまりに乖離したイメージだと困る」と思い直されたり、大きく変えたイメージがしばらくして不安になって「もとに戻したい」とおっしゃることも多々出てきます。

どれだけ打合せでかっちり決めてしまっていても、ある一定の比率でこういうご意見がでてきてしまうのです。

また、デザイナーの方が現行サイトに引っ張られてしまい、刷新された全く違うデザインを上げることができない…という場合もあります。
※ディレクションの力が不足していると余計に発生しそうです

逆に、以前のイメージを保持したまま…の場合も同様、今度は「どこが変わったかわからない」だったり、変えていないつもりが全然雰囲気が違うものになったりと、これはひとえに「デザイナーと現行デザインの相性」がかなり左右してきてしまうようです。

何にでも合わせられる…と言っても、元のものが独特な世界観を放出しているようなサイトだったり、あまりに古い雰囲気を持っていたりする場合、年代が大きく違うデザイナーでは作り出すものの雰囲気が合致しないこと、また、今流行しているデザインに現行のものの雰囲気がどうしても合わないのでアレンジ方法を見いだせない…等、様々な要因も発生してきます。

でもやるんですけどね。

現行デザインを踏襲する場合に考えること

そして、「現行デザイン」の落とし穴がひとつ。

「素材も全て現行サイトから使ってください」の罠です(苦笑)。

さて、まずこうなった場合は下記について確認しましょう。

・前回のWeb作成時のデータは納品されているかどうか
・サーバーの管理は現在どうなっているのかどうか
・管理を今後どのようにするか
・サーバーへのアクセスに関する資料類は受け取っているか
・前回の制作時のデータ等に関する契約書があるかどうか
・前回の制作者とお客様は連絡がつくのかどうか
・今回差し替える素材や文章等の「原稿」の用意はあるかどうか

確認事項は基本的には「今、依頼しているお客様の手元にどれだけの情報と素材があるか」についてと「権利がどうなっているか」ですね。

下手をすると、著作権まるごとが元の制作者側にあるような場合もあります。この場合はリニューアルを引き受けてもこちらで以前の素材を触ることができませんので、前任の制作者に連絡をとって契約を書き換えてもらったり、使用許可等をとりつけて…と着手前のすることが倍増してしまいます。

※詳しくは私の「Web制作者のための著作権講座」を参照ください
※2021年9月現在、CF内講座でしかやってないので実際はCF生&卒業生しか見れませんが←コラ

悪条件が発覚した場合

ここで安心してはいけません。そんな確認等を行ってみると、往々にして

・Webサイトの制作時に依頼した制作者から何も納品されていない
・写真素材類も一切お客様の手元にない

なんてことが発覚する場合もあります。

さて、ここからが本当のお仕事でございます。
著作権をクライアントさんがお持ちの場合は、DLしてくることは可能でしょう。ただし、運用管理している人と連携を取れたり、サーバー情報預かることができるなら、という前提ではありますが…。
※サーバー情報預かれないor運用管理を任せてもらえない…と最終アップも運用管理の人にお願いすることになり、結構大変なことになります。

とりあえずまず外装のみで考えると、いくつか現状打破の方法はありまして…

①素材を揃えるための予算についての交渉をしてみる
②現行サイトの著作権をクライアントさんがお持ちの場合は、元データをなんとか加工したり不要分をトリミングしたりコラージュで重ねて隠す等で使えるか検討する
③写真は諦めて、デザイン自体で勝負をかける

素材についてはこのくらいですが、おそらく元のものより貧相な絵ヅラしか出てこないとは思います。ではどうするか。

素材がないなら作る
文字の原稿もないなら作る

そう【ないなら作る】のです!!!

ここまでくれば、素材やデータなしの絶望感は相当薄れたはずですね。
「ないなら作ればいい」んですからね。

リニューアルが実は一番大変なのでした

そう、実はリニューアル案件というのは0ベースからの新規案件レベルに匹敵するほどの労力と予算が必要な場合も多々発生するのです。

悪条件からのリカバリーのノウハウとアイデア出し。
なおかつ、元のデザインからの脱却or踏襲のバランス感覚。
雰囲気のみを吸収しつつ、昇華させるだけのデザイン能力。
これらを同時進行で行いつつ、現在のネタ全てを回収して並べ替えの作業。
現在のネタのイレギュラーを違和感なく対応させるためのデザインバリエーションの捻出。

「リニューアルだから簡単なんじゃないの?」と言った方もいましたが、条件次第でもあるというのは肝に銘じておきましょう。

リニューアルだからこそ、高い技術が必要なのです。
デザインセンスの話じゃなくて、「技術」です。

あと、100ページ超えてるもののリニューアルとか、意外と「急いで!ネタはあるんだし移動させるだけだから!」というなんとも鬼進行に出くわすことだってありえちゃうのです。コレも結構大変。

ついでに必要な要素を足しておきましょう。

正確に情報の取捨選択とコピペができる能力

こちらも必要でした。


では、楽しいクリエイティブライフを。。。
(何の〆・・・(´・ω・`)

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