漫画の多い生涯を送って来ました。
自分には、漫画のない生活というものが、見当つかないのです。

と太宰治の「人間失格」の一節風にはじめてみましたが

ゴムゴムのギガントピストル、キン肉バスター、デンプシーロール、ライダーキック、力を込めてブン殴る。

ボクの大好きな漫画はドカバキと殴ったり、強力でカッコいい必殺技が見開きで登場する漫画が多いです。

殴ったり、刀で切ったり、銃を撃ったり。そういうものに憧れて育ってきました。

ソムリエナイフがボクの刀、フリーランスソムリエの鵜沼です。

Twitterでボクが子供の頃からあった絵本「アンパンマン」の「アンパンチ」という暴力表現が幼児に悪影響を与えると話題になったそうです。

子どもが影響をうけて友達にアンパンチをふるったら困る。
子どもがもめた時に暴力で解決するようになったら困る。

ずっと漫画を読んできたボクにはそんな可能性があるということなんですね。ボクは「あぶない」のか？笑

タバコやお酒も性の表現も現実にあるもの、そしてそれをカッコよく表現するから子供たち、いや、大人だって憧れてしまうのかもしれません。

必殺技やその小物たちはヒーローのカッコよさの演出ですからね。

もしアンパンマンや漫画でそんな影響を受けてしまったのなら、家族や身近な人たちが周りのいい影響力で相手の気持ちや優しい気持ち、なぜそれが良くないのかを教えてあげればいいと思うんです。

表現は自由なんだから嫌なら見なきゃいいし、見せなければいい。

そうじゃなきゃ、漫画も、アニメも、テレビも特撮も、小説も絵本も、表現というものの全てがなくなってしまう。

けど、そんな世の中はつまらないなとボクは思う。

なんか最近つまらないことばっかり言ってる人が多いような気がするんですよねぇ。自意識過剰？なんでも相手のせいにばかりしてない？

ボクは漫画からたくさんのことを学びました。

なぜ正義の味方は悪と戦うのか？そもそも正義とはなにか？
考え方が違う人と出会ったときにどうしたらいいのか？

表面的意味だけをとらえるのではなく、そこから何を考えて、どうやってそのギモンに答えをだすのかを考えたり話し合ったりすること

それが「表現されたもの」から「いい影響を受けるためにすること」だと思うんですよ。

「悪い影響がある」というのは表現というものをすごく「唯一の現実で表面的なこと」として捉えている状態だと思います。

表現ってもっと間接的で、情報や影響を受け取った人が考える機会を与えてもらうことなんじゃないのかな？

武器とは何か？
必殺技とは何か？
何のために使うのか？
さらなる影響はあるのか？

だったらどうするのか？

そう考えてみることで、子どもだって大人だって自分で考えて答えを出せる人になるんじゃないかな。

表現とか、影響ってそういうことのためにあるような気がする。

昔すぐ下の弟と両親のベッドの上でフカフカのスキー手袋でボクシングごっこをしていました。

もちろん技は大好きな漫画の技の応酬。もちろん手加減はしていました。

すごく楽しかったし、２人とも笑いすぎて「おだって（北海道弁で”調子にのって”）」たんです。

ボクが技を繰り出したあと、弟はバランスを崩してベッドの角に頭をぶつけて叫びました。

おでこから血が流れ、病院で縫いました。

ボクや弟がそれから何を学んだか想像がつきますか？

痛みや後悔、手加減を知らなければ優しさなんてわからない。

いいことも悪いことも知ること、それを繰り返していくことが成長するということなのかと思う。

子供より親が大事、と思いたい。子供よりも、その親のほうが弱いのだ。黄桃が出た。〜人間失格・最後の数行前の文章から〜

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