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猫   ───7


あなたは 眠っていても優しい
わたしが来ると 必ず
目をつぶったまま
上掛けの端を持ち上げてくれる

甘えていたのは どちらだったのだろう

わたしは その温かなすき間に潜り込み
暗澹たる心とからだを小さく丸めると
暗闇の神様に話しかけた

神様
わたしは 受け取ってばかりで
できることなど 何もないみたい
神様
わたしは 悲しい
なぜ 彼のように
優しく笑える顔がない
抱きしめられる腕がない

神様
わたしも 彼を愛したい


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