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【CoCの情報の取得と整理について・そのいち】

◇序・初心者の迷いの話

どう情報を整理したらいいかがわからない、得た情報からどうすればいいかを判断できない、という話をたまに聞きます。
事前に強く申し上げておきますが、最も優先されるのは、プレイヤーである自分が(そして探索者が)何をやりたいか考えることです。
クリアに繋がる繋がらないはありますが、それは正しい正しくないではありませんし、まして、楽しい楽しくないとも違います。

何をやりたいか、ということは、余人にはわかりません。もしも困った場合は、まとまっていなくてもいいので、こういった方向性のことをやりたいとまずはキーパー(と、他のプレイヤー)に相談してみましょう。

それを踏まえて、この記事は、かなりシステマティックな(もっと言えばメタ的、俯瞰的な)視点での「クリアを目指すこと」の話になります。参考程度に留めてください。

クリアすることは目標にはなりますが、プレイヤーがやりたいことをやる、自分のプレイに納得することは大切だということをお忘れなく。


◇シナリオにはエンディングがある

いきなり終わりの話になってしまいますが、さて、ゲームのシナリオのエンディングとは何でしょうか。
よほどの一本道のシナリオでない限りは、シナリオ中にはエンディングを左右する何らかの条件や分岐があるはずです。
シナリオをプレイすることは、いわばそれらを選択し続けることでもあります。


◇どんなシナリオであるか

そのシナリオの筋がどういったものであるかを最も示すのは、「シナリオ中で明らかになること」です。

勿論、機会を逃してしまって明らかにできない場合もありますが、「シナリオ中で明らかになること」は「明らかになる意味がある」のです。
これは「どうしてその情報が明らかになるのかを考えてみること」と言い換えてもいいかもしれません。

それが明らかになることによって、シナリオやプレイにどういう作用が起こりうるか?

たとえば、ある魔術の呪文を見つけたとします。その魔術は誰かが行っているものか、それともこれから探索者が行うものか。それは他の情報や現在の状況を踏まえて判断することになるでしょう。
ですが、どのようなものであるにしろ、その情報を探索者が得る意味があるから、探索者は手に入れることができるのです。探索者にとって“偶然手に入れた”ようなものでも、プレイヤーにはそうではないのです。

明らかになることは、必ずしもクリアするのに必要なものだけではありません。
有用であってもリスクがある場合もありますし、単純に罠の場合もあります。また、シナリオに緩急や深みを与えるための要素、あるいはキーパーからのサービスやおまけもあるでしょう。
そういった区別については、確かに慣れないうちは難しいかもしれませんが、予断はせずに、どういう意味を持つかをぜひ考えてみてください。

ちなみに、セッション開始前に明かされている情報(たとえばクローズドである、戦闘を想定したほうがいいなど)も、そのシナリオのエンディングを左右する前提になりえます(なりえるだけであってそれが全てではない、という点には注意が必要ですが)。


◇探索者は何をすればいいか・1

謎を解けばいいのか、何かの儀式を阻止すればいいのか、何かを倒せばいいのか、誰かを助ければいいのか、ただ無事に帰ればいいのか。
探索者がクリアのためにやるべきと想定されていることは、シナリオによって異なります。
その点、これをすればクリアになると真っ先に掲示されるシナリオは、初心者にとっては挑みやすいものでしょう(挑みやすいだけであり、その条件を満たすことが容易という意味ではありません)。

現在(特にファンによって)公開されているCoCのシナリオの種類は、かなり多岐に渡ります。CoCの原作は怪奇ものですが、シナリオもそうとは限らないからです。CoCというシステムは汎用性が高く、シナリオの毛色は制限されているものではありません。

つまり、何をすればいいかというのは、そのシナリオをプレイしながら、得た情報から判断していくことになります。

これを言うと、経験者の中には当たり前だと思う方もいらっしゃるかとは思いますが、「CoCだから」あるいは「ホラーだから」などの「先入観」によって迷子になる初心者は存外いるものです(特に、謎は解けるはずだと思う人は多いように感じます)。
また、自分の持つCoC観が枷となる場合もあるでしょう。

ちなみに、クリア条件がわかりやすい場合、クリア条件そのものを疑うプレイヤーもいます。
しかしそもそも、クリア条件が真か偽かも、その後に出る情報から判断できるはずです。偽であるならば「偽である」という情報を得る機会がなければそれはただの騙し討ちであって、ゲームとして成立しなくなってしまいます。


◇探索者は何をすればいいか・2

何をすればいいかがわからないという場合、それを判断するための情報が不足しているか(情報をただ入手しただけで、どういう意味を持つかまで思い至っていないことも…)、情報が揃っているいないに関わらず、自分自身に迷いがあって判断しかねているか、どちらかであると考えます。

迷いから判断しかねるというのはどうしようもないことですので割愛します(この場合、一番いいのは自分の選択について覚悟を決めること以外にないと個人的には思っています)。

判断するための情報が不足していると感じる場合は、今「できること」が何であるかをまず考えましょう。できることはそう多くないはずです。
そもそも謎であることや不明なことが、こののちに判明するかはわかりませんが(シナリオによってはシナリオ中で全ては明かされないこともあります)、今できることはできることとして既に明らかなのです。
そして、シナリオが進行するうえで探索者が一切の行動をしないということはありません。ややこしい言い方になってしまいますが、探索者が何もしないのであれば、それは探索者が「何もしないをしている」ということです。

ただし「できること」を何もかもやるべきかどうかはシナリオにもよります。先述したように罠があることもありますし、単純に、クリアを目指すのであればできるとしてもやるべきでないこともあります。また、そもそも時間制限などで全ては選べない、などということもあるでしょう。

大抵のシナリオでは、重要な情報であってもよほど致命的なものでなければ、ひとつふたつ逃したところでクリアには辿りつけるはずです。しかし、探索者の行動ひとつひとつは重要になります。
「できること」と「それをやるとどうなるか」は共に考えておくことをおすすめします。

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今回はここまで!

【追記】
そのに書きました↓
https://note.com/violetfizz/n/n1ce1c9d6f0f5

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