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【一曲入魂】 #3. Man in the Mirror - Michael Jackson


音楽人生で最も聴き込んで、音楽以外の情報や歴史も隅々まで追いかけたアーティストは、おそらく Michael Jackson です。今はもう忘れてしまいましたが、シングルリリースの順番とか、諸裁判の流れとか、かなり把握していました。
彼に夢中だった中高の頃、つまり一人の人間としての自我が形成される時期、ひたすら寝る前に「Man in the Mirror」を聴いていました。中2くらいから英語は得意で、辞書を使えば英語のポップソングの歌詞は理解できるくらいだったので、「Man in the Mirror」も自分なりに一単語ずつ吟味しながら聴いていました。



「Man in the Mirror」は、MJ のキャリアの中でも群を抜いて彼の平和主義と博愛主義、強すぎる正義感が溢れた曲です。思春期に真っ直ぐな気持ちでこの曲を聴いていたことは人格形成の上で大きかったなと、今になって思います。「Michael ほど大きなことはできないけど、ポイ捨てを止めることくらいはできる」と、中高生的なヤンキー行為をひどく嫌悪してたくらいです。

でも MJ の教えを真に受けすぎてしまった負の側面も感じています。それは、なんでも自分のせいにしたり、自分から何かをしないと何も変わらないと思い込んでしまいがちなことです。これはただのエゴの主張ですし、周りから「自分に関係ないことにまで関わろうとして責任感を感じすぎ」と言われるので、たぶんそうなんでしょう。

昨年から続く虐殺行為、私は正直、何もしてません。カナダに留学中で、自分のことで精一杯なので、「世界ではこういうことが起きている」ということだけ忘れないようにして、それ以外は何もしてません。たとえ偽善でも、たとえ知り合いに「デモに行ってきたよ」と言いたいだけだとしても、現実に向き合うべきだとも思います。そんなとき頭に「Man in the Mirror」が流れるんですよ。

Who am I, to blind pretending not to see their needs?

Man in the Mirror - Michael Jackson

彼らの助けが見えないフリをする盲目の自分は一体誰なんだ?


MJ は普通の人間には到底到達できない領域にいた人だと思っているので、そもそも MJ のメッセージを真に受けることが健康的ではないのかもしれません。引用元を見つけられなかったのですが、私の記憶が正しければ、MJ が亡くなったときに Lionel  Richie が「彼は地球に愛を伝えにきた天使だった。でもこの世は彼が生きるには汚すぎた」と言っていたはずです。MJ は天使、この考え、けっこう腑に落ちます。





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