雪ノ下 善子の日記(四月後半)
四月十六日(金)
曇り。気をつけても遅かった。
同僚はとても嬉しそうに小走りで私に近づくと
(金曜日の高揚感からかもしれないが)、
香水のサブスクリプションの紹介をし始めた。
頼んだつもりはないし、むしろ香水は嫌いだ。
そもそもサブスクリプションとは何なのか?
定期購入する程に人は香りを欲するものなのか?
そもそも毎日、違う香りである意味はあるのか?
聞いていく毎に同僚の顔が曇っていった。
私に何を期待していたのだろう。
四月十七日(土)
晴れ。洗濯はかどる。
洗剤の香