Vtuberが取って代わる、アイドル声優という職業

アイドル声優という言葉が少し話題になっていたので、ちょっと考えてみようと思う。

アイドル声優という言葉の典型的な例は、ラブライブだと思う。

圧倒的な人気を誇ったアイドルアニメであるラブライブでは、キャラクターの声を務めた声優たちもステージの上で歌って踊り、コンサートを行っていた。

声優一人一人にタレント的人気があり、テレビ、ラジオ、雑誌のモデルなど、様々なメディアで存在感を示していたのだ。

ソロ曲を出してソロコンサートを行うのもざらで、アニメの主題歌はよく声優が担当していた。

この頃はいわゆる中の人文化が盛んであり、アニメキャラと声優を同一視するような見方も多かった。

だが一方で、同一視に対して私のように疑問を持つ人も居たはずだ。

アニメキャラの印象が崩れる感覚があったし、キャラの台詞を持ちネタのように使われるのは、違和感があった。

キャラクターのコスプレをして歌って踊るのに、関心を持てなかった。

声優ブームが落ち着いてくるのとすれ違うようにVTuberの人気が高まりを見せたのは、そういう背景も少しはあるのではないかと思っている。

つまり、はなからキャラクターと声優が一体化していることによって、声優に持っていた違和感が解消されたということだ。

もちろん中には中の人的なムーブをする人もいるが、それは表にはほぼ出てこず、絶妙な距離感を保っている。

二大Vtuber事務所となったにじさんじとホロライブは、最初はLive2Dによる配信のみだったが、人気の向上や技術開発などによって、3D配信を行うことも増えていった。

アイドル事務所を目指したホロライブは記念日には必ずといっていいほど3Dライブを開催、最近ではソロライブを行うタレントも増えてきている。

その中でも特にアイドル声優に成り代わっていくと言えるのが、宝鐘マリン、白上フブキの2人である。

宝鐘マリンと白上フブキと、これからのアイドルVtuber。


先程から、特定の人達がアイドル声優に成り代わる、という言い方をしているが、これはあくまで今の話だ。

私は最終的にはアイドル声優的なくくりがそもそも無くなって、アイドルVTuberという新たな活動の仕方が定着すると思っている。

その代表例がこの2人というわけだ。2人の特徴と言えば、まずはその魅力的な声質、そして淀みないトークだ。

2人は、いわゆる声優ラジオのレギュラー番組を3年半もやりながら、徐々にその活動範囲を伸ばしていった。最近はさらに目立った仕事も増えてきた。

今後はこのような、ゲスト声優的な立ち位置の仕事が増えていくと思う。インフルエンサーとしての影響力と、声優としての適性が今認められつつある。

そしてついにテレビのど真ん中で、歌唱を披露する宝鐘マリン。数年前ならこの席は、アイドル声優のものだったのではないか。

船長は旗を揚げ、出航の時を待っている。我々は大船に乗った気持ちで、彼女がお茶の間を冷ますのを見守っていよう。

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