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Radiomics超入門:Local Intensity特徴

概要

中心ボクセルの周囲にある近傍ボクセルの信号強度は、局所の信号強度の特徴を計算するために使用されます。

他の特徴とは異なり、Local intensity 特徴(局所信号強度特徴)は、ROI 信号強度マスク内のボクセルのみで計算されるわけではありません。ROI 信号強度マスク内のボクセルは中心ボクセルとして使用され、その局所の近傍領域は、ROI に関係なく、元のボクセルセットすべてが計算対象になります。

Local intensity 特徴は、3Dボリュームを用いて計算されることが推奨されます。2D の画像スライスごとに計算し、その後に平均化などで特徴を集約するアプローチは推奨されません。

Local intensity peak

Local intensity peak(局所信号強度ピーク)は、もとはSUV(standardised uptake value)を決定する際のばらつきを減らすために考案されたものです [Wahl2009]。これはROI 信号強度マスク内で最大信号強度を持つボクセルを中心とした$${1cm^3}$$の球形ボリューム(ワールド座標)における平均信号強度と定義されています[Frings2014]。

$${F_{loc.peak.local}}$$を計算するために、まず最大信号強度のボクセル中心から半径$${r=(\frac {3} {4 \pi})^{1/3}\approx 0.63 {  } {cm}}$$以内に中心を持つすべてのボクセル(ROI内外すべて)を選択します。DICOMでは$${mm}$$が基本ですので、単位を$${cm}$$から$${mm}$$へ変換して計算する必要があります。

その後、中心ボクセルを含めて、選択されたボクセルの平均信号強度を計算します。ROI 内で最大信号強度を持つボクセルが複数みつかった場合は、これらのボクセルそれぞれについて局所信号強度ピークが計算され、最も高い局所信号強度ピークが選択されます。

Global intensity peak

広汎信号強度ピーク(Global intensity peak)$${F_{loc.peak.global}}$$は、局所信号強度ピークに似た特徴です [Frings2014]。

局所信号強度ピークとは異なり、最大信号強度を持つボクセルの近傍を含めて平均を計算する代わりに、ROI マスク内のすべてのボクセルについて$${1{  }cm^3}$$近傍にあるボクセルの平均信号強度を計算します。そして、その中から最も高い信号強度ピーク値となったものを広汎信号強度ピークとして選択します。

実践

RadiomicsJを用いて、IBSIデジタルファントムでLocal intensity peakとGlobal intensity peakを計算します。

ImagePlus ds_pair[] = TestDataLoader.digital_phantom1();
ImagePlus imp = ds_pair[0];
ImagePlus mask = ds_pair[1];
		
RadiomicsJ.targetLabel = 1;
		
LocalIntensityFeatures f = new LocalIntensityFeatures(imp, mask, RadiomicsJ.targetLabel);
System.out.println(LocalIntensityFeatureType.LocalIntensityPeak +":"+ f.calculate(LocalIntensityFeatureType.LocalIntensityPeak.id()));
System.out.println(LocalIntensityFeatureType.GlobalIntensityPeak +":"+ f.calculate(LocalIntensityFeatureType.GlobalIntensityPeak.id()));
//出力
LocalIntensityPeak:2.6
GlobalIntensityPeak:3.103448275862069

RadiomicsJの引用はこちら

Kobayashi, T. RadiomicsJ: a library to compute radiomic features. Radiol Phys Technol 15, 255–263 (2022). https://doi.org/10.1007/s12194-022-00664-4

RadiomicsJのリンク

https://github.com/tatsunidas/RadiomicsJ


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