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所長コラム⑪「VCラボって何してるの?」に動画で答えてみました

 このところ、「VCラボって具体的に何してるの?」と聞かれることも増えてきました。
 職場のリーダーや管理職に対して、仕事の意味やビジョンの明確化・言語化を支援したり、支援者のスーパービジョンを行っています。
 その取り組みの意味や思いなどを、敢えて口頭にて以下の動画で説明をしてみました。

■動画の概要

 こんにちは、ビジョン・クラフティング研究所 所長の松本です。
 
 ビジョン・クラフティング研究所、略してVCラボと呼んでいますが、「VCラボって何してるの?」と聞かれることがあるので、この場を借りて口頭でVCラボが目指すこと、実際のサービス内容について、言葉にしてお話したいと思います。
 
 VCラボのスタッフは、ジャパンEAPシステムズの相談業務などを兼務で行っているので、正直、ラボの業務は現在、片手間になりがちなのですが、EAPとは一味違う関わりを目指したいと思って2021年に設立しました。
 
 EAPは業務パフォーマンスの向上を目的とするサービスですが、VCラボはより「人材マネジメント」に目を向け、特に人材育成に寄与したいと考え、取り組みを始めています。
 
 このnoteの自己紹介にも記載してありますが、変化が大きく、価値観が多様化する社会動向においては、唯一絶対の「正解」となる人材マネジメントは存在しません。
 
 価値観が多様化するなかで、自分に合わない理念や価値観で仕事をするのは、自分らしさが発揮されず、成果もあげにくいものと思います。かといって、自分の価値観を押しだし過ぎると、同僚や部下の自分らしさが発揮されなくなってしまうかもしれません。
 
 先日、「グループ・ナレーティング」の手法を使ってVCラボのスタッフミーティングを行った際、「自分らしさ」って何なんだろうねっていう話が出ました。
 
 基本的に自分って存在は、自分で誕生させたものではなく、両親によって作られた存在です。自分は自分以外から作られています。つまり、自分とは自分が「自分」だと認識している存在だといえます。「認識」となると、認識する主体と認識される客体に分かれ、認識する側を「主我」、認識される側を「客我」と言ったりします。
 
 ところで、過去の自分は自分でしょうか?20年前の自分は、自分であって自分ではない存在かもしれません。では、10秒前の自分は自分でしょうか?また、未来の自分は自分でしょうか?まだ存在し得ないので、きっと自分ではないと思います。でも10秒先の自分は、自分ではありませんが、でもすぐにやってきます。
 
 自分という存在は、過去と未来のはざまにある「今」にしか存在せず、自分らしさも刻々と変化する「今」にこそ見出されるものです。今の認識主体である「主我」が、何を自分らしさとして認識するのか。変化が激しい時代において、自分らしさを認識するためにには、度々「今」を言語化してみる必要があると思っています。
 
 我々がサポートしたいメインターゲットは、人材育成を役割とする方たちで、特にリーダーやマネージャー、そして事業部人事(Business Partner)、そしてキャリアコンサルタントや産業保健スタッフなどの支援者たちです。マネージャーに対してビジョンの言語化を支援するビジョンクラフティング面談、グループで仕事の意味の言語化を目指すグループナレーティング、そして支援者に対するスーパービジョンの3つがサービスの柱になっています。
 
 人を大事にするとは、まず自分を大事にすること。自分を大事にできない人は、人を大事にできません。例えば、自分で自分のことを信じられないマネージャーが、部下に対して「君を信じてる」って言ったとしても、それって部下を信じていることにはならないはずです。自分の見る目が信じられない訳ですので。
 
 自分がどのような価値観を有し、どのように人を育てていきたいのか。人材育成を役割とする人は、自分の感覚を人に分かるように言語化していく必要があります。今の自分を語る試行錯誤が重要です。ただ、言葉にしづらい、伝わりづらい語りを試行錯誤する機会は、日常のなかで非常に限られると思います。忙しい相手だとじっくり話せません。よく喋る相手だと、話を聴く側に回されたりします。安心できる相手に、ちゃんと時間を取って実施しない限り、実現は困難です。
 
 言葉にならない自らの感覚を言語化していくためには、何より安心して話せる対象が必要です。身構える気持ちや防衛心が強いと、そのままの感覚に目を向けることができません。安心感を踏まえて自分の経験を振り返り、そのなかで自分が大事にしてきたものに気づき、その価値観や感覚を言葉にしていくこと。
 
 この語りや言語化、明確化を支援できたらと思ってVCラボを設立して、少しずつ活動を広げているところです。今後のVCラボにご期待ください。

■所長プロフィール

松本 桂樹(まつもと けいき)
株式会社ジャパンEAPシステムズ 取締役
神奈川大学人間科学部 特任教授

 精神科クリニックにて心理職として勤務後、日本初の外部EAP専門機関であるジャパンEAPシステムズの立ち上げを担う。 現在もEAPコンサルタントとして、勤労者の相談を多く受けている。
 臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント、1級キャリアコンサルティング技能士、日本キャリア・カウンセリング学会認定スーパーバイザーなどの資格を保有。

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