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【焼け石に霧吹き】未来への投資にならないガソリンの補助金いつまでやりますか?

太陽光パネルを7月末に取り付けて経産省の三ヶ月認可待ちでまもなくと期待していたわかてつハーフ実行委員会実行委員長兼事務局長のかきもとです。

先日、木下斉さんとオガールの岡崎さんのVoicyライブに差し入れコメントでこのことに触れたら、ちょうどその日に岡崎さんが半年待ちで認可が下りたと聞いたことで、まだまだ認可が下りそうにないことがわかって失望しております。

V2Hも1年近く納品待ちで納品の見込みが立たないという状況で、こんなのでこの国の脱炭素は大丈夫なのでしょうか?


湯水のごとく使われるガソリン補助金

いつも聞いている建築家の竹内昌義さんのVoicyの昨日(11月4日(土))の回でガソリンの補助金のことについて問題提起をされていました。

ガソリン価格の高騰対策として出されているガソリンの補助金がすでに4兆円を超えているとのこと。単純にガソリンの価格を押し下げているだけで、負担減には役に立っていますが、全く問題解決にはなっていないことを指摘されています。

政府は7日から段階的に対策を始める。基準価格の168円を超える場合、185円までは超過分の30%を補助し、さらに超える分は全額を補助する。全国平均のガソリン価格が180円を超えないようにする。
10月5日以降は185円までの補助率を60%に引き上げ、175円を超えないようにする。エネ庁によると、支援効果が実際の価格に十分反映されるまでに数週間ほどかかるという。補助は年末まで続ける。

この記事にあるように168円を超えた分の60%が、185円以上は全額補助されています。

 経産省は、補助金がない場合、来週は208・1円になると予想。目標とする175円に抑えるため、2~8日の補助金の支給額を33・3円にすると決めた。
 支給額が30円超となるのは9月21日以来7週連続。経産省の試算では10円の支給を1カ月続けるのに1千億円が必要となる。単純計算で、この1カ月半だけで4千億円規模が投じられる。これまでの予算総額は6・2兆円にのぼる。

11月1日の記事には補助金がない場合の価格は200円を超えていて補助金額は33.3円になると書かれています。これまでの予算総額はなんと6.4兆円とのことです!

このガソリン補助金についてどの程度意識されていますか?
普通に生活しているとほとんど意識していないのではないでしょうか?

補助金によってEV移行への適正なモチベーションが醸成されない

ガソリンが高騰すると燃費のいいハイブリッドやPHEV、ガソリン価格と直接連動しないEVを検討する人が増えるのが自然の流れだと思います。今回のようにガソリン価格が高騰していることがわからないような施策を実施していると、その適正な思考の流れを阻害してしまうのではないかと懸念しています。

4〜6兆円ものとんでもない金額を無意識に近い形で溶かすような政策をいつまで続けるのでしょうか?

我らがLDL所長の木下斉さんは「焼け石に霧吹き」と表現されています。全く無意味な補助金ということです。せっかくここまでの巨額な税金を投入するするのであれば、未来を変えるために使っていただきたいです。

次に未来を変えるためのお金の使い方を考えて行きます。

未来を変えるためのお金の使い方①EV/PHEV補助金の増額

 燃費のいいハイブリッドやPHEVを購入することによってガソリン高騰の影響は少なくなりますし、EVを購入することでガソリンなしで済ますことができるようになります。それによってガソリンへの依存を減らすことができて、ガソリン代の高騰の影響を受けにくくなります。
このためにはEV/PHEVの補助金を増額することが効果的と考えます。

このサイトによると、令和5年度の補助金は900億円とのことです。

2023年10月の時点で、国が交付している補助金は、次世代自動車振興センターが執行する「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」の1種類です。
2023年10月の時点では、「令和4年度補正予算」と「令和5年度当初予算」という予算年度に応じた、2つのCEV補助金の公募が一緒に行われています。
2つの補助金の上限額や車両の種類など条件は一緒ですが、予算額が令和4年度補正予算は700億円、令和5年度当初予算は200億円となっています。2023年度については、あわせて900億円の予算が設定されています。

補助金の増額によりEV/PHEVへの乗り換えを加速させることができると考えます。

また、EV/PHEVの普及の足かせになっている充電インフラの構築に投資することもかなり重要と考えます。日本の充電インフラはしょぼすぎてEVに安心して乗り換えることができない状況と言っても過言ではありません。

急速充電網を本気で作っているのはテスラのみの状況です。トヨタのPHEVは高速充電にすら対応していません。EVやPHEVをがんばっている日産、三菱には急速充電網の整備を本気でやってもらいたいです。この高速充電網の整備に国から投資することも絶対に必要です。

未来を変えるためのお金の使い方②太陽光パネル/V2H補助金の増額

 太陽光パネルを設置すると自宅の電気はある程度自給できるようになります。自宅で使わない電気は今は売電するよりエコキュートでお湯を沸かしたり、蓄電して夜使ったり、PHEVやEVを充電することで、実質夜間電力よりも安く電気を使うことができます。

このサイトによると現在の売電価格は10kW未満でkWhあたり16円です。

◆ 2023年度(令和5年度)の売電価格
 ● 10kW未満:16円/kWh(税込み)
 ● 10~50kW未満:10円/kWh(税抜き)
 ● 50~250kW未満:9.5円/kWh(税抜き)

うちのオール電化での深夜電力の価格が30円/kWhですので、売電するよりも自家使用した方がかなりお得です。最近は「おひさまエコキュート」という昼間の余剰電力でお湯を沸かすものもあるようです。昼間家に置いておける車があるのであれば、V2Hを設置することで、昼間に発電した電気でEV/PHEVに充電して、夜にためた電力を利用したり、EV/PHEVでの走行に使ったりすることができます。

このサイトに書かれているように、太陽光発電単独での国の補助金は今はありません。東京都では以下のような補助金があります。

東京都では、2021年度まで蓄電池を導入する場合に限り利用が出来た自家消費プランから、2022年度以降は新たに太陽光発電設備を蓄電池とセットで新規に設置する場合でも補助金の利用が可能となる【災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業】 を開始しています。

補助金額
新築住宅
【3kW以下の場合】…12万円/kW(上限36万円) 
【3kWを超える場合】…10万円/kW(50kW未満)
 ただし、3kWを超え3.6kW未満の場合は一律36万円
既存住宅
【3kW以下の場合】…15万円/kW(上限45万円)
【3kWを超える場合】…12万円/kW((50kW未満)
 ただし、3kWを超え3.75kW未満の場合は一律45万円

V2Hに対しては国や地方自治体の補助金がありますが、金額が少なく取り合いになっている状況です。またV2Hの設備の生産が少なすぎて納期がかなりかかっており設備自体も取り合いになっている状況です。

太陽光発電やV2Hの補助金を再検討することで、メーカーの生産量の増加を促して普及を加速することが大事だと考えます。

未来を変えるためのお金の使い方③断熱内窓補助金もお忘れなく

エネルギーの自給のためには断熱リフォームの普及による省エネの促進も重要です。今後建築される公共施設の高気密高断熱化も進めていく必要があります。

ガソリンからズレてきたのでここまでにしますが非常に重要なことですのでお忘れなく。

まとめ

ガソリンの補助金には4〜6億というとんでもない額が使われています。それはただただ赤字補填のような感じで使われているだけで、未来への投資としての効果は全く期待できません。

私はまちづくりなどへの補助金は肯定するものではありませんが、大きな力を使って未来を変えていくために正しく補助金を活用していくことは必要と考えています。だからこそ、このガソリンの補助金の使い方には本当に残念に思っています。

こんな時だからこそ、脱炭素、エネルギー自給率UPにつながるEV/PHEV、太陽光発電/V2H、断熱内窓リフォームへの補助金を増やすことを考えて欲しいです。

国の安全保障において最重要なのがエネルギーです。第二次世界大戦もエネルギー問題が原因で起こったと言われています。日本にエネルギーがないというのは昔の常識です。再生可能エネルギーでかなりのところまでいけますし、それ以上は最新の技術で安全性を確保した上で原子力を最低限使用するなどで自給率をたか盛ることができると思います。

もう先延ばしはできません。まずは未来のためにならないお金を未来のために使うことから始めましょう。みんなの声で未来を変えていきましょう!

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