関涼子

お仕事でゲームシナリオ、CD脚本、ノベルなど書いてます(お仕事履歴等はこちら→ http://vitalage.jp/) しばらくは過去書いたSS的なものがメインです。

6clock再録更新終了しました

先週、すべての更新を終了しました。
毎週ご覧いただいてありがとうございました。

想像していたよりもずっとたくさんの反応をいただいて、わたしもほづみも本当に嬉しかったです。

また、想定を超えたご支援をいただいてしまったので、お約束通り、美味しいご飯を食べてきました!

今日はそのご報告です。と、その前に……

時枝くんアクキーです。
ほづみさんが個人的に作ってくれました(全世界2個限定)。

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03月14日~二見馨

わかってる、と俺は心の中で呟いた。
(わかってる。この不肖二見馨、わかってますともそんなことは)
 なのに、吐く息がいちいちため息になるから忌々しい。
「おはよう、時枝」
 手を上げて、俺はいつもと変わらない調子でそう言った。……いや、いつもと変わらない調子で聞こえるように、と言った方が正しい。
「ああ」
 ちらりとこちらを見ると、いつもと変わらない調子で彼──時枝昌悟は軽く会釈して自分の席に着く

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02月14日~叶東海

息せき切って理科室へ駆けつけた俺は、呼気も整わないまま冷えた廊下に立ち尽くした。
「何やってんだ、あのひと」
 思わず、声に出して呟いてしまった。
 目の前の扉には手作りらしい札がぶら下がっている。大きく「重要実験中につき立ち入り禁止」と書かれた、段ボールの切れ端にたこ糸を通して画鋲で吊るした簡単な代物だ。中は黒いカーテンがすき間なく閉められていて、様子がうかがい知れない。
「……叶先生?」
 中

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01月01日~帯刃肇

空が白んできて、社務所が少しばかりひっそりとしていることに気づいた。
(……もう朝か)
 気づいたら無意識に目を擦っていた。さすがに頭がくらりとする。庭を掃く箒を止め、うまく動かない頭で考え、指折り数えてみた。かれこれもう三日ほど寝ていない計算だ……と思う。
(ときどき眠れないのが一番きついのかもしれないな、この家業は)
 こきり、と首の付け根が鳴るのを聞きながらぼんやり考えた。
 大晦日に正月と

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12月31日~大塚朋臣

俺は鉛筆を握る手を止めて、何とはなしに窓の外を眺めた。
(なんか、遅いな)
 さっきから、まるで全然時間が進んでいないような気がする。手許のスケッチブックもまだ殆ど線が引かれていなかった。
 今日は大晦日、いわゆる年の瀬だ。
 「今年」と「来年」の端境には、特別の気配があるように思う。毎年、この日この時刻だけは町全体がしんと息を詰め、幽かな身じろぎを見守るような、抑えた息づかいに変わってゆく。
 

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