あの夏の約束を

2015年 8月2日、今でも忘れられない"あの夏"がはじまった日。
私はたぶん、あの夏があったから今もあの頃と同じ気持ちでここにいるんだと思う。

その日は菊池風磨くんの初ソロコンサートの、初日だった。当時はソロコンなんて1年限りかもしれないと思っていたので、最初で最後のソロコンを一瞬も見逃したくない。そんな思いで、毎日狂ったようにTDCの地下に通った。

どんな世界を見せてくれるんだろう…想像のできないステージに会場全体がドキドキの中、初日の幕が上がった。今まで見たことのないほど緊張した顔でステージに現れる風磨くん。会場の盛り上がりを見て、ふわっと安堵するように優しく笑った顔が今でも忘れられない。その瞬間、照明が落ちて今回のソロライブについてくれるバックのメンバーの紹介が始まった。するとそこにはパンフレットにはのっていないメンバーの顔があった。予想外のキャストに驚くように上がる黄色い歓声。それを浴びていたのが、田中樹くんだった。
樹くんは、元々参加予定だった増田良くんというJrの子が怪我をしてしまったため、公演2週間前に急遽風磨くんから直談判され出演が決まったらしい。樹くんも他の公演もあってかなり忙しいスケジュールの中、”風磨のソロコンに出たいと思っていたから嬉しい”と出演を快諾してくれたと後に公演のMCで話をしていた。2週間前に決まったとは思えないほどの出番の多さと、メンバーや会場を盛り上げてくれる存在感。元々の本人の人柄もあるだろうけど、遅れて入った自分のせいで足を引っ張らないように、2週間という時間の中でライブのパフォーマンスを完璧に覚えてくれた彼の努力と、そこまでしてやりたいとお互いに思い合えるふまじゅりの絆に、私は当時とても感動した。

そして翌年の2016年、2年目のソロコン「風 are you?」が決まった。1年目とは顔ぶれがガラッと変わった出演メンバーの中に、樹くんの名前があった。

「樹は、今回のライブをやるって決まった時に、一応前回のメンバー(風 is a doll?公演のメンバー)全員に話したんですよ。今回またソロやることになったって。Love-tuneはLove-tuneというグループもできて。SixTONESはSixTONESでグループもあるし。僕の中でもどうなんだろう…って迷ってたんですけど。でも…樹だけはビシっと『俺はどんな形でもお前とのステージに立ちたい』って言ってくれて…泣。\風磨頑張れー(会場の声)/…嬉しかったっすね。泣」

風磨くんはオーラス公演で、泣くのを堪えながらこんな話をしていた。
1年目のソロコンが本当に宝物のような夏だったからこそ、風磨くんも樹くんもお互いに思うことがあったんだろうなとこの言葉を改めて思い出しながら思う。当時風磨くんもどこか遠慮して自分のソロコンに「出て欲しい」と言いたくても言えなかったのかもしれないし…だからこそ『俺はどんな形でもお前とのステージに立ちたい』っていう樹くんの言葉はとっても嬉しかったんだろう。

そして翌年の2017年、3度目の夏。「風 is I ?」公演が決まった。
3年間続いてきたソロコン三部作の最終章。そのステージには当たり前のように樹くんの姿があった。この年は”SixTONES”のメンバー6人が風磨くんのソロコンにサポートメンバーとしてついてくれていた。

この公演のオーラスでは、SixTONESの6人から風磨くんにお手紙が届くサプライズがあって。その手紙の最後にあった樹くんの言葉を、風磨くんは会場に背を向けて、泣きながら…噛みしめるように読み上げてたんだけど。

「もう後悔はないか?最高の夏になったか?俺は最高の5日間を過ごしたよ。出会って10年目のお前に今更言うことは特にない。だから感謝だけ伝える。俺にステージを与えてくれて、ありがとう。これからも可能な限りお前のステージ、立ちつづけるよ。ヤーマン! by 樹」

そして風磨くんは、この手紙を読んですぐに、こんなことを言った。

「アイツ、強そうに見えて本当弱いんすよ…だから俺がライブ呼んでやんないとな…」

すごく優しい声だったのを今でも覚えてる。

当時、樹くんはお兄さんのことで色々あった時期で…すごく本人も今後のことやグループへの影響等も考えて苦しい思いをしていたんじゃないかと思うんだけど…だからこそ、このやりとりに私はグッときてしまって。。

これは当時の私の勝手な解釈なんですけど、
「これからも可能な限りお前のステージ、立ちつづけるよ。」
「俺がライブ呼んでやんないとな」は、
二人にとって”これからもステージで会い続けよう”って約束のように感じて。泣

当時はSixTONESというグループは結成されていたものの、まだ樹くんはデビュー前のジャニーズJrで。今でこそ考えられないけど、あの頃はSixTONESがデビューが出来るのかどうかも分からなかったし…二人の未来がどうなるか、またいつか同じステージに立つ二人を見れるのか…誰も予想できなかったから。
またいつか、肩を並べて笑い合う姿が見れたらいいなと願うしかできなかった。それが、2017の夏のふまじゅり。


そして2021年 9月、二人は再び同じステージに立つことになりました。
ジャニーズの伝統舞台 "DREAM BOYS” のメインキャストの2人として。
「可能な限りお前とのステージ立ち続けるよ」「俺がライブ呼んでやんないとな」と言っていた二人が、この秋、肩を並べて立つステージは、あの”帝国劇場”。まさかの、ふまじゅりで、帝劇に立つんです。


2016年、「風 are you? 」公演の中でふまじゅりは、嵐のALL or NOTHINGを二人で披露してるんだけど、その冒頭と終わりにこんな風に歌詞を変えて彼らは歌っていて。

王道のジャニーズっぽくないキャラクターの同期コンビの二人が。
ジャニーさんに「Youと菊池は不良だから勝利と遊ばないでよ」と言わせた二人が。

そんな彼らが、本当にジャニーズ代表として帝国劇場に立つ日が来たよ…
FJ(ふまじゅり) is in da house(帝劇) yo 〜🤟だよ〜〜❗️泣



あの夏の約束を、あれから5年後の秋に思い出せる日が来そうです。

あの時よりも、もっと確かで鮮やかな未来を夢見ながら。

二人の約束のステージが、"可能な限り"いつまでも、沢山の愛の光に包まれながら続いていくことを、あの夏からずーっと、これからもずーっと、願っています。


最後まで無事にステージの幕が上がりますように
二人にしか出来ない、最高のDREAM BOYSを見せてね。


びび