その時なにを纏っていたか〜デリプラ武道館〜


LIVE ARCHIVE BOX vol.2 の感想に、ヲタクとして思い溜めてきたことを織り交ぜてお送りしております

▼ vol.2 (3枚組)の全体的な感想はこちら
AXS今昔〜ブルーレイvol.2感想みたいなもの 
▼ DISC 2 に特化した感想はこちら
真・AXS三部作 そして我が今世紀最大の発見 〜アリーナ&ビデコン

今回は、ヒロも見まくってるというDISC 3。ブルーレイオンリーの収録作、access Live in Budokan SYNC ACROSS JAPAN TOUR '94 DELICATE PLANET つまり デリプラ武道館のお話を。


幻、ついにこの手に

デリプラ武道館。それはリアルタイム当時一度BSで放送されたもので、公式に販売された映像作品ではありませんでした。当時のヲタクなお子様にとって永遠の幻であり憧れであり夢であったわけです。個人的なデリプラ武道館体験は、録画の録画を友達の家で見たぐらいの感じで夢?念写?みたいな画質だったと思われます。

噂にきくところ、そこではSILVER HEARTが踊られており、DAのいかついソロコーナーがあり、ヒロの衣裳がピチピチしていてDRASTIC MERMAIDが新曲であるという。いやぁこればっかりは、永遠にこの目ではっきりと見ることはないと思ってたね。ありがとうARCHIVE BOX様。本当にありがとう

デリプラ武道館を生まれて初めて鮮明に体験した感想としては、

accessが若い。
いや、当たり前だと思うでしょ。違うのよ。

一期のaccessはだいたい25歳前後で、今の俺から見ればうんと若いんですが、ただあの頃の自分自身からすればお兄さんなんですよ。最初にもっと若い自分がもう映像を見てしまってよく知っているaccess、記憶の中にすでにいるaccess、たとえばセカンドやアリーナスタイルのaccessに対しては、なぜか今このトシになって見返しても「若いなぁ〜」と思わないんです。三つ子の魂百まででしょうか。

それが、初めてはっきり見ると言っていい武道館のaccessに対しては素直に「若いなぁ」と思った。accessのことを、この人達は年下だ!自分がずっと前に経由してきた地点の年齢の人だ!と認識するなんて、生まれて初めての不思議な経験でした。自分より若くて見たことのないaccessを知るなんて、ありえるはずのないタイムパラドックスみたいなことが起こり得る。生きてるっておもしろいですね

そう多くはないんだけど、大介の幼さみたいなのがまだあるんですよね。
セカンドにもFASTにもあったんでしょうけども、前述のとおり子供の頃に知ってしまっているので今更、若いのにようガンバっとるなぁ的なオカンじみた感想が出てきません。
ところが STAY MY LOVEの横顔を見た瞬間。大介少年のピアノの発表会を見守る親戚のような気持ちがビビッと走り抜けた。こんな感情生まれて初めてで戸惑って、見ながら突如ひとりで立ち上がったんだよ俺。STAY MY LOVEなのに。Virgin Emotionなんよ。STAY MY LOVEなのに。知らなかった清楚で可憐で愛おしい大介に時を超えて出会ってしまった。まじディスエリア イズ デンジャーフォーユー

あとMCというか、間の短いおしゃべりコーナーも若い。ヒロの話し方はTHE一期だし、大介も大介で、「前回の武道館から今日で305日」みたいな、いかにも理系マシン的発言をクールに決めたりしている。今だったらこのくだりに到達するだけで軽く10分は使うであろう

アラフォーの脳の不思議体験みたいなことはこのへんにして、武道館はデリプラツアーの一部であって、アリーナスタイルとはまったく違う趣です。アリーナスタイルの映像は、もはやaccessという概念そのものが衣裳を着てライブしているレベル。計算され完成された、accessの世界においてもオンリーワンな存在。脱皮しきってる。むけにむけまくってる。抜け殻さえも残さない。その手前の武道館は、それよりもう少しまだ人間味が強いというか、これまでのaccessらしさも多分に感じられて、純粋に楽しいライブショーでした。

コンパクトな収録内容ながらデリプラのコンセプチュアルな雰囲気をよく閉じ込めたナイスディスク、デリプラというアルバムを愛する者の宝、それがついに永遠の幻ではなくなった DISC 3 デリプラ武道館であります。

accessの衣裳を知ってるかい

突然ですが、あなたの好きなaccessの衣裳はなんですか?
一期だと対になったデザインのものばかりなので、ヒロと大ちゃんの衣裳がセットで思い浮かぶという方も多いのではないでしょうか。

デリプラの衣裳に関して言えば、色違い含め4パターンのうち、前回の三部作記事でも言及したとおり、俺はマジでピンクのリボン介が好きすぎるので、これがやっぱりナンバーワンとなる。あと最後のステンドグラスみたいなシャツか、デリプラ衣裳といえばだいたいこの2つがまっさきに出てくるのではないかしら。少なくとも俺はそうだったんだけど、今回のブルーレイを見てめちゃくちゃ印象変わったのが、そう、
間に挟まれた電話線っぽいあれ。赤と青のあれだ

STONED MERGEからSILVER HEARTまでの動きのあるダイナミックなコーナーに、なんとパーフェクトなことか!

ヒロはまるで華やかな熱帯魚のように、ひらひらとステージを好き放題に泳ぎ回る。わずかな背中の切れ目はのぞき窓のように誰もを誘惑し、足回りのツヤまでもが魅惑的なこと。
そして大介の細い体に完璧フィットした生地、知的でサイバーチックなデザイン。あの衣装でソロコーナー その名もDELICATE PLANETときたもんだ。音で人類の未来をつかさどるうら若き神のご登場だ。サイバー神話から出てきた方ですね。ねぇいつのまに地球に来たん?デリケートな惑星に思いを馳せずにいったい誰がいられるだろうか。
さらには静と動を表すかのように、赤と青がヒロと大介にこれまでとは逆に割当られている。完璧ってこのことじゃないですか。

ただ単にデザイン的にSYNCしている、もしくは大ちゃんかわいいから赤とかピンク、のレベルを完全に、コンセプトを持って脱却したのがこの衣裳なんじゃないですかね。

衣裳が描き出してくれるもの

accessに、おそろいの、対になっている衣裳を着てほしい、と願うのは、単体でもすばらしい衣裳がSYNCすることで、ふたりの持つストーリー性をもり立てて補完し、引き立ててくれるからなんだと思う。それぞれがそれぞれにカッコいい衣裳を着てくれているだけでも十分だとしても、やはりaccessにはふたりが引き合ったときにだけそこに生まれる何かしら特別な磁場を、見える形でもまとっていて欲しいものなのだ。

アリーナスタイルのド頭の衣裳がこれほどに胸を締め付けるのは、やっぱり白黒でめちゃくちゃかっこいいデザインだから、おそろいだから、というだけじゃない。浮世から切り離したような、まるで彼らがパラレルワールドからやってきたような世界線を、今までのaccessとは違うぞ、と感じさせるなにかを、なんとはなしにそこに見出していないだろうか。具体的なストーリーにはなっていないとしても。
accessがアリーナスタイルを表現するにあたって、単に色違いの似たデザインとかキラキラしてるとか、そういう要素だけでは足りないし、あのアリーナスタイルにならなかったことは明白だ。

accessという存在が内包するストーリー性は、自然とこちらの想像力を喚起する。何を着てたって結局好きなんだとしても、彼らが何かを語りかけるような特別な衣裳を纏ってステージに現れること、そのこと自体がもう、一度きりのショーが始まる前からaccessしかいない魔法の世界へと俺を引き込み、胸を波立たせ熱くする。

もちろん、衣裳にコンセプトがないといやだ、オソロじゃないとやだと言いたいのではなくて、俺は全然ヒロとマッチしてない衣裳もトンチキな衣裳の大介もすぐにせっかくの衣裳を脱ぐ大介も、そして首までぴっちりつまったシャツもそうでないシャツも、これでもかというほどに大好きですのでご心配なさらず

あと、プロによって考え抜かれた素敵なものが思うつぼに似合っている姿を見るのって、シンプルに最高に気持ちいいよね。こんなひらひらが似合うと思ってつけてくれたんだな〜!そうそう弾くときにここが揺れるのが美しいんだよ〜わかってる〜!って嬉しくなるじゃん。accessの魅力について考え抜かれた結晶なわけじゃん。誰かがaccessのいいところをめっちゃ考えてくれてる、それを目の当たりにするひとつの形が衣裳であるわけです。衣裳は愛でできてる。


記憶に残る大好きな衣裳がたくさんある。それはたぶんaccessを見てたくさんのことを感じ、想像し、想いを追い求めたことの証になる。

あなたの好きな衣裳は、なんですか?



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