ライブ行けない問題のその先へ〜せつなさをその答えで振りほどいて そしてEN22感想

はじめに

コロナの流行でライブが中止になったり延期になったり、遠征どころか近所のライブにさえ行くことが難しくなって、はや2年以上。
海外在住の自分は愛するDAのライブに行けない日々が長く続いた。

そして少しずつ世界の状況が変わり、最後にaccessにアクセスしてから、2年4ヶ月が経ったとき。とうとうELECTRIC NIGHT 2022の初日に参加、長いトンネルを脱出することができた。
この記事は、前半はライブ自体の感想と、後半は長い時間を経てライブ行けない問題を乗り越えた自分へのお疲れちゃんトークのようなもんである。
※ネタバレ含みます

ELECTRIC NIGHT 2022 初日の感想

驚きのセトリ

正直2年ぶりなんで、何が来てもこの曲久しぶりサイコーとなるのは想定してたけど、それをさらに上回る予想外さだった。9割予想外だったかも。

ムンシャイは50万回ぐらいライブで聴いたが、まぁムンシャイだからね、絶対入るんだろうねぐらいの気持ちでいたが、そこをカットしてきた。
DAがツアー前に、30周年だから新旧の曲をとりまぜ的なことを言っていたけども、その上で代表曲ムンシャイを初日にやらないというのはなんかしら思惑がありそう。

思惑といえばアンコールのラストが DRASTIC MERMAIDだったのも意外だった。
だって、ドラマメって、なにかが始まる曲だもの。夏はもう終わるのに、恋が始まっちゃうときの歌だもの。それをラストに持ってくるこの匂わせ感ったらなんだ、めちゃくちゃ今後が楽しみじゃないか。

過去の曲といえば、デビュー曲ではなくカップリングの Be NUDEをチョイスするのも、ファンとのつながりや約束を大事にしてくれるAXSらしさ。

バラードが多めなのも春の固定概念を裏切る、聴かせる30th AXSの嬉しいサプライズ。

まだ初日なのでこれからどうなるのかまったく読めないけど、「30周年ツアーの初日」としてはかなり、びっくり&嬉しさ爆弾のオンパレードだったんではないでしょうか。

座って楽しむスタイルを前提にした、ノリやすくて心地よいダンスアレンジと原曲のバランスもほどよく、聴かせる美しいバラードも織り交ぜ、本当に楽しく、めくるめくあっというまの時間を楽しませていただきました。

ルックスが最高すぎる

やっぱさ〜 DAには白だよ〜!特許取ってもう〜!

登場から光り輝いて見えた、魔法使い的なひらひらのロングシャツ?シャツワンピ?サラリとしたテクスチャの清潔な白。そしてシックでアンニュイな女優帽は、こっくりとした白。期待を裏切らないメタリック短パン+ハイファッションみ激強なギャルソンのタイツ。この世の服を端から端まですべて着こなすDA。最高。

帽子からのぞくおろし金のごときザックザクの刈り上げも愛しい。一生耳の前んとこ刈り上げにしていただきたいぐらい好き。前髪も長過ぎないのでちゃんとおめめや表情が客席から見える。最高。

そしてお顔がいい、とてつもなくいい。

DAのメイクは数年前までけっこうカラーで押してくるケースが多かったように思うんです。アイシャドウとチークとリップ、ときにはカラーマスカラ、全部色を強めに主張していて、全顔でメイクが映えておりま〜す!っていうお顔だった。

ただこの2,3年でしょうか、齢50を越えられてからでしょうか。色とりどりというよりは陰影とか質感、光で魅せるメイクにシフトした感じがする。
健康的な食生活で顔立ちもシュッと大人っぽく(大人だ)、フクフクしてたのがよけいなものを削ぎ落としたようにソリッドで美しくなり、派手やかに飾り立てずともただ光らせるだけで十分と気づいたのかもしれん。

瞳も彩度低めの青で、シルバーのよなペイルブルーのよな。ていうか、DAの瞳ってなぜかいつもハイライトがすごい入ってる。ラメひいてるという意味ではない。文字通りライトだ。光が目に集まりまくってくんだよね。
あのお歳であんなに目が曇ってなくてキラッキラナチュラルに輝いてるって天使じゃなきゃなんなん?白目までかわいいとなれば天使確定では?

とにかく、白い衣装に光のベールをさらりとひいたような貴い質感のお肌、光るうす青い瞳と髪の毛、眉と目のバランスとかがもう、マッチしすぎてこの世のものと思えない。好き。

そんでそんな完璧エンジェル光の権化だったら、無機質なこわいひとかと思っちゃうじゃない?違うじゃないですか〜!!!めっちゃ笑顔惜しみないじゃないですか〜!!!!
わかってるはずなのに久しぶりに見るDAがまじで神々し美しすぎて、笑顔はかわいすぎて、ギャップがこれでもかと押し寄せてきて黙って耐えるのがつらかった。

我が推し神は、衰えるということをまったく知らぬ。

泣いてる場合じゃない楽しさ

2年ぶりだから泣いちゃうんじゃないのって周りからも言われたし、自分でも心配だったが、結果として、泣いてる暇がないぐらい楽しかった。泣いてたら美しいDAが見えなくなるし。

セトリに織られた30thへの感謝とかファンへの愛とかそういう感じのありがたい思いが伝わってきて、そりゃジーンとしたさ。だけどシクシク泣くって感じじゃなかった。

ジーンとするけど、メイク落ちの心配せずに、ガンガン心から楽しんで、思い出は笑顔で持って帰れる。それが俺の大好きなAXSのやり方。

新曲が尊い

そもそも、初日は当初行く予定にしてなかったんだけど、新曲が出るっていうから急いで手配して急遽参戦したんですが。来てよかったよ!

まだβ版とのことで音もこれからどんどん広がっていきそうな気配です。

あえて分類するなら、Stand Byから始まって Grateful Circle, Knock Beautiful Smileあたりの、愛が地球規模の、神々しいさえある、最近のAXSのひとつの持ち味であるハッピーな美しさ。
派手派手じゃないのに壮大な、唯一無二のスケール感。天までキーンと突き抜けるいかにもEDMっぽい強さとも違う芯の強さ。
そしてAXSならではの押し付けない品の良さは、たぶんヒロの慈しむ声と歌詞からもあふれている。

30周年の記念になる曲がこんなヘブンリーな幸せ曲であること、嬉しいですね。

ライブに行けるようになって、その後

DISTANCE〜求め合うにはめっちゃ遠すぎるけどそれもいいじゃない〜

確かに、俺の住んでいるニューヨークは物理では地球の真裏なんだけど、コロナ前は行こうと思えば行けたわけだし、個人的にそんなに遠くて大変とは思っていなかった。飛行機に乗ってる時間こそ俺は長いが、日本にだって乗り換えや時刻表の都合で遠征が大変な人はたくさんいる、そう思っていた。

それが思うように遠征できなくなって、"遠さ"が胸につらくしみるようになってしまった。それが一番気持ちがくじかれそうになったポイントだった気がする。
俺は、国境を挟んだ、日本とはなにもかもが違う、遠く離れた、簡単には繋がり合えないところに本当はいたんだ。これまで勘違いしてたのかもしれないって。

だけどこうして、また日本になんとか戻れるようになってみれば、その遠さが改めて、愛しいDAに会いに行くための準備をさせてくれる嬉しいディスタンスと感じられるようになってきた。

遠くから会いに行くことが愛かどうかはわからないけど、ぼーっと14時間飛行機に乗っているだけだとしても、時差を越えて朝と夜をナンダカンダしながらたどりつくわけで、その普遍的現象が呼び起こす、今会いに向かってんぞ、という気合と特別イベント感、それを改めてエンジョイできる体に戻れた気がしている。

BLACK OR WHITE OR どっちかじゃなくていい

会えないときに、曲を聴いたり情報を得たりすることが負担に感じることも間違いなくあった。それを、なんてことを考えているんだ俺は!ヲタク失格〜!と自分で責める期間もわりと長かった。
が、ヲタクである前に人間なんだっていう、ただそれだけのことだった。

結果だけがすべてと笑えたらそれでいい、んである。
会えたときに、ようやく会えたよ嬉しいよ、全力でそう思えたんだからもうそれでいい。会えない間につらかったとか、距離を感じてしまったとか、葛藤があったとか、そういうのはもういいかなって、単純なのですでにだいたい忘れているんだけど。

俺の大好きなDAは、四六時中どこにいたって何をしてたって100%ヲタクでいないと許さないなんて、そんなケチじゃないっしょ。と勝手に自分をゆるす。

すこやかな気持ちで、すこやかに愛したい。

Fly to the Moon

ていうか逆に、四六時中DAのことだけを考えてると愛を押し付け、他の何にも興味を持たず、なにからなにまでDAにこじつけてDAに転嫁する、そんな一方通行で非現実的な強火すぎる愛し方は、きっとDAに限らず、誰のことをもつらく不愉快にさせるように思う。
ヲタクの愛だろうがリアルの愛だろうが同じだ。第一そんなやつはおもんない。

だけど俺は、正直なところ思ってしまった。
久しぶりに目の前に現れてくれた、光る月のようなDAの姿を見て、俺はやっぱりこの人のために生きているんだと。
どこの誰だなんてご存知なくてもそれでいい、あなた様には人生をかけて愛を捧げたがってるヲタクが間違いなくいます、ってことを俺の生きる意味に多少でもできるならそれほど嬉しいことはないと。

優しいDAはもしかしたら喜ばないかもしれないと思う。ヲタクが、あなたのために生きてます、あなたを愛することに人生かけてますなんて言っちゃうと。
人が人に対してそんな思いを堂々と抱くことは、どれだけDAが懐深く思いやりと責任感のあるアーティストであっても、正しくないのかもしれない。

それでもやっぱり、2年4ヶ月ぶりに感じたDAは、俺にとってすべてを包む、すべてを超える、マジで愛しい光でしかなかった。
会えない時間もなんも吹き飛ばして、ここに戻ってきたのは、DAに会いたかったからに他ならない。そんな揺るぎない存在を好きでいられることを、やっぱり俺は感謝しているし、奇跡だと思っている。
この思いをあしらったりないがしろにすることはできない。そう改めて強く思ったのだ。

なのでこれからも、人生かけがちな重いヲタクとして、この愛を偽らずに生きていこうと思ってます。

いや重すぎて自分の愛が手に負えなくて、考えるのがつらくなるんじゃねえの?と思った方、どうか黙っていてあげてください。本人も承知の上でございます。チャンチャン。

というわけで、また来月。無事にお会いできますことを。

強くつなぎとめられたい
永遠に迷わずにいれるものに

Fly to the Sun / 木村由姫

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