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アフターコロナの就活(1)日目

 仕事を失って得るものがある。
 一つは前職からの解放。決して嫌な仕事ではなかったが、これが永久に続くのもどうだろうか、というような感情があったとしてもオサラバできる。
 もう一つは、前職(あるいは過去の職場)で何を得たのか、就活中に整理できる。今日はそれを記事にしたい。

 ところで就活とはオーディションに他ならない。(上記の画像はこのページより拝借させていただいた。) 例えば俳優やモデルのオーディションは、実際のところは俳優やモデルの就活における面接である。
 ただオーディションと自分の就活が異なるのは、競争相手が誰だか分からないところ。当然、競争相手をどう負かしてやろうか、というような対策もたてようがない。(俳優やモデルのオーディションにそういった対策があるのかは定かではないが。)面接前には「自分が伝えた方がいいと思うこと」をただ準備しておくだけである。

 さて、逆に今まで働いた会社にオーディションのごとく点数をつけてみたら何か分かるだろうか。過去10年間(2010-2020年)に自分が在籍していた会社について以下の観点から整理してみたい。(★4つが最高。)

- ネームバリュー
- 働いている人たちの経歴
- 仕事の環境
- 会社のリソース(トレーニングやレクリエーション)

多方面への影響も考えて、社名は伏せる。(仮にスキが100回いただけるようなことがあれば社名を敢えて公表するかもしれないが...。)

A社(在籍期間: 4年間)

 ネームバリュー★★ ケーブルテレビ会社が所有するコンテンツ制作会社ということで名前は一般的に知られているが、業界の中ではあまり高くない。
 働いている人たちの経歴★★★ 今考えると(ここが重要で自分が働いている時には分からないことも多い)それなりに実力のある人が働いていたので、今の業界でもまだ名前のある人がいた。
 仕事の環境★★ 通勤には便利だったが、地下にある自分の部屋はあまり好きでなかった。2階のミーティングルームは良かった。
 会社のリソース★★★ 数は多くなかったが、アート系のトレーニングには積極的に参加した。パーティなどもそれなりに行われた。
 結論 ★★1/2 自分が辞めた半年後に経営陣が変わったことも含めて、今思えば貴重な経験だった。4年前に破綻して他社に吸収合併された。

B社(在籍期間: 1年間)

 ネームバリュー★★ 新しいスタジオだったので、名前というよりも創業者はよく知られていた。ただし自分が勤務してから一年で閉鎖されたので、結果としてそれほど知られていない。
 働いている人たちの経歴★★ 今思うと地元の人たち中心だった。
 仕事の環境★★★★ 雰囲気が良く、長期労働でもケータリングが充実していたのが救いだった。
 会社のリソース★★ 最後の打ち上げは未だかつて経験したものがないぐらいであった。ソレ以外は...。
 結論: ★★1/2 とても良い環境でもっと続けたかったが、会社の方が長続きせず。環境の充実ぶりは裏返せば経営上の問題となり得る。

C社(在籍期間: 8ヶ月)

 ネームバリュー★★★ 業界大手が満を持して開いたという売り文句で、自分もそこに惹かれた。入社数ヶ月前に上場したばかりであった。
 働いている人たちの経歴★★ 名前に反して思ったほど人材が集められなかったことがネックになったが、本社との交流があったのが救い。
 仕事の環境 ★★ 施設は良かったが、周りに何もないのが退屈だった。
 会社のリソース★★ 新しい会社だったせいで、最初の研修以外は目立ったものもなかった。
 結論: ★★ 残念ながら経営ミスによって、すぐに立ち行かなくなってしまった。もう少し続いていたらどうだったか見てみたかった。

D社(在籍期間: 2年5ヶ月)

 ネームバリュー★1/2 中堅ということで業界内で名前が知られてはいた。ここから大手に転職する同僚も多かった。
 働いている人たちの経歴★★ 将来は外で活躍する人が多い一方で、外で活躍してから来る人もわずかながらいた。
 仕事の環境 ★★ 可もなく不可もなし。自分が在籍していた間は人が増えた時期で雰囲気は良かった。
 会社のリソース★ あまり社内での行事といったものはなく、盛り上がらなかった。
 結論:★1/2 自分が入社したタイミングは良かったが、残念ながら2年で下り坂へ。自分もレイオフを余儀なくされた。会社は危機を乗り越えて継続している模様。

E社(在籍期間:  3年3ヶ月)

 ネームバリュー★★ この会社も業界内では大手だったが、自分の部署はまだこれからというところだった。
 働いている人たちの経歴★★ 一緒に働いた人たちは経験もあって自分にとってはプラスだった。
 仕事の環境 ★★ それほど広いオフィスではなかったが、特に不満もなく通勤には便利だった。
 会社のリソース★★★ 社外のトレーニングが受けられたことによって、その後の方向性を考えるのに役に立った。また年末のパーティも良かった(その一方で毎年予算は目に見えて削られていった)。
 結論: ★★ 今住んでいるところに住めるようになったのはこの会社のおかげであり、3年間はあっという間だったものの、その分集中できたと言える。

F社(在籍期間: 1年間)

 ネームバリュー★★★★ 業界外でも名前が知られている会社。
 働いている人たちの経歴★★★★ この道何十年という経歴の人がかなりいたので話を聞くだけでもためになった。
 仕事の環境 ★★★★ 広いキャンパスと食堂は「ここに勝るところナシ」と訪問した人がみんな言っていた。自分も完全に同意。
 会社のリソース ★★★★ 数多くのトレーニングと社内イベントは他の追随を許さない優れたものだった。
 結論: 満点 1年だけとはいえキャリアの中ではターニングポイントとなる素晴らしい機会だった。

さらに結論 多くの会社の浮き沈みを見てきたせいで、仮に満点と思える場所にいても、それが長続きしない場合もある(というか全ての場合がそうだった)。この10年で「やめどき」を嗅ぎ分ける嗅覚と決断力は養われた。

第(2)日目に続く。

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