ミリアニ第3幕を「もう一度」観るなら!

結論と注意書き

 ミリPの方も、そうでない方も、みりっほー(こんにちは)。

 この note は表題のとおり、ミリアニ劇場先行公開第3幕までを通して鑑賞して、再び観るぞ!というかた向けのものです。

 第3幕ラストまでのネタバレを含みますから、未鑑賞の方は急ぎお戻りを……でも、この結論だけは読んでいってくれると嬉しいです。

 第3幕では是非、是非にも!是が非でも!!

 伊吹翼と白石紬、この2人に注目してほしい!

 いやもう、ぶっちゃけそれ以上の情報はないに等しいですし、自然とこの2人に目が行くとも思うのですが。以下、もう少し具体的な注目ポイントを書き綴っていきたいと思います。


※ ここからネタバレ全開で行きます、ご注意を!!




1. 伊吹翼に注目!──翼の2段階の飛躍を目撃しよう!!

 アニメ「ミリオンライブ!」は春日未来・最上静香・伊吹翼の成長劇という側面を持ってると思います。その中でも私はここで、断然、伊吹翼の成長に注目してほしい!と主張したいのです。特に、小題に挙げたように、彼女の2段階の成長を見届けてあげてほしいと思うのです。

 翼の成長の第一段階、その直接のきっかけは、もちろん、第9話での星井美希との会話です。
「翼、そのうち負けちゃうかもね」
 そんな美希のセリフを、翼は、回想の中で
「このままじゃ負けちゃうよ」
 と、より強い言葉で思い返します。それだけの衝撃をもって、重く、憧れの美希ちゃんの言葉を受け止めたわけです。

 ただ、この美希の言葉だけが、翼の成長を引き起こしたのではないはずなんです。
 何でもヨユーっぽくこなしてしまう美希ちゃんが、夜中に泥臭く自主レッスンをしている、その姿を目撃した直後に、翼は先の言葉をかけられます。
 そうであれば、翼はその場で、美希ちゃんへの憧れを捨ててしまうという展開も、あり得たのではないでしょうか?

 でも、翼はそうしないんです。美希ちゃんからかけられた言葉を、今の自分を否定する言葉を、むしろ、より重く受け止めるんです。
 なぜ、そんなことができたのか。
 その答えはきっと、第2幕にあったはずです。
 父親という一番大きな存在から否定されて、それでもなお自分の夢に向かって行こうとする、最上静香の姿。翼はそれを目の当たりにしています。
 そして、むしろこちらの方が決定的だと思うのですが、その姿を見て感じたことを、桜守歌織に自分なりの言葉で表現しているんです。

 この時に、翼はもう、心のどこかで気づいていたはずなんです。
 自分自身からも、他人からも、惜しみない肯定を受け取って、のびのびと生きる、今の自分。
 でも、本当に成長したければ、「今のまま」じゃダメだという、自分自身への否定と立ち向かわなければならない。
 今の自分はまだ「バッチリ」じゃない、そのことと向き合うのは、翼にとって、本当に、本当に苦しいことだったと思います。
 その苦しみを乗り越えたこと。本気を出すことに目覚めたこと、それだけでも十分すぎるほどの成長だと思います。

 でも!それだけじゃないんですよ!!

 本気を出した翼へ、美希が与えた評価は「まだまだって感じ」でした。
 今の自分は「まだまだ」。
 本当に輝く「バッチリ」な自分は、まだ、今じゃない、この先にある。
 そのことを受け止めて、つまり、今の「私は可能性でしかない」ことをしっかりと受け止めて、
 それでも、そんな「まだまだ」な自分を、全力で肯定すること、ソロパートトップバッターを自らの意思で願い出ることを、翼はやってのけるんですよ!!
 これが翼の成長の第二段階です。

 今の自分を否定しなければ、その先の自分にはたどり着けない。
 でも、自分は今ある自分でしかない。

 それでいい!それがいい!!

 あの、鮮烈なまでの「ロケットスター」。
 みなさん、どうかしっかりと見届けてください!
 翼の流す汗を、本気の証を、しっかりとその目に焼き付けてほしい!!

 そして、スタージが終わった後(12話)、未来と手を取り合って喜びを分かち合う翼の姿──春日未来の、仲間の手を、求めたこと。それはきっと「まだまだ」「バッチリ」じゃない自分を全力で自己肯定することに、不安があったからこそだと、私は思うんです。

 あらためて、お願いします。2週目以降の鑑賞の皆さんならば、そんな翼の思いをも汲み上げて、彼女の「ロケットスター」に最高のエールを送ってくれる、そう信じます!

 どうか、伊吹翼のステージに、全力の応援を!お願いします!!

 

2. 白石紬に注目!──弱点こそが最大の武器、これぞミリオンパワー!!

 途中参加メンバーとして、チーム8thのメンバーとして、作中でかなり多くの出番を与えられているものの、コミカルな描写の目立つ、白石紬。

 だからこそ、彼女が機材トラブルからの復旧後、強い覚悟をもってステージに臨み、見事、途切れそうだったバトンを繋いでいった展開に、胸を熱くしたプロデューサーは多いと思います。

 振り返ってみると、紬のコミカルな描写と、彼女の「覚醒」は、しっかりとリンクしているように思えます。

 アニメの作中の描写でも十分に伝わることと思いますが、ゲーム「ミリオンライブ!シアターデイズ」の中でも、白石紬はとかく、思い込みの激しい女の子というキャラクター性をもって描かれています。
 思い込んで、思い詰めて、勝手に自分を追い詰めて…柿落とし公演の当日を迎えても、紬は緊張でカタカタと震えています。

 機材トラブルに見舞われた、シアター。その奈落で桜守歌織と共に待機する、白石紬。あの静けさの底で、彼女がどれだけ思い詰めていたのか。想像するだけでも胸が痛みます。

 だからこそ、だからこそ!繋ぐべきバトンが、まだ落ちてはいない、集まってくれたファンの人たちの手を経由して、今、自分の手に委ねられている。
 このシチュエーションの最中に置かれた白石紬が、
 思い込みの強さを、思い込む「強さ」に変えて──

「うちが、繋がんと」

 それまで空回りするだけだった彼女の思い込みが、ガチィ!っとギアが噛み合うように、究極的な状況とがっちりと噛み合って、そうして繰り出される「瑠璃色金魚と花菖蒲」!和風サイバーな伴奏に全く飲み込まれることのない、白石紬の歌声!!
 初めてこの曲を聴いたという人だけでなく、これまで何度も繰り返し聴いてきた私のような人も、客席の音無小鳥さんと同じような「ひゃー」という感じの表情になったのではないかと思います。

 このカタルシスは、もちろん彼女の歌唱力・パフォーマンス力によるところが大きいと思うのですが、それに加えて、標記のように、それまでコミカルに描写されてきた白石紬の「思い込む」強さが、まさに彼女の強みとして発揮され、シアターのアイドルたちと、集まったファンの人たちとの「思い」を一身に受け止めるという、ワンフォーオールでオールフォーワンな展開が生む熱さもあったればこそ、なのだと思います。

 2周目以降に鑑賞する皆さん、打ち上げの提案に噛み付く紬を、キャパオーバーしてお目目ぐるぐるする紬を、その先にまつ必然としての「覚醒」を予感しながら、どうか暖かく見守ってあげてください!


最後に

 以上、伊吹翼と白石紬のことについて、かなり駆け足で書き綴る…というより、書き殴ってしまいました。最後にちょっと、付け加え的に。

 こう書いている私自身は、実は千早担当です。千早と静香の物語については、言わずもがな、と思いましたので、それについて言葉を尽くすことはここではしませんでした。

 ただ、ひとつだけ。12話の千早にも、良ければ注目してほしいです。
「止まらないで!」
 あの声を上げる直前、音響が落ちたことに呆然とし、そして声を上げる──その間の、一瞬、苦悶を覚えたかのような表情を見せる千早。それは、歌声を失うという彼女自身の経験が、思い起こされたからではないかと思います。

 そして、駆け出した千早が向かった先。それは、音響の途絶えたステージで歌い切った3人の元でした。豊川風花・望月杏奈・横山奈緒。3人は本当に、見事に、やり切ってくれました。
 でも、本意のステージでは、もちろん、ない。できる限りの最大限のことをやり切ったという実感はあっても、結局は大失敗であることに変わりはないのではないか──そんな不安に、3人は絶対に、苦しめられる。
 だから、千早は走り出したんだと思います。あなたたちは本当によくやった、あなたたちがバトンを繋いだんだと、伝えるために。


 見どころ、魅力的な箇所、言葉を尽くしてもっともっと、語りたいポイントは、まだいくらもあります。けれども、とりあえずはここで筆を置くことにします。

 テレビ放映でこの物語に触れる人たちも、やがて、この語り尽くせぬ物語を語る場に、加わってくれることでしょう。
 ミリオンライブ止まらねえ!
 止まることのない物語の中で、皆さんがさらに一つでも多くの語るべき何かを得る一助に、このノートがなってくれるならば幸いです。

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