「大衆に届く」ということはどういうことか(金爆ライブで出会ったお母さんの話)

※わりと細かい話は変えて書いてます。

一昨年の夏だったかしら。金爆のワンマンライブにチケットを持たずに物販だけ買いに行ったんです。人気すぎてチケットが手に入らなかったので、物販だけでも買いたいなあと思って、会場が自宅からそこそこ近かったこともあり、現地でお譲りがあればいいなあという気持ちもありましたが(ダフ屋はさすがになあ…)、なんとなく”人気絶頂のゴールデンボンバーの現場の雰囲気”を感じたかったというのもあります。

開演時間直前に会場につくと、もうお客さんは会場内にいるので物販スペースは換算としており、つつがなく買い物を済ませてなんとなくあたりに目をやると、コスプレやきぐるみ、タミヤTの子たちが数名開場前の広場にたむろしていました。

「あ、音漏れを待ってるのかこの子たちは」

大きな会場や野外の会場だと、わりと近くにいると音が聞こえてくるんですよね。チケットを手に入れられなかった子たちが音漏れ目当てで会場周辺にいるというのはわりとよくあることで(まあこの「音漏れを聞く」っていうのも厳密なマナー話としては議論されているわけですが…この時は会場前の広場にいたのでセーフかなとは思う)。エアーバンドなので、生演奏のそれではなくてipodから再生される音漏れになるわけですが、その価値がどのくらいあるのかはそれは人それぞれだとは思いますが。開演時間が過ぎて「ワンマン不安」が流れだすと、それは楽しそうに踊り出すのをわたしは「ほほえましいなあ」と思いながら見ていました。

そしてその集団から少し離れた所に、自前の折りたたみ椅子に座っている中年女性の姿が目に入りました。なんとなく「バンギャルの親」という存在とコミュニケーションをとってみたくなり、話しかけてみました。

「子供さんが(会場の)中にいるんですか?」

「ええ、友達とふたりで。あなたは?」

「チケットとれなかったんで、コレ(グッズ)だけ買いに来ました」

「わたしもゴールデンボンバーのファンなの。でも今日は2枚しかチケットが取れなかったから…」

「お母さんもゴールデンボンバーお好きなんですか?」

そこから、

・娘さんの影響でゴールデンボンバーのファンになった(娘さんはキャンさんのファンで、お母さんはキリショーさんのファンとのこと)

・ふたりともそれ以前はヴィジュアル系のことは全く知らなかったし、お母さんも昔の歌謡曲が好きだったと。(娘さんは今は金爆以外のV系も聞いているとのこと。ちなみに娘さんは「お母さんにヘドバンしてるところ見られたくない!」と相席拒否!)

・ゴールデンボンバーの曲をパートのお仕事中によく聴いてる

・ふたりでニコ生「月刊ゴールデンボンバー」をみていること(視聴者が多くてはじき出されるので、先日ついにニコニコプレミアムに加入したという)

・翔さん(キリショーさんのガチのファンの人はだいたいこう呼ぶ。お母さんも例外ではなかった)の声や曲はもちろんだけど、考え方が好き、でもブログを読むとメンバー全員しっかりしているし良い人だと思う。

・だから最近忙しいからメンバーのメンタルが心配

という話をしました。

そうこうお話をしているうちに、会場の方は本編のクライマックスの「イヤホン」へ。この曲は鬼龍院さんがファンへむけて書いた曲として知られていて、人気の高い曲です。(歌詞 http://j-lyric.net/artist/a053edb/l028abb.html)イントロが聞こえ出すと、会場の歓声もひときわ大きくなりした。外で踊ってる子たち(当然まだいる)も手を取り合ってキャッキャしています。

で、サビに差し掛かると、お母さんがこの曲をハミングしだしました。

届け僕の声 涙に暮れている君まで
もう悲しい雲におおわれないように
遠くで叫んだ想いが溢れてくよ
小さなイヤホンから

あぁ君にそんな歌届けばいいのにな

そのお母さんの表情をみた時、わたしは「ああ、大衆(この場合重度のV系ファンではないという意味)に届くということはこういうことなのだなあ」となんとなく思いました。

https://www.youtube.com/watch?v=232dyQRF-YU

その人の生活とともにその音楽(この場合ゴールデンボンバー)が寄り添って生きているというか。

よく「ブレイクするのはバカに見つかる」と有吉さんの言葉を引用する人も多いですが、こういう個人のひとりひとりの日常に組み込まれていることが、積み重なって「ブレイク」というのはあるのだなと思った次第です。



(おしまい)




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寝言コラム

ビジュアル系に纏わる個人的な寝言
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