突然the GazettEについて考えてみた日記

こないだ、海外のビジュアル系バンドの取材をしたんです。海外「で」活動をしてる日本のバンドではなくて、海外「の」ビジュアル系バンドです。

つまりYouTubeとかでビジュアル系を知って自分たちでもバンドやろうぜ!と活動をしているひとたち。世界は広いので、ビジュアル系を名乗る海外のバンドはそれなりの数はいるようで(フランスや香港とか、あとモンゴルとかにもいます)、たまに日本でライブもしてるわけです。そういう方々に「好きなバンドは?」と聞くと開口一番「the GazettE」という答えが返ってきます。

海外でガゼットが人気なのは、たとえばNHKWorldの「J-MELO」という海外に向けて邦楽を紹介する番組でthe GazettEがリクエスト一位だったりとか、世界ツアーの動員が何万人みたいな、情報としては認識していました。Youtube、インスタグラムとかのコメントも多言語ですし。

しかし直接タイのビジュアル系バンドの子達が相当の熱量を持ってthe GazettEを語ってるのをみると、「やっぱりthe GazettEすごい」と改めておもいました。

(J-MELOの10周年記念本の表紙。ハロプロやTK、SCANDALの間にthe GazettE)

そんなthe GazettEのライブを最近二回ほどみる機会がありました。最新作『DOGMA』をひっさげた全国ツアーの前半戦。千葉と越谷でのライブをみてきました。どちらも市民会館的なホールが満員御礼で、ファンの子達も気合十分…というか、この子達はガゼットが好きで、ガゼットのことを心底かっこいいと思っていて、今日一日マジでガゼットのことしか考えてないんだろうな、というのが伝わってくるというか。良い意味でのレディース、クルセイダー感。ステージのほうもこの規模でこのアクトができるのは(すくなくともビジュアル系シーンでは)多分the GazettEくらいでは…的な。

(全体的に「黒い」the GazettEのファンのみなさん。わたしは地方のホールがライブ原体験にあるので、こういう風景が大好きです)

と、いいつつも、わたし自身当初はそんなにthe GazettEのことはそんなに興味を持っていなかったというか、興味を持ったのはここ数年、最近なんですね。すみません。「the GazettE?若い子が聴くバンドでしょ?(柔らかい表現)」くらいの気持ちで。なんでかというとエーネーションや氣志團万博かどでみる機会があり、そこでのライブが(ファン含めて)素晴らしく、それで手に取った当時の最新作「BEAUTIFUL DEFORMITY 」を聴いてびっくりしたんです。

めちゃくちゃカッコ良いやんけ!と。

それまでの作品もちょいちょい持ってたり借りたりしていたのですが、「BEAUTIFUL〜」は、ビジュアル系という基盤を保ったまんま、当時の流行のサウンドをうまく取り入れていて、深いレベルで融合させてると感じました。まさに美しき異形。そこでまぁ平たく言うとthe GazettEに対して手のひらを返したわけですわたくし。

さて、90年代ブーム以降のネオビジュアル系バンドへのよくある批判として、「今のバンドは「ビジュアル系」をやろうとしている(ゆえに90年代のバンドと違って凡庸である、小さくまとまってる)」的な話があります。まぁ、先人たちは誰も見たことのないことをやろうとして、視覚的要素の強さを洗練させた結果、ビジュアル系と呼ばれるようになったのに対して、今のバンドはわざわざビジュアル系という枠に入ろうとしている、という感じです。
そういう傾向は否定できないかもしれませんが、ここまで長くジャンルが続いるとそれって悪いことなん?という気もしてきます。(その枠を逆手にとったゴールデンボンバーのような存在もいますし)
そしてガゼットですが、わりとことあるごとに「ビジュアル系であることに拘りを持っている」という発言をインタビューなどでしていますし、ラウドパークから氣志團万博まで結構フェスにも出てますが、そのスタンスは崩していません。
(厳密にはビジュアル系であることに拘りはあるけどビジュアル系シーンの流行には興味ないです的なスタンス、が正確かしら)

ここでちょっと思うのが、ビジュアル系であることにこだわっているからこそ、海外ファンが多いのではと。仮説ですか、ビジュアル系的(これは見た目というのもあるし、サウンド的にもそうです)なある種記号的な要素をずっと持っているから、言葉がわからなくても伝わりやすいのかなという。あ、ほんと、これはちょっと思っただけなので…。

そしてもうひとつthe GazettEの特殊さって、「シーンの流れを変えてしまうような、時代を象徴するようなバンド」って基本的に駆け抜けてしまうというか、XもデランジェもLUNA SEAも黒夢も一度はその活動を止めています。そして看板は降ろさずとも、並行してソロ活動をやりながら、というバンドも少なくない中で、わたしの知る限りガゼットってほんとにthe GazettEしかやってないんですよね(イベントでシークレットゲストとしてギターが乱入とか、ボーカルが化粧品プロデュースとかはしてましたが)。これは結構特殊なケースなのでは……と思った次第。

13年シーンのど真ん中をずっと走って「それしかやってない」人たちのやってることが、面白くないわけないんですよ。まさに漆黒の横綱相撲ですよ。ちなみに12月からアルバムツアーの二弾がはじまります。好みは分かれるかもしれませんが、ほんと「濃い」ものが見たい人は是非見てほしいです。





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「誰も死なないヴィジュアル系日記」

藤谷千明(exまつおか)。ヴィジュアル系とかのライター。暇人。メール913enter@gmail.com

寝言コラム

ビジュアル系に纏わる個人的な寝言
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