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第932回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ベトナム政府高官、半導体開発でサムスンと協力を希望

本日の記事:
「ベトナム政府高官、半導体開発でサムスンと協力を希望」
原題:
" Vietnam wants to cooperate with Samsung in semiconductor development: official "

記事リンク:https://vir.com.vn/vietnam-wants-to-cooperate-with-samsung-in-semiconductor-development-official-108528.html


(写真:バクニン省のサムスン電子の工場で働くワーカー)


【本日のポイント】

(1)ベトナム政府は半導体産業の発展を国家戦略的として進めており、韓国のサムスン社との協力を強く希望している。

(2)サムスン社はベトナムへの投資を拡大し続けており、すでに200億米ドル(約2兆9475億円)以上もの莫大な投資をベトナムに行っている。

(3)現在、サムスン製品の50%以上がベトナム製で、両者の連携はベトナム国内経済に重要な影響を与えている。

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【解説】

アジアゲートベトナム代表の豊田です。

さて、今日の記事について。

ベトナムのおけるサムスングループの投資は2008年〜9年頃に携帯端末を製造する第 1 工場が稼働しはじめことから始まり、以後、毎年のように設備投資を拡大し、今やベトナムにおける最大の外国投資企業となっています。

ハノイで建設中のサムスングループにとって外国初のR&Dセンターもすでに採用活動中で、R&Dセンターとしての規模は東南アジア最大級とのことです。

すでにベトナムで6工場が稼働し、13万人もの従業員を雇用していると言われるサムスン社ですが、今後はR&Dセンターで数百人の技術者を新たに雇い、これまでの電話・パソコンなどの商品に加え、ハイテク分野の研究も強化する、と言われており、その大本命が、この「半導体産業」であることは間違い無いでしょう。

ベトナム政府も、今後、自国の製造業を「安さから品質」に転換していく上で、半導体産業の育成は急務で、ここにサムスン社との利害が一致、ということでしょう。

一般的には、現時点では、たくさん半導体産業が来てもベトナムにそれをこなせる人材は足りていないことは明らかで、サムスンのR&Dセンターや、今回の記事に出ているベトナム政府管轄の国家イノベーションセンター(NIC)に設置されたトレーニングセンターで鍛えられた人材が、それを担うことになろうかと思います。

半導体関連技術者の獲得という観点からいえば、これまで培った政府や大学との繋がりの強さ、教育面での貢献、そして入社後の待遇面の良さなどで、サムスン社は圧倒的に優位な立場にあると思います。

今後、米系、日系、台湾系、そしてサムスン以外の韓国系を含めた多くの半導体関連の企業がベトナムに進出してこようかと思いますが、現状のままでは人材面では当面、サムスン社に苦戦を強いられるのは明らかです。

それに対抗するには学生時代からの有望人材の育成など、長期的な戦略を考えない限り、「進出したはいいけれど、エンジニアがいない」という状況になりかねないおそれを感じますね。

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(記事の和訳)
ベトナム政府高官、半導体開発でサムスンと協力を希望

ベトナムは、半導体産業を発展させ、イノベーションを促進する戦略を構築しており、サムスンが戦略的投資家になることを望んでいると、Nguyen Thi Bich Ngoc計画投資副大臣がサムスンベトナムのChoi Joo Ho社長に語った。

ベトナム政府は、半導体産業を発展させ、イノベーションを促進する戦略を構築しており、サムスンが戦略的投資家になることを望んでいると、グエン・ティ・ビック・ゴック計画投資副大臣は、サムスンベトナムのチェ・ジュ・ホー社長に語った。

最近の会談で、Ngoc副大臣はベトナムにおける同国の企業グループのプロジェクトと現地の社会経済発展への貢献を高く評価した。

また、同グループがベトナムのサプライチェーンに参加できるよう、国内企業の能力向上を引き続き支援し、国家イノベーションセンター(NIC)に設置されたトレーニングセンターを実質的かつ効果的に運営するため、同省と緊密に連携することを提案した。

計画投資省は、利益の調和とリスクの共有の精神に基づき、すべての関係者の利益を確保するため、国際情勢や規制、ベトナムの規制に沿った政策を早急に構築するため、関係機関と調整するとゴック氏は述べ、外国人投資家にとってより有利で魅力的なビジネス・投資環境を構築するためのベトナム政府の取り組みを強調した。

Choi Joo Ho氏は、サムスンはベトナムへの投資を継続的に拡大しており、昨年は約12億米ドルが追加されたと述べた。

サムスンは裾野産業の育成に力を入れており、イノベーションと情報技術のための研究所の運営、技術人材の育成、スタートアップ企業の支援など、NICとの連携を強化していく。

2023年後半の時点で、サムスンはベトナムに200億米ドル以上を投資している。

現在、世界中で販売されているサムスン製品の50%以上がベトナム製である。


以上 豊田英司
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