第983回「豊田英司の"今日のベトナムニュース解説"」ベトナムでの詐欺行為について外国人の意見が分かれる
本日の記事：
「ベトナムでの詐欺行為について外国人の意見が分かれる」
原題：
" Foreigners disagree on fleecing in Vietnam "
【本日のポイント】
（１）ベトナムにおける外国人観光客に対する詐欺行為が問題視されているが、実際には事実無根の情報もある。
しかし、やはり、一部の露天商が高額な料金を要求して罰金を課せられる事例も報告されているのも事実である。
（２）ただ、多くの外国人観光客はベトナムの人々や風景に魅了されており、詐欺行為よりも多くのポジティブな経験をしたことを強調している。彼らはベトナムの文化に浸りながら、遭遇した問題を積極的に解決し、再訪を強く希望している。
（３）一部の外国人は、観光地での過剰請求を適切な交渉によって解決し、ベトナム人の親切さと好意を高く評価している。
彼らは、高額な料金に対しては他の売り手を探す柔軟な対応を勧めている。
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
【解説】
アジアゲートベトナム代表の豊田です。
さて、今日の記事について。
まぁ、この「ベトナムで外国人が高額な料金を請求された」話については、人によって色々分かれますよね。
ただ、ベトナムにいる、さまざまな国の人と話していて思うのは、こういう
「相手の無知、無力の状態につけ込んで、不当な請求をする」
ということに対して、日本人は特に非常に忌み嫌いますよね。
個人的な印象なんですが、こういうことされてブチギレる度合いで言ったら日本近隣の某国の友人たちはむちゃくちゃブチギレるよなーって、思います。
「そない、怒らんでもええやん」
て、途中で笑っちゃうこともありますから。
でも、いつも思うんですが、その時のブチギレてる理由は大抵、
「よくも、俺を騙しやがったな＝俺を侮辱しやがったな」
的なベクトルのことが多いように思うんですよね。
ところが、日本人の場合は、
「ああいう人を騙す、という人間性自体がどうなんだ。あいつは人として最低だな」
という感じなんですよね。
この違い、わかります？
要するに、某国の友人たちは
「そういう行為自体は、そりゃ、人間だしやるだろうが、それを、よりにもよって、よくも俺にやりやがったな。俺を舐めやがったな。許せねぇ」
的なあくまでも、「”俺”にはやるなよ。」という感じ。
ところが、日本人の場合は
「こんな詐欺行為をするなんて、信じられない。人として、間違ってる。この人間は最低の人間だ」
みたいに、もう、人間性から「こんな詐欺行為を行うなんて人としてどうなん？」みたいな感じと申しますか。
まぁ、この日本人的な反応は、わかるわー、と言いますか。。。
日本人は「貧しくとも、心清らかにして清貧を貫く」みたいなことにすごく敏感ですからね。
いや、私も、他国の友達と一緒にいると、やっぱり「清貧の思想」的な部分はかなりあるなぁ、、俺って日本人だなぁ、、と自分でも思います。
でもですね、、、、
やっぱり、日本て、豊かで、安全で、安心して、多くの人が暮らせる国なんですよ。
一方で、ベトナムって、生きていくの、本当に大変な国だと思うんですよ。
これ、私がいつもセミナーで使う資料なんですが、こうやって改めて並べてみると、
「いやぁー、日本は、もう終わってるよ。ベトナム人が羨ましいわー」
なんて、私は口が裂けても言えないですから。
そういう、厳しい生存環境の中で、家族のため、子供のため、自分の未来のため、必死で生きている人々の目の前に、ベトナムの相場観も知らない、ベトナム語もできない、ベトナム人の友人もいない、外国旅行に来るくらいだからお金はそれなりに持っていて生活困窮者ではないであろう、、、、というような外国人が目の前に現れたら、、、、
まぁ、この環境は外ってしまうと、我々にとっては問題と思われる「不当請求」的な行動も起こしてしまいやすいのかもなぁ、、と、、、、
なので、何度も言いますが、私は別に「日本人は、いい人。ベトナム人、いけない人」という話をしてるんじゃないんですよね。
日本の落語なんか聞いてればわかるように、江戸時代に、間抜けな金持ちのボンボンを騙して、遊ぶ金を騙くらかす遊び仲間の町人たちの話なんて、なんぼでもあって、別に日本人だって根本はそんなもんだと思うんですよ。
ただ、今の日本では、世界標準から考えて、相対的に言えば、医療、教育、年金、基礎的な社会インフラが非常に高度で、かつ、非常にリーズナブルに入手できる状況にあるので（もちろん、そうでない生活状況の方が日本にもいるのはわかってます。あくまでも、相対的に、です）、目の前の観光客を騙して千円のところ二千円にするリスクを犯す「動機」が低いのは事実だと思うんですよね。
こういう話をすると「日本人は、何があっても世界一の正直もの」的なお話をする方には嫌がられるかもしれないですが、、、
私ももちろん、日本人は正直でいいな、とは思ってるんですが、それは、この恵まれた「環境」においてであって、本当に生きるか死ぬかの必死のパッチの時には、それはどうかなぁ、、と。
で、結局、何が言いたいかというと、なので、多少、お金を誤魔化したからといって「ベトナム人て、嘘つき！日本人はこんなことしない！ベトナムには2度と来ない！」って一般化してしまうのは、ちょっと、もったいないよな、と。
それは、その方の置かれた「環境」が引き起こした悲劇かもしれないですよ、人間性まで否定しちゃうと、生きづらい世の中になりませんかね？という、私のちょっとしたサジェスチョンでございました。
＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋
【記事の日本語訳】
ーーーーーーーー
ベトナムでの詐欺行為について外国人の意見が分かれる
最近、外国人観光客がベトナムで料金を踏み倒すという事件が再び世間を騒がせ、ベトナムの観光産業への影響について深刻な懸念が高まっているが、ある外国人は他の多くの外国人とは異なる見方をしている。
先月末には、ベトナムの露天商がハノイで外国人観光客2人にパイナップル3個で50万ドン（約19.7米ドル）を請求したというニュースがベトナムのソーシャルメディアで拡散されたばかりだ。
地元警察は後に、この情報は事実無根であることを明らかにした。
3月にも、ハノイのホアンキエム湖の露天商が、外国人観光客2人にベトナムドーナツ4個を5万ドン（2ドル）で販売し、実際の価格の2.5倍の高値をつけたとして罰金を科せられた。
その1週間前にも、首都ハノイ市タイホー区で、別の露天商が外国人観光客2人組に果物1袋を20万ドン（8ドル）で売りつけようとした同様の事件があった。
これらの事例では、物売りは観光客に対するベトナムの魅力を低下させていると非難された；
しかし、3人の外国人はTuoi Tre Newsに対し、この問題についてより寛大な見方を示した。
問題ではなかった
イギリスからの旅行者であるカレン・メイソン夫妻は、3月中に東南アジアのベトナムを南から北まで縦断し、ベトナムをぜひ訪れたい旅行先として熱烈に支持した。
50代後半の夫妻は、特に北部のハザン省に注目し、人々や風景が好きだと述べ、長期滞在のために再び訪れたいと強い意欲を示した。
「時間があれば、いろいろなものを見たり、したりすることができます」とメイソンはTuoi Tre Newsに送ったEメールに書いている。
ベトナム体験にどっぷり浸かるために、メイソンは否定的なオンラインレビューに直面しても平静を保つことをモットーにした。
彼らは、旅の途中で遭遇したどんな問題にも積極的に対処できるよう、コンサルティング的な考え方で批評に臨んだ。
彼らの心構えは、道端でフルーツを購入した際に大いに役立った。
売り手がおつりを返さずに10万ドン（4米ドル）札を受け取ったとき、1週間ベトナム文化に浸り、徐々に通貨に慣れてきたこともあり、夫妻は自信を持って状況を判断した。
購入した果物の価値が10万ドン以下であることを確信した二人は、丁寧に払い戻しを要求し、果物を売り手に返して立ち去った。
「人々は私たちに物を売ろうとしていましたが、彼らは断固としてノーと受け入れました」とメイソンは付け加えた。
メイソンと彼女の夫はまた、ライドヘイリングアプリのGrabを頼りにし、業者から立ち去る前にお金を数える習慣をつけた。
「私たちはそれなりに旅行に詳しいので、全体的には問題なかった」とメイソンは言った。
「旅行者は新しい国に行く前に、少し調べておく必要があるのかもしれない。
交渉が鍵
ベルギーからの旅行者、ナディア・ボンチスにとって、ベトナムで旅行者が過剰な料金を請求されるという考えは信じられないようだ。
彼女に言わせれば、ベトナムの人々は親切で、いつも笑顔を絶やさず、他人を助ける準備ができている。
「私たちが観光客だからといって、売り手は観光客に高いお金を要求しません。
4月に家族でメコンデルタ、ダナン市、クアンナム省ホイアン市など数多くの観光地を巡ったことで、ボンチスはベトナムを心から愛するようになったようだ。
彼女は旅で出会った風景や人々を心から賞賛した。
「すべてが素晴らしい。
「私はあなたの国に恋をしている。
「私の心を奪って、閉じ込めてしまった。
ボンチスの愛情に満ちたまなざしは、細部を簡単に見落としてしまう。ベトナム観光の改善すべき欠点について質問されると、彼女は即座にそれを否定した。
「ボンチスはTuoi Tre Newsにキャップスロックでこう書いた。
「ベトナムの唯一のマイナスは、歩道と赤信号がないことだ。
「道路を横断するのは不可能だ」。
ボンチスは様々な地元の市場を訪れたポジティブな経験を強調した。
「過剰請求？そんなことはないと思う。
「仮にそうだとしても、少額の追加料金になる。
「交渉はしないけれど、ひとつの商品に対して同じ値段を要求されることはある」。
このベルギー人旅行者は、旅行中は値段に柔軟に対応することを勧める。
「値段が高すぎると感じたら、別の売り手に行くこと」と彼女は言う。
「どこの国でも、過剰に請求しようとする人はいる。
「次の売り手に行って交渉すればいい。
昨年10月、イギリスから来たラックスマンとヴィオラのダス一家がベトナムを旅したときも、そのようなアプローチをとった。
「私たちは旅行が多いので値切り交渉には慣れているのかもしれませんが、ほとんどの露天商が高い値段から始めていて、初心者の旅行者は値切ることなくただお金を払っていることに気づきました」とヴィオラはコメントした。
「外国人へのアドバイスとしては、お店で全財産を受け取ったり、ちらつかせたりしないことだ。
「控えめにメモを取ることだ」。
インスタグラムでベトナムを知ったラクスマンとヴィオラは、3歳の娘とともにキエンザン省沖のフーコック島、ホーチミン市、メコンデルタ地方を探検したが、ネガティブな体験には遭遇しなかった。
「この旅は私たちの期待以上のものでした」とヴィオラは語った。
「家族3人での旅行だったが、誰もが非常に親切で、すべての経験が思い出深いものになった。
ヴィオラは、彼女の家族がベトナムの伝統文化にどっぷり浸かることができたメコンデルタを特筆した。
「私たちが味わった食べ物は本物でした」と彼女は回想した。
「ティエンザン省のトイソン運河沿いを）カヌーに乗っている間、地元の人たちが一日を過ごしているのを眺めた。
「地元の人たちが川でどのように暮らし、働いているのかを目の当たりにすることができた。
「何よりも、川沿いの息を呑むような景色に圧倒されたよ
興味深いことに、ダス一家に晴天の空に曇りを与えたのは5つ星ホテルだった。
「私たちは5つ星ホテルだけで、他の多くのアジア諸国と比較して異常な金額を請求され、ぼったくられていると感じました」とヴィオラは言った。
「ベトナムの観光局は、5つ星ホテルの飲食費に上限を設けるか、もっとよく調べるべきだ」。
＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋
以上 豊田英司
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
「アジアゲートベトナム 」はベトナムにおける人事・ 労務のアドバイスに特化して、あらゆるご相談を承っております。
まずはお気軽にご相談ください。
（主なサービス内容）
(1) ベトナムにおける人事、労務、法務のご相談、調査、 セカンドオピニオン提供
(2) 就業規則、賃金テーブル、雇用契約書などの作成サポート
(3) 人事評価制度作成サポート
(4) ビザ・就労許可証(WP)、一時滞在許可証（TRC）の取得代行
(5) 会社設立ライセンスの新規・追加手続き代行
(6) ベトナム市場調査、ベトナムローカル企業の与信調査
(7) その他、ベトナムでの事業運営に関わる各種相談対応
============================== ==============
ASIA GATE VIETNAM CO., LTD
（ウェブサイト）
https://www.asiagate-vietnam.com/
Managing Director /代表
豊田英司（Toyoda Eiji)
TEL : ＋８４（0）94 653 2425
Email: toyoda@asiagatevn.com
【会社所在地（Office Location）】
ハノイ本社（Hanoi Head Office）
4 Floor, B220 Vinhomes Gardenia, Ham Nghi, Cau Dien, Nam Tu Liem, Hanoi, Vietnam
ホーチミン支店（HCMC Office）
1F - Somerset Chancellor Court,
No. 21-23 - Nguyen Thi Minh Khai street, Dist. 1 Ho Chi Minh city ,Vietnam
ハイフォン出張所：(Hai Phong office）
No.12/116 Vinh Cat str, Vinh Niem ward, Le Chan Dist,Hai Phong, Vietnam
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？